お先に下山します☆彡

目指せ!エンディングノート(*^^)v

彗星ごっこ P2(ポンス・ブルックス彗星/12P)

2024-04-11 18:08:08 | 天体観測
昨夜はポンちゃんが新月とミートする夜でした。
3月末に撮影したポンちゃんは順調に成長してたので楽しみにしてました。
4月に入ってもバーストを繰り返していて突然明るくなったりしてます。
光度のピークは4月20日です。

撮影地チョイスに悩みました。2日前からWindy.comとにらめっこ。
関東は全域に薄雲がかぶる。西から分厚い雲が攻めてくる。
うちからの候補地は、新潟北部、福島北部、山形あたりで、それぞれ現場調べも終わっていた。

で、結局決めたのが、、前回と同じ秩父高原牧場w。ハイ、横着しました。
どこいっても変動リスクがあるので、近場の好転に賭けた。

前回(3月29日)のショットがこれ@秩父高原牧場↓

そして、今回(4月10日)がこれ↓
19時前、新月の左上にポンス・ブルックス彗星が位置します(iPhone撮影)。
同時刻、北極星導入完了。迎撃態勢が整いました。
撮影チャンスは1時間。19時~20時(彗星高度13度~3度)を追っかけます。

撮影終盤の状況(大気ガス満載)。山の明かりは美の山公園(Sonyα6400)。


低層雲が多く、windy.comでも雲密度が30%を超える事態に。
新月の微光を雲と大気ガスが激しく散乱、シブイ、キビシイ。
他の星フェチ客が延べ10人ほどいたのに、次々あきらめて帰ってゆきます。
おいらだけ執念で追っかけた。

結果がこれ↓
各画像、右45度ほど傾けてクロップしてます。

まず新月の様子。前日北米で見れた日食の如し。
続いて、ポンちゃんを導入します。
彗星の露出をあげると右下の新月の光散乱がこんだけ邪魔します。
雲とガスが無ければ、クリアに抜けるはずなんですけどね、、。

彗星と新月とのツーショットを狙うと、新月は露出オーバーで満月化、彗星は露出足らず状態。(中央左上が緑がポンちゃんです)
露出を下げて、、

もっと露出下げて、、
どれももーほとんど雲の中にいるのを、望遠鏡でぶち抜いてます。
コンディションが良ければ、月の直径以上の彗星テイルが見えるはずなんですけどね。

そして終盤、彗星の地上高度約3度。
大気分子が光の短波長を吸収するため、長波長の赤色が目出ち、月はブラッディムーンと化します。
左下の影は地表の山影です。

ってな具合でした。

もーちょっとポンちゃんのパンチ力欲しかったんですけどね。まあ、撮れたからいーか。
全国的に厳しかったようですが、バランスよく撮影できたところあるんですかね。

ところで、一昨日の皆既日食すごかったですね。全米が熱狂してました。
天リフさんのメキシコ遠征中継で臨場感たっぷりの動画が見れます。
コロナやプロミネンスもばっちりですね。
たった8万円のSeestarでここまで抜けるのはすごい。
昨日の彗星撮影でも、隣の客がSeestarを使ってました。
日本での皆既日食は11年後です。関東上空も通過します。
だが、、おら生きてるだろうかw

(^^)/

彗星ごっこ P1(ポンス・ブルックス彗星/12P)

2024-03-30 04:37:09 | 天体観測
ポンス・ブルックス彗星(2024/3/29撮影)↓

ポンスちゃんがめっけて、ブルックスちゃんが確認したから、ポンス・ブルックス彗星。周期70年の彗星です。
来月、4月20日に近日点通過となるため、今明るさが増加中。肉眼でもギリ見えるようになってきました。

日本では、4月10日に新月のすぐ横に来るため、レアショットが撮れるぞと天文ヲタ皆さんが盛り上がってます。

米国ではもっと盛り上がってて、4月8日、米国を縦断するように皆既日食が発生するため、昼間が夜空になり、真昼間の太陽の横にこの彗星が出現しちゃうんです。
更にその時、火星、水星、木星、金星、土星と肉眼で見える惑星オールスターズが太陽の両サイド横一列に並んで見えちゃうんです。
おまけに今太陽活動が最大期なので極上のコロナも見えちゃう。
あっちでは奇跡の天体ショーとかでツアーが組まれえらいお祭りになってます。

