お先に下山します☆彡

目指せ!エンディングノート(*^^)v

FDコンテスト&PSスルスル君(^^♪

2021-08-10 06:51:02 | コンテスト
あっちーーー!っすねーーー(;'∀')w
↓こんなロケを求めまた山へ来ちゃいました


2021/8/7 21:00 - 8/8 15:00 フィールドデーコンテスト参加。
フェーズシフター(仮称:PSスルスル君)もやっと出来上がりました。
アマ無用は世界初か!?


フィールドデーコンテスト:

丁度1年前にアマ無を始め、自宅から出れず移動運用マンに。コンテストに出会い、ロカコンで作法を覚え、目標は大きく、1年間縛り、4大メジャーコンテスト年間グランドスラム、優勝逃しても入賞はマストを掲げた。

全市全郡、ALLJAは達成。結果待ちの6Dもたぶんイケたと思う。ほんでこのFD。荒天の中、最後の気合をぶっこんでみました。
たぶんこれで一休み。。放っておいた別世界の趣味をシバキに行きますw。

今回、堂平山移動。前日朝入りしたが先約者有り。聞くと2日前から入ってた有名コンテスターさまでした。先月の渋峠の6D然り、メジャーコンはもー2日、3日前入りがデフォなんですね。
またしても弾かれ、森の中のポイントへ移ります。

台風来るけど気にしない。雨も来るけど気にしない。元気があればなんでもできる!w。だってこれが最後だもーーん。
1.9~430MHzまで参加(14MHz除く)。狭いスペースにローバンドEFHWアンテナ設営が強烈に時間かかり、炎天下4時間、フ~ラフラ。ビールがぶ飲みするも全部汗化、いくらでも入る。


アンテナ設置:

ほーーーれ、こんなかんじーー。

↓ポールダウン中、本番はあと2セクションアップ
↓大票田方向の小さな窓、樹木遮蔽が微妙

  • トライバンドHB9CV(21,28,50MHz)
  • 10ele八木(144MHz)
  • 15ele八木(430MHz)
  • GP(X6000)
例の如く、144MHz/430MHzはGPと合わせたデュアルビーム同時運用を行う。

ほんでこっちがローバンドEFHW(1.9,3.5,7MHz)
↓立ち木を借用し12mhエレベータアップ
↓給電部
↓反対側の折り返し
↓ワイヤ先端まで


給電点は12mアップ。スロープ支柱は森の長尺木を拾い立てる。効率よい放射を考え何度も張りなおした。最近電波の気持ちになると電波が見える(気がする)w。HFワイヤーアンテナの飛びは整合がキモ。チューナーは極力使わない。森の木による遮蔽が気になるが、HFなので減衰係数は小さい。まず高さを優先する。

先日、アマ無バンドの樹木による減衰の定量データを探してみた。が、見つからなかった。いっこだけ2.4GHz無線LANでの参考情報はここにあり(総務省)。なんと郊外の樹木遮蔽は20db近い減衰が発生する。コンテストで良く使う430MHzや1.2GHzはきっと10db前後犠牲になっているのだと思う。

あと、アンテナ前にどんだけ窓空間が必要か?これははフレネル空間計算で求めることができる。移動運用時の基本として重要です。算出しておきましたので、以下ご参考。
-------------------------
フレネルゾーン、アンテナに必要な窓、地上高を調べる
FR=必要な窓空間長(半径)、地上高
d1=アンテナ前の窓までの距離
d2=d1から通信相手の距離
-------------------------
■50MHz
d2=50km
d1=5m
FR=5.47m
----------
d1=10m
FR=7.74m
-------------------------
■144MHz
d2=50km
d1=5m
FR=3.22m
----------
d1=10m
FR=4.56m
-------------------------
■430MHz
d2=50km
d1=5m
FR=1.86m
----------
d1=10m
FR=2.64m
-------------------------
■1200MHz
d2=50km
d1=5m
FR=1.11m
----------
d1=10m
FR=1.58m
-------------------------
とゆーことで、アンテナ前に樹木や障害物がある場合、何メータの窓空間が必要かわかります。10m先で必要な窓直径は、50MHzでは約15m、144MHzは約10mです。また、地上高(窓空間半径)でも、144や430MHz運用などでよく見るカメラ三脚にアンテナ設置(地上高1m程)は避けるべきです。例えば430MHzの場合、相手局まで直線見通しがあっても、アンテナから5m先は最低1.86m、10m先は2.64mの地上高が確保できてる必要があります。山頂であっても周囲近傍が急斜面でない限り注意です。144MHzなんかは三脚はアウトです。電波衛生上、直線見通しがあるからOKなのではなくて、空間内の壁が作る干渉波の環境が重要なのですね。
反射係数1の理想大地と障害物が前提ですが、ロケ選択時の基準として知らないより知ってた方が吉です。

