お先に下山します☆彡

目指せ!エンディングノート(*^^)v

ズーティエフ彗星P2 追尾や光害など

2023-02-10 10:33:30 | 天体観測
ズーティエフ(ZTF)彗星は、2/2の地球最接近後、次第に遠ざかって行ってます。尻尾は最接近日の前後で長く見えるので、1月末に見えた長いテイルを期待しまだ撮影を続けてます。が、毎日天気が微妙で消化不良。
とりあえず、火星にミートする2/11まで続ける気合なり。

◆2/5、満月との闘い
↓満月と薄雲に邪魔されながら渾身の一枚
尻尾が・・・しょぼいっす
↓1月末はこう見えていた

↓秩父高原牧場、標高600m、日の出前
↓前日20時~翌朝6時、観測終了!(^^)!
↑憎きお月さん、あいつと一晩中戦っただ。
この設置作業+極軸合わせ、5~10分で完了します!。ケーブルがお行儀悪いですが、天体観測では速さは神なのです(^^)/
こんな明るくなるまで、望遠鏡では星が見えてるのですよ。

◆2/8、雨後の執念@庭
↓西の木影に落ち行くZTF


◆2/9、快晴キタ!
天気予報ではこれが最後のチャンスぽい。強風の中再び秩父高原牧場へ。
ミルクハウスの前に同業者がおられた!(^^)!。おいらは裏のポピー園へ。
↓日没現着。正面秩父盆地、左にあるのが武甲山ね。
月が昇る20時までが勝負!

↓取れ高・・・天の川をぶっちぎるZTF
総露出2400秒、Sharpcap彗星追尾撮影
1月時は北極星の近くだったので星が少なく良かったのにね。

相変わらずライブ配信もやってます。
今回の山も地上キャリアが弱く、スターリンク衛星経由で配信でした。
↓リスナーのリクエストに応じ、あんこ色のアンコロメダ(^^♪




以下、ちょっとテクニカルなネタになるので、沼を見たくない方はスルーしてください。

◆撮影方法とSharpcap新機能
彗星は北極星を中心に動く星の日周運動とは違い、天の北極とは無関係に独自の軌道で移動してます。恒星、銀河、星雲は日周運動なので赤道儀で簡単に追尾できますが、彗星は独特のトラッキング手段が必要になります。
一般的手法として、事前に彗星座標を把握し移動量に合わせて赤道儀で追尾するメカトーフ法と、彗星核の光を追尾し赤道儀を動かす彗星核追尾法があります。
どちらも機材とアプリによる可否があり、慣れも必要です。
ライブ観測をしない人は、数十枚撮影した画像を編集アプリで彗星位置を合わせ、重ね合わせ仕上げる方もいます。ローカル編集で好きなように調整でき、精度も上げられるのでこっちのほうが多数派かもしれません。
おらはライブマニアなので、ガイドスコープによる彗星核追尾をしながら彗星画像をスタッキングするのですが、マイ機材では今回のZTFはギリ光量不足で不安定、なんとかならんかと思ってたところ、今年1月末、Sharpcapアプリが4.1β版として彗星追尾に対応してくれました。
前回ブログ後から、Sharpcapによる彗星追尾に切り替えました。
↓こんな感じになります。

しっかり彗星を追尾してます。
画像下のグラフは、彗星のアライメントヒストリです。30秒シャッターで22分間露出の履歴、彗星のポジションドリフト状況がシャッター毎に更新されて行き分かりやすいです。
↓こっちは総露出約80分間のドリフトグラフ(単位はピクセル)

赤道儀動作で彗星ポジションを追尾してるわけではなく、Sharpcap内の画像処理で彗星を自動検知し、その位置を不動点とするため、長時間撮影すると彗星の移動分だけ画像の淵がスタックできなくなり、100%全体画像では隅っこが暗くなって行きます。おらの250mm鏡筒では数時間追尾撮影すると暗い部分が彗星にかぶり始めます。普通そんな長時間スタックやらないはずですけど、やる人はスタック開始時に彗星位置を画像センターにしないで彗星移動方向に多めのマージンを取るよう赤道儀を合わせるとナイスです。

誰でも簡単に使えるSharpcapが彗星追尾機能を実現したのはちょとした事件ですね。追尾機材の準備や設定の手間を解消しました。
どんなアルゴリズムになってるのか興味があり、本家フォーラムを覗いて見ると、管理人がコメントしていました。
まず、画像を3つの部分に分割するそうです。
  1. バックグランド
  2. 星(彗星以外)
  3. 彗星
そして、画像処理で1と2を消し彗星だけを抽出し核の位置を取得、後は画像上で彗星位置をトラッキングしてスタック処理するようです。
パラメータが調整できるようになっていて、周辺の星を消す度合い調整 "Ignore Sstars Filter Size" と、彗星核の中心精度を上げる "Detection Threshold" があります。

デフォルトでは、それぞれ50pixels, 0.10%となってますが、一部海外ユーザからはIgnore Stars Filter Size=15pixelsで最適画像が得られたとの報告もありました。0.10%の方は画像全体の大きさに対する%です。いずれもゲインやセンサーサイズによって異なってくるはずなのでカットアンドトライ(※)ですね。
おらもいじってみたのですが、彗星近くに大きな恒星があったり、薄曇りや光害でSharpcapが彗星を判別しにくい時の彗星検出可否に効果がありました。状況に合わせチューニングしましょう。
あと、シャッター毎に移動する彗星位置を個別に把握したい場合は、左側Controlesセクション内の "View" を、StackではなくIndividual Framesに変えます。Logタブ内のx,yの変位量からも知ることができます。

※:Ignore Stars Filter SizeとDetection Thresholdの調整について
これ観測条件で調整がシビアな時があります。周囲にある恒星の大きさが彗星と同程度だったり、星が多い時など、最初の彗星検出が結構不安定になります。上画像にある2/9の天の川付近の時は、それぞれ60Pixels、0.01%の設定で安定しました。

正式版で更にブラッシュアップされると良いですね。

◆光害マップ
星見ファンには定番の世界中の光害度合いが分かるLight Pollution Mapです。

関東含め都市周辺はえらいことになってます。
おらのベースは埼玉と横浜なので光害地獄です。季節が良くなると富士山周辺や伊豆天城あたりに遠征してます。現地で出会うガチな人たちとの会話が楽しいです。
↓今回彗星の観測地(秩父高原牧場)

青い場所へ行きたいんですけどねー。冬なんでねー"(-""-)"。

◆どこがいいのか
ところでみなさん、日本で一番暗い夜空(星が見えやすい)はどこか知ってます?
↓阿智村でしょうか?

長野県阿智村は、日本一綺麗な星空として有名ですが、、実はどこまで暗い星が見えるかという感度指数では、国内上位50傑にも入れません。
環境省が毎年夏冬やってる星空観察の結果です。綺麗は感性、光度は科学ですので天体ヲタは科学を優先し、星景ヲタは景色を含めた感性を優先し観望場所を決めます。
阿智村は自然環境をネタに感性での村おこしを狙ったんですね。客寄せ上の大人の都合なのか、ここ数年阿智村からのデータ申告は無くはなっちゃいました。

一夜明け、今朝は大雪、、、
明日、火星とミートするツーショット撮れるかな、、。

(^^)/


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