で、今ポンちゃんどんな感じになってるか見に行ってきました。
日本からはこの彗星は低高度のため、国内のヲタさんたちは結構苦労されてる様子。よし、おらが一発かましたるわーとハリキッテGO。

場所:秩父高原牧場・天空のポピー園
標高:600mくらい
視界:彗星がいる西北西方向がほぼ地平線まで狙える

現場に着くと既に先行者あり。結局、星ヲタ車6台が集結。


彗星が沈むまでの、19時~20時の1時間が勝負。30分前には北極星の導入完了し準備万端。
ミラーレスカメラ(84mm)で撮るとこんな感じ(ほぼ眼視と同じ)↓

19時戦闘開始。
望遠鏡↓
遠方に地上の明かりが見え、望遠鏡はそのちょびっと上を狙ってる。
結局1時間の間に彗星は高度17度から3度まで変化。問題無く撮影できた。

ほんで取れ高がこれ↓






それぞれ撮影条件が微妙に違います。
鏡筒:Redcat51、彗星核追尾:無、総露出時間:120~240秒、ライブスタック。
拡大するとイオンテイルの分裂や渦もわかるので、250mmでこんだけ撮れりゃいいっぺ。
既に彗星核が何度かバーストしてるので、近日点あたりで何かサプライズがあるかもね。

生活道路の路肩に停めての観測で、ヘッドライト直撃でボツになったスタックが半分くらいあった。
夜景系のお客さんは近くに車停めてカメラや望遠鏡の目の前でもライト切らない人も多い。怒るわけにもいかず、センスとデリカシーに期待するのみw

(^^)/

捉えたぞ! DAQI-1 中国レーザー照射衛星

2023-03-16 08:36:28 | 天体観測
執念じゃ!!やっと捉えた!!
画像は最後にあるっす。
暴れん坊の中国、怪しい気球が世界各国を領空侵犯中ですが、実は別の飛び道具が宇宙から地上を狙っています。

昨年中国が打ち上げた人工衛星DAQI-1は、レーザー光線を地上に照射し、あなたの頭をコリコリやってますw
表向きは大気観測衛星ですが、複数の照射モードがあり、連中のこと国際ルールは関係なし、何をやってるか分かりません。
去る1月、ハワイ・マウナケア、スバル天文台の定点カメラが、地上に降り注ぐ殺人ビームのような派手なレーザーカーテンを偶然記録し大きなニュースになりました。

その後、世界のマニアがこの衛星を追いかけ始めたのですが、、相手はレーザービームなのでなかなか難しい。一般の太陽光を反射して線状に光る衛星は広範囲で見えますが、こいつはレーザー照射の直下付近でないと見えないんです。
関東上空を通る軌道を把握し、あちこち遠征、1回目は軌道計算ミスで撃沈、2回3回目は天候不良、今回チャレンジ4回目、やっと尻尾をつかむことができました。

2023/3/16、01:34、埼玉県秩父市某山中。
この日時、この場所が、ほぼ天頂90度で迎撃(レーザー直下被爆w)できる絶好のチャンス。が、SCWの雲予報は60%の曇り空"(-""-)"。
↓観測地は雲60%、、ぶち抜けるか
↓観測地の光害マップ、、まあしょーがない


◆撮影法
高感度カメラで狙うのが一番なわけですが、天候、光害に大きく影響受けるため、今回は小型望遠鏡(焦点距離250mm)を使いました。
焦点距離からくる視野角は約8度なので、この8度の視野を衛星が通過するのに何秒かかるかを計算し、それを1ショットの露出時間とし、連続撮影を仕掛けます(撮りこぼし防止のため)。
衛星が地平線から昇り~沈むまでの時間(軌道情報から820秒)、天頂を通る軌道だったので半球180度を820秒で通過します。なので、視野角8度の通過時間=約36秒。ってなわけで、シャッター露出時間は30秒としました。
(追記:計算違いでした。上記は衛星を地球中心から観測したときの理屈。実際は地表から見てるので地球半径分の誤差が出ちゃうね。地表からの衛星高度における視野角8度は通過時間約15秒になりました。露出時間の方が長いので結果オーライでした)
次に、方位のセットね。衛星の最大高度となる方位にピンポイントで合わせます。いろんなアイデアがあると思いますが、おらの場合、衛星最大高度時の時間とAzとElで、ステラナビゲータ上の星を探し、赤道儀でその星を視野の中心に導入します。あとは放置。らくちんです。