てなわけで設営終了し、剣ヶ峰におられた方の様子を見に行く。ブッシュであふれる林道を500m歩く。クマ注意の看板多数、マムマム君にも気を付けながら鹿のように跳ね歩きがコツ。欽ちゃん走りだとガブリとくる。
無事到着、オールバンドマルチオペ予定とのことで、お仲間が増えていた。みなさん有名コンテスターばかり。ここ埼玉なのに何故かおいらの地元横浜の方が多いw
あれこれ情報交換し再び山中に戻る。
程なくして雨。その後コンテストを通し結構な雨量となった。ケーブルを引き込んだ車窓からジャンジャン吹き込み、ドア内側取っ手は水たまり、タオルで隙間塞ぐも車内に滴り落ちる雨水。ヨットレーススーツ着用で運用した。

結果:

弱者の戦法(デュアルビーム+フェーズシフター)を駆使した結果、、予定した部門で交信数800局弱。昨年トップ比約160%をマークすることができた。が、マルチがひどい。ローバンドをさぼりすぎた。総マルチは昨年トップの6割にも満たない。14MHzはライセンス外でノースコアだし、ベテラン勢はみなさんマルチ職人なので、ずぼらなおいらは、、たぶんダメぽい。新人だから大人しくニューカマー部門に出そうかなあ。
発表って年末なんすよね。。まだアマ無やってるかなあ・・・((+_+))



祝!フェーズシフター完成!(^^♪フィールドテスト:

やっとできたよ!!アマ無用可変フェーズシフター!PSスルスル君!
半年前に構想し近道で製作例を探したが、どこにも無い!、ワールドググっても無い。設計検討を始めると、難題いっぱい、無い理由も分かった。こんな変態ツール、そもそも正常な人間には動機も起きないのだろう。

目的は、アンテナのビームフォーミング。
アンテナを動かさず、希望する信号方位にビームを合わせること。
アンテナを動かさず、混信を除去すること。
アマ無コンテストに参加するようになり、ビームをぶんぶん振り回すことに疲れたのと、新たな珍技で大先輩達を一本背負いしたかったのが動機w。表現過激でm(__)m。

V/UHFアマ無局の人口密度ってたぶん日本が世界チャンピオンですよね。
特に都市周辺部。ビームを制する者がコンテストを制す。必要は発明の母、これはそんなガラパゴスな環境の産物なのでございます。

フェーズシフターやビームフォーミングに馴染みある方は、下の「フィールドテスト」まで読み飛ばしてください。

ビームフォーミングは、携帯電話の基地局などで広範に利用されています。移動する携帯電話の電波到来方向に合わせ、基地局のアレイアンテナを電子的に位相制御して最適ビームを作ります。合わせて基地局同士のセクター制御でサービスエリア内の安定した通信を可能にしています。
これらの位相制御は、固定長のフェーズラインをスイッチングしたり、専用のフェーズデバイスで行われます。

アマ無では、古典的な方法で2つのアンテナ間の同軸ケーブル長を切り替えビームを前後180度反転させたり、短い同軸ケーブルを沢山切り出しそれをロータリースイッチやリレースイッチなどで直列に加算し、段階的な位相差を得ている例があります。
これらは、位相の連続可変ができないことと、アナログスイッチングによる信号接点ロスや同軸ケーブルの対周波数損失、また直列接続を繰り返すことによるインピーダンス乱れがあり安定した性能が得られません。

最初は、楽~に、同軸ケーブル直列継ぎ足し方式でいいやと思ったのですが、同軸加工するのもかったるいし、50Ωのストリップライン基盤に高周波リレー沢山並べるのでえらい高額になる。。やっぱ誰もやってないことにこそ意義あるべーーっつことで、正道の連続可変フェーズシフターにチャレンジしちゃったわけです。
同軸ケーブルを使わないのでロスも少なく、使用できる周波数レンジも広域です。

単品として存在する既成の業務用フェーズシフターは、主にマイクロ波帯の位相操作・計測に使われてます。これをアマ無に使うと、、GHzぐらいがギリで、それより下の周波数は構造がでっかくなっちゃうので製品化されないのが現状。あっても特殊用途のみで超高額。更に計測用ではアマ無の送信電力にも耐えられません。
でも、もし、V/UHF帯(ここでは50/144/430MHzとする)の製品があれば、アマ無で何ができるか、、

