数学教師の書斎

自分が一番落ち着く時間、それは書斎の椅子に座って、机に向かう一時です。

数学の入試問題について(2)

2021-06-08 08:01:07 | 数学 教育
 数学の本を読んでいる時に思い出すのか、大学入試問題を解いている時に思い出すのか、どちらが先がわかりませんが、そんな入試問題が時々目にします。
 以前のブログでも書きましたが、そこでは京大の西田先生の書かれた本の内容と類似した入試問題の話でしたが、他にも目にすることがあったので忘れないうちに書いておきたいと思いました。2006年度の大阪市立大の問題で前期日程の文系と看護学部の医(看護)学部の問題で、出題範囲は1A2Bです。4題出題されたその3番の問題です。

円と放物線という2次曲線があって、放物線上3点A,P,Qをとって、直線AP,AQが円に接しているという条件での設問です。高校の数学の単元では図形と方程式という数学Ⅱの範囲ですが、数学的にはポンスレーの閉形定理の話で、実はこの2つの円と放物線は次の本のp150〜151の例に挙げられています。
この本の出版は2005年の10月ですから、実際はそのすこ日前になるかとも思いますので、2006年度の入試問題作成時期に当たるのでしょうか。しかし、代数幾何でのポンスレーの定理での有名な例かもしれませんね。
 ただ問題を解いているだけだと気がつかないことが多いのですが、数学の本も読んでいるとここでのような実例を見つけることができ、教える立場としても、常に数学の本を読むことが求められていると実感します。問題を解くだけなら必ずしも必要ではないかもしれませんが、もう一歩数学の中身を教える側が理解するには必要なことだと思います。そこに教える側の楽しみもあるのかと思います。
 この本の著者の硲文夫先生の本はどれも読みやすく、読むたびにそのありがたみを感じています。

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