ほんなわけで、撮れたのがコレ↓
↓100%にして切り抜き

興味の無い方には、ただの点々ですが、理系なおらたちには事前の思惑通りに行くことが無上の喜びなのです。
雲をぶち抜いて、グリーンのレーザーパルスもしっかり出ました。
天頂前後で短いレーザーカーテンを期待したのですが、やっぱ±4度幅&雲だと厳しいにゃ。
次回は無光害地へ遠征し、広角レンズで地上に降るカーテンもいてまうでーーーー!(^^)/

同じ波長の業務用レーザーを衛星追尾しながら地上からぶちかましたらどうなるんだべ、、ウヒ。


月と金星の接近

2023-02-24 01:36:06 | 天体観測
昨日、DAIQI-1待ち受け、撃沈、悪天候で延期!
次回のパス、2023/3/2、01:31を狙います。
薄雲程度ならなんとかなるべーと、茨城県笠間市へ向かったが、途中圏央道久喜付近で大渋滞。その後深夜は分厚い雲が発生、天も地も、、我を見放した。

手ぶらで帰るのも嫌なので、、雲が出る前見晴らしの良い場所を探し星撮り。丁度、月と金星が接近する日だった。
惑星同士の接近とか直列とか、おらなんの興味もないのだが、、業界では結構騒ぎになるので、とりあえず流れに乗ってみた。

↓これね。月の右が金星、上にあるのは木星ね
Sonyα6400、50mmをトリミング。
月齢2の三日月、こういうタイミング風景が天体ファンには重要みたいなのだ。素人のおいらは未だ萌えない未熟者す。

とりあえず、望遠鏡も出して狙ってみた。
日の入り後、18時~19時くらいの勝負、その後月は地平線に沈む。
↓こんなん撮れました
↓これ原色
↓色合い変更、ブルームーン
↓19:27、地平線に消えゆく月


って感じっす。
こーゆのって、タイムラプスの連続写真1枚仕上げにした方が楽しめそうです。次は勉強します。

中華DAQI-1衛星のレーザーカーテン撮影は、ネットでかなり盛り上がってきてます。ハワイ・マウナケア映像で世界の天文ファンに火が付いたようです。日本も各地で軌道とパス待ち情報が交換され、その様子、中華討伐隊の如しw
もはやゲーム、だれが完璧に捉えるか!!

(^^)/

レーザー放射衛星 DAQI-1 を追え!

2023-02-21 12:56:38 | 天体観測
宇宙ネタが続いてすみません。
先日、全米を恐怖に陥れた中華気球、実はその直前にも中華の飛び道具が世界を騒がせていました。先月、宇宙からの謎のレーザービーム!!ハワイのマウナケア定点カメラが地上に照射されるレーザーカーテンを捉えました。

その後NASAの解析により、犯人は中国。昨年中国が打ち上げた地球大気観測衛星DAQI-1(NORAD ID=52257)の仕業と判明しました。
衛星から地表にレーザーを照射し、大気の特性分析を目的にした衛星、というのが中華の公式発表です。が、アナリストによると5つの分析機器を搭載していて、軍事利用もスペック内としています。

↓ハワイ・マウナケア山頂の星空カメラ映像
日本の国立天文台が運用する「すばる望遠鏡」の外に設置されてます。カメラの運用は朝日新聞社が実施。
で、これ、どんなレーザーなのかと言うと、
今回撮影されたのはグリーンレーザー(緑色)で、波長の特性により赤色レーザーより視認性が約8倍あるものです。
地面に届いてるんだから、ほんなら、、肉眼でも見えるんじゃね??人の目に入ったらどうすんの??って思うよね!
はい、肉眼で見えるんです。気象条件で左右されるけど。
でも、短時間パルス&高速移動なので目に入っても失明しない。ってことになってます。