フェーズシフターで何ができるか:
  • RIG-アンテナ間に挿入し送受信波の位相を連続可変
  • 可変ダイバーシティによる目的信号抽出、不要信号除去
  • ローテーター使わずビームローテーション
等々。じゃあ自作ハードルは何か、、

フェーズシフター製作のハードル:
  • 前例がない
  • 業務用既製品改造はGHz以上で且つ高額
  • GHz未満は波長によるサイズが大きくなり構造化が困難
  • サイズが大きいため可動部の安定機構、高周波特性確保が困難
ざっとこんな感じなんす。
コンテスト時は瞬時操作に合わせた操作性も要求されます。

脳内シミュレーションは数知れず。基本構造を決めた後は、部品探しであちこちの材料サイトマニアと化しちゃいました。モノが届いてから、使えねーコレー!な部材も数知れず。最適部材を求め部品メーカーにもあれこれ相談メール。どこも個人ユーザには冷酷な対応。出費もかさみました。
紆余曲折、、とりあえずベータテストまで来たのがこれ、、

↓フェーズシフター(下)とQマッチ合成セクション(上)
↓可動部2本を同時に動かすとスピード調整
↓可動部1本のみ動かすと詳細調整


Mコネを使ってるのはベータ試験用なので。量産品?wはNコネに変えます。
外見はどこにでもある普通の分配器に見えますよね。
分配器なら穴あけとハンダ付けができれば誰でも簡単に作れます。

が、可動構造ってのは一気に難しくなるんです。
  • 差し込まれる側を50Ω設計しても、差し込む側が挿入されると内径が変わり特性インピーダンスがずれる
  • 内部導体を支える構造が必要
  • 内部・外部導体がスライドしても高周波導通を安定に保つ必要
  • 潤滑オイル選びと処理
  • アルミ四角パイプは内外面のアルマイト除去が必須
等々、まあ、でるわでるわ。ちょっと甘く見てました。天罰です。
たぶんメーカーのプロ様が見ると、、お前いったいアレをどう決着させたんだよ!!的興味があるはず。。根性と執念です、うっしっし。
個々の対策を書くとえらく長くなっちゃうので省略。創意工夫繰り返し、一個一個ハードルを越えてゆきました。おかげで内部機構は実用新案レベルになっちゃいましたヨ。

スペックはこれ、、
  1. 形状:トロンボーン型
  2. サイズ:最大1m×2
  3. 可変範囲:最大50cm×2
  4. 位相可変範囲:50MHz(60度)/144MHz(173度)/430MHz(514度)
  5. インピーダンス:50Ω
  6. VSWR:1.2内/RL20dB内、1.2GHz以上は未測定
フィールドテスト:

今回のフィールドデーコンテスト移動運用にテスト投入しました。
車中に持ち込み、RIGのSメータを見ながら、スルスルとスライドさせます。
送受信共、ほぼ想定通りの動作をしてくれました。
基本は相手局の信号強度の最大ポイントを探します。混信や抑圧があると不要局の強度が最小になるエリミネートポイントを探します。スルスルっと5秒以内で完了です。

↓運用中手元で可動部をスルスルさせます
↓配線が邪魔なので一体化案もあり


以下、コンテスト前に取得した実測データです。

-条件-
アンテナ1=15ele八木(430MHz)/10ele八木(144MHz)
アンテナ2=GP(X6000)
アンテナ間距離=3m
フェーズシフタ=アンテナ2ラインに挿入
接続=アンテナ1+フェーズシフタ出力をQマッチ合成しRIGへ

430MHz
位相可変範囲:514度(約1.4λ)
受信強度変化:S2~S9
送信強度変化:同上
相手局距離:30Km

144MHz
位相可変範囲:173度(約0.5λ)
受信強度変化:S3~S6
送信強度変化:同上
相手局距離:40km

強引な方法ですが、ダイバーシティ効果を手っ取り早く確認するために実際の交信でやってみました。
基本特性を厳密に計測するには、両アンテナ共、同じ特性のものを使わないといけません。
また、今回のように別種のアンテナ同士の合成は、各々、方位が同じでも信号強度に差があるため、逆位相合成させても完全な信号強度ヌル点は生じません。
ダイバーシティにおける変数は、個々のアンテナの指向性(方位ゲイン)、アンテナ間の距離(空間位相差)が主で、この組み合わせで信号強度に無限の結果が生まれます。位相差は360度(1λ)の繰り返しなので、フェーズシフターは360度以上の調整範囲があれば、アンテナ間の距離や相対位置を気にせず信号強度最大/最小ポイントが探れます。