ほう、そうなんかい。。。で放っておけないのがおいらの性分。

勝手に変なもん頭に降らせやがって、NHKと同罪だ!
どんなもんなんか、おらが人柱になり衛星直下で直撃&人体実験してやろーじゃないけ!と思ったわけです。
あと、これ結構レアで、未だっしっかり撮影した人が世界に居ない!ぽい!んです。
理由は、割と新世代の衛星、今回事件があるまで話題にならなかった、レーザー光の直進性により衛星直下付近でないと見れない、軌道が周回毎にズレて観測チャンスが少ない、ってあたり。
地球周回時間は約100分。高度は約700Km。

ほんで、準備始めただ。。まず、いつ、どこで迎撃すればいーんだ、、
関東上空を通過するオービットを探し、ピンポイントで衛星直下となる場所を割り出す。自宅上空(直上約90度)に来るのは数ヵ月に一回しかないので、遠征覚悟。
結果、2023/2/23、深夜01:30、茨城上空、これが直近のチャンス。
軌道を見ると、低光害の霞ケ浦から笠間市あたりに遠征すれば良さげ。うちから2時間。あとは天候次第だ。快晴よりややガスってるのが理想。レーザが分子反射して直線で見えるんでね。

↓自分の緯度経度を入れると、見たい衛星の軌道情報がゲットできるサイト
↓この軌道を待ち受ける

↓この公園が良さげ。友部SAの光害あったら別探索。


実は、同様の地球大気観測衛星は、米国のICESATがある。これも軌道調査すれば待ち受けは可能。じゃなんでDAQI-1に注目するか、、、単に暴れん坊の中国だからw

米国は既に、艦載型レーザー砲を開発済み、昨年ハワイ沖で航空機撃墜を成功させた。なんとその数秒間のレーザー照射に使った電気代が・・・たったの1ドルなんだそだ。(但し電源系の設置には莫大な費用がかかってる)
衛星もレーザー出力上げれば、簡単に殺人兵器になるわけで、相手は傍若無人の中華だし、国際ルールは関係なし、奴らなにすっかわかんねだ。

さあ、どうなるか!
自信ないけど機材調整、全力集中だ!
天候悪かったら次のチャンスを待ちます。

(^^)/

ズーティエフ彗星P3 さよならZTF ☆彡

2023-02-12 04:36:13 | 天体観測
最終回です☆彡
1月末から約2週間追いかけ、いろんな顔を見せてくれたZTF彗星。
2/11、最後のイベント、火星とのお見合いが残ってました。地球と火星間のぼぼ直線上に位置したため、見かけ上火星に最接近する構図となりました。

全国的に天気が悪い中、なんとか関東地方の一部の窓が開きました。
SCWの雲予報では、チャンスは19時前後の2時間のみ、自宅庭で迎撃態勢を整えました。なんつったって5万年に一回ですから、気合入りますわ。

薄雲の裏に火星が顔を出し、全力スタック開始!!
ほんで、、こんなん撮れました↓↓
18:30
火星の明るいこと明るいこと!
↓リアルの色に近づけました

↓19時丁度、子午線越えした彗星がこれ

いやーー絵になるにゃああ(^^)/

上はスタック画像の撮って出しです。Fits生ファイルを30秒露出毎・全フレーム保存したので暇を見てゆっくり仕上げてみようと思います。

2020年、ネオワイズ彗星が来た時、あちこち遠征するも天候悪く取れ高無し。今回やっとリベンジできた感じです。

(追記)
昨夜、オリオン座の右、アルデバランとの共演もありました。のっけときます。
↓2023/2/14撮影
↓2023/2/15撮影(撮影パラメータとヒストグラムをちょい調整)
彗星の光度は日増しに減光してますが、地球から遠ざかるつれ移動角が小さくなりスタック時間が稼げるようになりました。

生きてるうちに、もっともっとでっけーのが、いっぺーいっぺー来て欲しいだああ☆彡

(^^)/

ズーティエフ彗星P2 追尾や光害など

2023-02-10 10:33:30 | 天体観測
ズーティエフ(ZTF)彗星は、2/2の地球最接近後、次第に遠ざかって行ってます。尻尾は最接近日の前後で長く見えるので、1月末に見えた長いテイルを期待しまだ撮影を続けてます。が、毎日天気が微妙で消化不良。
とりあえず、火星にミートする2/11まで続ける気合なり。

◆2/5、満月との闘い
↓満月と薄雲に邪魔されながら渾身の一枚
尻尾が・・・しょぼいっす
↓1月末はこう見えていた

↓秩父高原牧場、標高600m、日の出前
↓前日20時~翌朝6時、観測終了!(^^)!
↑憎きお月さん、あいつと一晩中戦っただ。
この設置作業+極軸合わせ、5~10分で完了します!。ケーブルがお行儀悪いですが、天体観測では速さは神なのです(^^)/
こんな明るくなるまで、望遠鏡では星が見えてるのですよ。

◆2/8、雨後の執念@庭
↓西の木影に落ち行くZTF


◆2/9、快晴キタ!
天気予報ではこれが最後のチャンスぽい。強風の中再び秩父高原牧場へ。
ミルクハウスの前に同業者がおられた!(^^)!。おいらは裏のポピー園へ。
↓日没現着。正面秩父盆地、左にあるのが武甲山ね。
月が昇る20時までが勝負!

↓取れ高・・・天の川をぶっちぎるZTF
総露出2400秒、Sharpcap彗星追尾撮影
1月時は北極星の近くだったので星が少なく良かったのにね。

相変わらずライブ配信もやってます。
今回の山も地上キャリアが弱く、スターリンク衛星経由で配信でした。
↓リスナーのリクエストに応じ、あんこ色のアンコロメダ(^^♪




以下、ちょっとテクニカルなネタになるので、沼を見たくない方はスルーしてください。

◆撮影方法とSharpcap新機能
彗星は北極星を中心に動く星の日周運動とは違い、天の北極とは無関係に独自の軌道で移動してます。恒星、銀河、星雲は日周運動なので赤道儀で簡単に追尾できますが、彗星は独特のトラッキング手段が必要になります。
一般的手法として、事前に彗星座標を把握し移動量に合わせて赤道儀で追尾するメカトーフ法と、彗星核の光を追尾し赤道儀を動かす彗星核追尾法があります。
どちらも機材とアプリによる可否があり、慣れも必要です。
ライブ観測をしない人は、数十枚撮影した画像を編集アプリで彗星位置を合わせ、重ね合わせ仕上げる方もいます。ローカル編集で好きなように調整でき、精度も上げられるのでこっちのほうが多数派かもしれません。
おらはライブマニアなので、ガイドスコープによる彗星核追尾をしながら彗星画像をスタッキングするのですが、マイ機材では今回のZTFはギリ光量不足で不安定、なんとかならんかと思ってたところ、今年1月末、Sharpcapアプリが4.1β版として彗星追尾に対応してくれました。
前回ブログ後から、Sharpcapによる彗星追尾に切り替えました。
↓こんな感じになります。

しっかり彗星を追尾してます。
画像下のグラフは、彗星のアライメントヒストリです。30秒シャッターで22分間露出の履歴、彗星のポジションドリフト状況がシャッター毎に更新されて行き分かりやすいです。
↓こっちは総露出約80分間のドリフトグラフ(単位はピクセル)

赤道儀動作で彗星ポジションを追尾してるわけではなく、Sharpcap内の画像処理で彗星を自動検知し、その位置を不動点とするため、長時間撮影すると彗星の移動分だけ画像の淵がスタックできなくなり、100%全体画像では隅っこが暗くなって行きます。おらの250mm鏡筒では数時間追尾撮影すると暗い部分が彗星にかぶり始めます。普通そんな長時間スタックやらないはずですけど、やる人はスタック開始時に彗星位置を画像センターにしないで彗星移動方向に多めのマージンを取るよう赤道儀を合わせるとナイスです。