位相可変範囲が1λ未満の場合(このテストでは144MHzが該当)は、アンテナ間隔と相対位置を適切に取らないと、目的方位に対し信号強度最大/最小点を探せない場合があります。
上記144MHzのテスト結果はS変化が小さいですが、位相調整範囲が173度のため360度探索ができず、信号強度最大/最小点が取れなかった可能性があります。
位相調整範囲が更に狭くなる50MHzで使うときは、目的方位に対し位相差ゼロ点が可変範囲内に来るようにフェーズシフタに付ける中継同軸ケーブル長を変えます。
更に低い周波数で使う場合も同じ理屈です。

垂直偏波アンテナ同士での使用は水平方向に対し位相合成。水平偏波アンテナ同士での使用は垂直方向に対する位相合成が主な利用目的となります。
つまり、水平アンテナスタックの場合は、打上角を制御することになります。今回の試作品を50MHz水平アンテナスタックに使うと位相差60度範囲の打上角制御になります※。打上角(電波到来角)が動的に変化するEs伝搬や低角度DX向けにスルスル遊べます。
※:60度は距離換算λ/6なので単純な三角関数で打上角が導けます。HF打上角は大地反射波との位相合成が主役なので効果は薄れますが、V/UHFは両アンテナの位相差により強引にビームをチルトさせることになります。時間ができたら得意のドローン計測(過去記事ご参考「アンテナ」カテゴリに幾つか記事上げてます)で、位相変化vs打上角の連続測定をやってみようかと。

今回の試作はフェーズラインが2本ですが、これを増やせば更に長波長や広範囲位相の対応が可能になります。

コンテスト投入:

コンテスト中、ビームアンテナを回さないで信号強度の弱い局を浮き上がらせたり、混信や近隣の抑圧かぶりの影響軽減に大きな効果がありました。
プリアンプやアッテネータと違い、特定方向の信号に対し処置できるので大変気持ちいーです。
初投入で慣れてませんが、144MHz/430MHzで400局以上と交信した中、2割程度はこのPSスルスル君が活躍してくれました。(スルスル君がなければ2割ダウン、コンテストで上位を競うときは秘密兵器になりそうです)
数局にアンテナ何使ってるんですかあ?と聞かれ、、説明に四苦八苦、みなさん?な様子wゴメンナサイ
これでなんとかベータ版完成です。これからゆっくり性能を出してゆこうと思います。

どーすかねコレ。

変態高じて作ってみました。固定でスタック運用されてる方や、異種アンテナ2本のバリアブル位相(指向性)合成をしたい方、こいつを机上に置いてスーールスルすると絶対面白いですよー!
電子回路による位相処理をしないので、原理上、NF的にも理想です。
もーちょっと改善を入れて仕上げ、何式か作って頒布しようとも思ってます。

ほんでほんで最終目標は、オール自動制御。RIGから目的の信号強度出力を得て自動でビームフォーミング。モータドライブは使わない仕組みにする。受信時は合成する個々の信号振幅もレベル調整付ける。ノイズエリミネータとしても使える。スルスル君作りながら将来の拡張性も視野に入れてました。数々の課題はありますが、、まーなんとかなるべーさ。。今のSDR受信機にはダイバーシティ機能が付いてるものがありますがあれはナンチャッテオモチャ。将来はアマ無機にも本格的ビームフォーミング機能が実装される時代が来る!、、と予言w

長くなってゴメンナサイ。。レアネタで説明難しいす。
ビームフォーミングは次の動画が参考になります。アレイ(指向性)ファクタをビジュアルでうまく解説しています。フェーズシフタ(位相遅延でΔT、τを作る)でなんでビームが変えられるのか、なんで混信除去できるのか等、5Gでの多素子アレイのレクチャーですが、アンテナ2本でも原理は同じです。ダイポールを基本にしてますが、別種アンテナ同士の合成はアレイファクタの前に更に単一アンテナの指向性係数を掛けることになります。
 


スルスル君のパフォーマンスは使ってて大変楽しいです!
古典な単一アンテナのローテーションでは味わえない、別次元の感動があります。UHFでは単一アンテナでは不可能なマルチパス干渉の補正・改善もできます。

Iさん、Yさん、蟻ん子さん、どっかのアンテナ屋さん、プロデザインでカッコイイ製品出してよw。新ジャンル品として絶対売れまっせ(^^♪

お疲れ様~オレ。。。皆さんも長文読破(_´Д`)ノ~~オツカレー
耳から、、セミの大合唱が消えないヨ・・・。