誰でも簡単に使えるSharpcapが彗星追尾機能を実現したのはちょとした事件ですね。追尾機材の準備や設定の手間を解消しました。
どんなアルゴリズムになってるのか興味があり、本家フォーラムを覗いて見ると、管理人がコメントしていました。
まず、画像を3つの部分に分割するそうです。
  1. バックグランド
  2. 星(彗星以外)
  3. 彗星
そして、画像処理で1と2を消し彗星だけを抽出し核の位置を取得、後は画像上で彗星位置をトラッキングしてスタック処理するようです。
パラメータが調整できるようになっていて、周辺の星を消す度合い調整 "Ignore Sstars Filter Size" と、彗星核の中心精度を上げる "Detection Threshold" があります。

デフォルトでは、それぞれ50pixels, 0.10%となってますが、一部海外ユーザからはIgnore Stars Filter Size=15pixelsで最適画像が得られたとの報告もありました。0.10%の方は画像全体の大きさに対する%です。いずれもゲインやセンサーサイズによって異なってくるはずなのでカットアンドトライ(※)ですね。
おらもいじってみたのですが、彗星近くに大きな恒星があったり、薄曇りや光害でSharpcapが彗星を判別しにくい時の彗星検出可否に効果がありました。状況に合わせチューニングしましょう。
あと、シャッター毎に移動する彗星位置を個別に把握したい場合は、左側Controlesセクション内の "View" を、StackではなくIndividual Framesに変えます。Logタブ内のx,yの変位量からも知ることができます。

※:Ignore Stars Filter SizeとDetection Thresholdの調整について
これ観測条件で調整がシビアな時があります。周囲にある恒星の大きさが彗星と同程度だったり、星が多い時など、最初の彗星検出が結構不安定になります。上画像にある2/9の天の川付近の時は、それぞれ60Pixels、0.01%の設定で安定しました。

正式版で更にブラッシュアップされると良いですね。

◆光害マップ
星見ファンには定番の世界中の光害度合いが分かるLight Pollution Mapです。

関東含め都市周辺はえらいことになってます。
おらのベースは埼玉と横浜なので光害地獄です。季節が良くなると富士山周辺や伊豆天城あたりに遠征してます。現地で出会うガチな人たちとの会話が楽しいです。
↓今回彗星の観測地(秩父高原牧場)

青い場所へ行きたいんですけどねー。冬なんでねー"(-""-)"。

◆どこがいいのか
ところでみなさん、日本で一番暗い夜空(星が見えやすい)はどこか知ってます?
↓阿智村でしょうか?

長野県阿智村は、日本一綺麗な星空として有名ですが、、実はどこまで暗い星が見えるかという感度指数では、国内上位50傑にも入れません。
環境省が毎年夏冬やってる星空観察の結果です。綺麗は感性、光度は科学ですので天体ヲタは科学を優先し、星景ヲタは景色を含めた感性を優先し観望場所を決めます。
阿智村は自然環境をネタに感性での村おこしを狙ったんですね。客寄せ上の大人の都合なのか、ここ数年阿智村からのデータ申告は無くはなっちゃいました。

一夜明け、今朝は大雪、、、
明日、火星とミートするツーショット撮れるかな、、。

(^^)/

ズーティエフ彗星

2023-01-30 23:48:44 | 天体観測
C/2022 E3(ZTF彗星)が極大日になります。
周期約5万年。たぶん次回は人類は存在しません。最後のお別れ会です。
順調に増光し現在5等級。ギリ肉眼でも見え、数日前から撮影開始しました。
撮影地は埼玉の光害地、SQM=20.13、Bortle=class5です。撮影時間帯は気温マイナス10度になります。
以下、日々変化の様子と、合間に撮った星雲もいくつかのっけときます。

ズーティエフ(ZTF)彗星はケプラーの法則に従い、太陽の引力から脱出するために時速数万キロで移動してます。1時間で地球の直系の数倍を移動し、地球の公転面とZTF彗星の軌道面が丁度交わる時に、運よく地球が彗星のすぐ近く(約4000万キロ)に居るのが今回のラッキーポイントです。
2月11日は、地球と火星の間に位置し火星とギリ重なる軌道を通るため、彗星が火星に突っ込むような構図が撮れるはずです。

ほぼ編集無しの撮って出しです。RAWのFitsデータをビューワでJpeg変換、若干の強調補正を掛けてます。
天体素人につきツッコミは堪忍。今、PixInsightを勉強中。若いころはゆっくりたっぷり集中できたんすが、余命短い老人にはかなり苦痛です。
では、経過をご覧ください。

◆2023/1/25
↓立派な尾を引き始めました。
彗星の右上に一直線で流れるのがイオンテイルです。太陽光と彗星の氷分子が反応しイオンガス(プラズマ)が発生します。つまりイオンテイルの反対方向に太陽があります。一方、イオンテイル周辺や逆側左下に流れてるのがダストテイルです。成分はイオンガス発生時に巻き上げられる氷破片やゴミ。イオンに比べ大きいため力学的影響(太陽引力や彗星の固有回転)を受けやすいのと、地球との見かけ上の角度により、彗星の前方に放射されてるように見えてます。
↓センサーカメラの角度をいじってみました。

◆2023/1/26
↓撮影時刻により少しずつ見栄えが変わって行きます。

◆2023/1/28
↓イオンテイルとダストテイルの内角が日を追うごとに小さくなって来ました。(彗星と地球の位置関係でテイルの見かけの角度が変わる)

◆2023/1/29
彗星のグリーンを出したく、CBPフィルターを付けてみました。
撮影は23時~午前6時、様態が刻々と変化します。
まだ自動撮影スキルがなく不眠。睡魔がきついです。
↓ちょっとグリーンを強調しすぎたかw
↓画角変えてちょっと拡大
↓撮影は23時頃から明け方の6時くらいまでやってます。





地球最接近まであと2日。角度の関係で見かけのテイル長が短くなってきました。これ、地球から離れていく数日間はまた長くなるんですかね??軌道マップで地球・彗星・太陽の位置関係見てみっぺ。

◆星雲あれこれ
彗星撮影の合間に適当に撮ってみました。30秒ライブスタック、Gain390、総露出3~5分です。
↓馬頭星雲
↓ばら星雲
↓オリオン座大星雲
↓QBPフィルター使用
↓CBPフィルター使用
オリオン座大星雲は、QBPフィルターとCBPフィルターで撮ってみました。違いが分かると思います。

使用してる光学系:
  • William Optics RedCat51 Ⅱ
  • Skywatcher Star Adventurer GTI 三脚セット
  • ZWO ASI294MC Pro 冷却
  • ZWO ASI120MM mini, 30F4 miniscope
  • ZWO ASIair Pro

天体はズブの素人。星見系友人もおらずネット頼りに手探りで始めました。
赤道儀の1号機はiOptronのiEQ30 Proでしたが、重くて車載&設置が面倒なので今月国内出荷の始まった小型のSkywatcherに変えました。2年前に始め1年休止後の再開です。鏡筒もRedcat新型に変更(上の写真は以前のもの@朝霧高原)。また、SharpCap使いからASIair使いに。キャンカーに積んで全国周遊のオモチャにします。

ライブ配信なんかもやってます。
↓ニコ生


ZTF彗星の地球最接近は、2月2日です。深夜月没後~早朝が見頃。ミラーレス1眼カメラでも撮れますよ。
もうちょっと追っかけてみまーーす。

全国の星見屋さーーん、色々教えてくださーーい。
(^^)/

ふたご座流星群・怒涛の223撮影

2022-12-18 14:55:55 | 天体観測
疲れたわーーー!
極大日前後、延べ5日間かけてふたご座流星群追っかけてました。

いあー良かったっすう!連日関東はピーカン、絶好コンディション。こんなに流星見たの初めてっす。
大中小合わせ、軽く1000個は超えてましたよ。
小型を省き、動画にしてみました。

↓ふたご座流星群・怒涛の223連発
どうすかー。アフォでしょw223個もw
数個~数十個をまとめた動画は見るけど、、おら桁がちがーだよ!
はい。抽出に2日かかりました!ほぼ罰ゲームです。

カメラは最近天体ファンの間で話題のAtomCamです。
基本監視カメラなんですが、驚愕の機能、センサーはF1.6の抜群の暗視性能、しかも3,4千円で買えちゃう、もー事件なんすよ。
キャンカー移動先での防犯目的でゲットしたんすが、星もOKなわけ。首振りなんで車中からコントロールして3D全方向死角無し。
いろんな目的で使えるので皆さんも是非どうぞ。うひひ。

ロケ地に選んだのは埼玉ベース近所の埼玉県嵐山町のキャンプ場。
秩父の山を予定してたんすが、寒すぎた!路面凍結でノーマルタイヤじゃ無理。おらのキャンカーまだスタッコ履いてないのだ。
嵐山のキャンプ場は平地ながら夜中はマイナス2度まで落ちた。朝、外の三脚は氷結して仕舞えなかったわい。

火球もいっぺーゲットした。あまりに降るのでもー地球がぶっ壊れるかと思ったわ。流星痕が10分消えないすげーのもいた。

ほんでだ!毎日流星ライブ配信しただ!
3カメ体制で。車内スタジオwに1カメ、車外に2カメ(Sonyα6400)、3カメ(AtomCamSwing)。
これを手元のビデオスイッチャーで切り替えながら配信。
これ、キャンカーを移動ライブスタジオにしよーっつーアフォな計画のテストでもあります。
最終形は、全国放浪しながら現地のゲストや風景のライブ共有。遠隔地にいる旅仲間同士のライブ配信もできちゃいます。今回視聴者からスマホでビデオ参加してもらい、その映像を配信することができました(Zoom風)。
あとは機材をラックに組んで仕上げるだけ(^^)/。

↓こんな感じで配信してるっす


次のメジャー流星群は、1月のしぶんぎ座流星群すね。
流星電波観測しちゃおっかと企んでます。
あと、1月、2月はZTF彗星が来る。順調に光度を増していて近日点で4等級前後になる見込み、久しぶりに肉眼でも見える彗星になりそう。珍しい北極星周回彗星なので一晩中見える。
で、なんつっても、あと10年生き延びよう!
観測史上最大の彗星Xが今地球に向かってます。2031年に来る!その質量破格の500兆トン、太陽並みに明るくなる見込み。軌道周期300万年に一回のイベントっすよ~。

(^^)/

月食 ターコイズフリンジを楽しもう

2022-11-09 18:51:15 | 天体観測
皆さん、夕べの月食よかったですねー。
最高の条件で大満足できました。

たこ焼きムーンも美味しいですが、今回狙ったのはターコイズフリンジです。
ターコイズリングとも呼ばれ、トルコ石の淡いブルー色が指輪のようになる現象です。
これは地球の成層圏のオゾンが太陽光の赤色含む赤外線波長帯を吸収し、短波長帯の青白系の光が月に届くことで発生する現象です。

先週末から吉原の花魁取材のため横浜に居て横浜ベースで撮るつもりだったんですが、やっぱ少しでも光害の少ない埼玉ベースでと急遽関越ぶっ飛ばし帰ってきました。
100mmのレンズしかなく、望遠不可、4Kで撮って拡大しました。

ほんじゃどーぞ。
↓まずはタコ焼きムーン(ブラッディムーン)

月が完全に地球の陰に入りました。左下に食前の天王星が見えますね。

↓ほんで、待ちかねたターコイズフリンジ!




青白く光るのが見えますか?
地球の成層圏を抜けた紫外線が月面に次第にリングを作って行きました。
各ショット約5分間隔の画像です。上のは後半戦のターコイズフリンジ。

↓前半戦のターコイズフリンジはこっち。ちょっと迫力ないね。



ってことで、楽しい夜になりました。
月食はグラデーションで立体感が出ていーですよね。

先日日光の霧降高原で遊んだ時の夜空はこっち↓
ブハハー!星だらけ、やりすぎなw

↓標高1400m、夜中、氷点下でしたよ

↓昼間はこんな感じー

ほんじゃまたーーー(^^)/