今日は、2015年・大学入試センター試験(本試験)の「地理A」の残りを。
まずは、第4問、地球的課題と国際協力に関するもの。
問1.図1の人口ピラミッドについて、
「イ」は人口転換の第一段階(第二段階含む?)ですね。日本では「富士山型」と呼ばれるタイプのピラミッド。この段階から死亡率が下がり、さらに出生率が低下していくと「ア」のタイプ(第三段階の「釣鐘型」)に。そして出生率が回復せず、高齢化が進むと「ウ」のタイプ(第四段階の「つぼ型」)に推移する、ということなので、
最も適当な選択肢は、
①の「アはイに比べて出生率が低い傾向にある」ということ。
②:ウは乳児のうち(1歳まで)に死亡する率が高いからグラフ基部が狭いわけではない。
③:上記の通り、変化の順はイ→アが一般的。
④:イからアを経ないでウへは至らない。また途上国では、まず第一段階(富士山型)から第二段階(ピラミッド型)への人口転換が起きる。
問2.図2のカ~クの地図が、それぞれ、栄養不足人口率、穀物自給率、人口増加率のいずれを表しているか見極める問題。
栄養不足人口率は、経済発展度の低い国や地域(とくにアフリカ中央部)で特に高く、経済発展が進みつつあるが、人口増加率が高く、また国内に所得格差が存在するような国や地域でやや高くなる傾向にある。
穀物自給率は、小麦やトウモロコシの輸出大国、国土(農地)面積の広い国や地域では高くなる傾向にある。
人口増加率は、相対的には発展途上地域で高い。とくにアフリカ中央部は「人口爆発」に近い状態で、西アジア、南アジア、東南アジア、南北アメリカでも比較的高い。アメリカ合衆国など移民受け入れが多い国も高くなる。
ということで・・・
「カ」はアフリカ中央部でとくに値が高く、中国、インド、東南アジア、ブラジルなど、近年経済発展が目覚ましいものの、内部に大きな所得格差が存在する国々でも高い傾向にあるので、「栄養不足人口率」を表すものと考えられる。
「キ」は国土面積が広い国や、ヨーロッパ諸国を含め、広く値が高い(日本、乾燥地域では低い)ことから、「穀物自給率」を表すものと考えられる。
「ク」は上記の「人口増加率」の説明に合致。アメリカ合衆国やオーストラリアの値が高めなのがポイント。
よって、この組み合わせは①。
問3.カナさんが食料問題について調べてみた・・・という問題。ありがちな、リアリティの欠片も感じない無理な設定の。もしこんなふうに「調べる」ことができる高校生がいるなら・・・大学生でも、それだけで単位あげるよ、という感じ。
いまいち、気合い入れてコメント書く気になれない(これまでもそんなには気合い入れてないですが)ので・・・とりあえず①④が不適当ということのみ。
問4.合計特殊出生率、女性の労働力率、女性国会議員の割合という三つの指標の組み合わせ(表1)のうち、サウジアラビア、スウェーデン、日本、フィリピンがどれにあたるかを見極める問題。
これも、まずは各指標の最大値(最小値)に注目するとよいですね。
合計特殊出生率は①の3.1が最大、次は②の2.8。経済が発展するほどこの値は低下する傾向にありますから、①と②はフィリピンやサウジアラビアがあてはまる可能性が高い。でもって、②は女性の労働力率や国会議員の割合が著しく低いのが特徴。これは背景にイスラム地域のうちとくにイスラム法による支配を重視する国における女性の社会進出を阻む社会制度によると考えられますので、サウジアラビアが該当すると判断できます。よって①はフィリピン。
③と④がスウェーデン、日本ということになりますが、女性の労働力率、国会議員の割合ともに高い③がスウェーデン。スウェーデンは高福祉国家として知られますが、出産・育児もしやすいよう社会制度が整えられていますので、合計特殊出生率も高めになっています。日本の合計特殊出生率はここのところ1.4前後を推移していますので、これくらいは知っておくべき値かと。それから、女性の労働力率が63(%)というのは意外に高いと感じる受験生が多いでしょうか?
ということで、フィリピンは①。
問5.日本が実施している国際協力についての問題。
不適当なのは③。
日本は、①②④にあるような、海外現地での支援活動はいろいろ実施していますが、国内への難民受け入れは積極的ではありません。毎年の受入数は二桁ですね。近年日本への難民申請が増えていて、2014年は約5000件の申請があったにもかかわらず受け入れが少なかったことに対して批判もあるのですが、実態は難民の要件に該当しない者が単に日本での就労を意図して申請するようなケースが多く含まれることも指摘されており、評価が難しいところです。
続いて、第5問、アヤネさんによる富良野周辺の地域調査に関する問題。
問1.図1中のP駅からS駅に向かって移動した際の東側の車窓に関する問題。
正解は②。R駅を過ぎると、旭岳や前富良野岳に隠れて、富良野岳の斜面は見えなくなるでしょうか。
①:P駅からQ駅まで、ほとんど畑(途中に少しだけ水田)ですね。
③:R駅の手前には建物の影も形も確認できない。「ラベンダー畑」のための駅ですね。駅前の市街地や公共施設(町役場のこと?)が見えるのは、次の駅。
④:R駅からS駅までは、ほとんど水田ですね。
問2.主に積雪に対応したものとして不適当なのは①の「上部に太陽電池が付いた時計」。
電線などで電源に接続するコストを省くためとか、そもそもその電力消費を太陽光で賄うため(エコ)、ということでしょう。
問3.図1中のXの範囲における1921年と2004年の地図(図2)から読み取れる変化について。
不適当な選択肢は②ですね。空知川の改修はされましたが、地図の範囲で大きな流路の付け替えは確認できません。富良野川が合流するところで、丘陵を少し削ったくらいでしょうか。基本的には築堤によって流路を制限するような形です。よって旧可動を利用した鉄道建設など確認できません(そもそも新たな鉄道建設が確認できない)。「土堤」の記号を鉄道だと誤読することを誘ったのか?
問4.図1中のY地域における、コメ、ジャガイモ、乳牛の集落別の農家の戸数(って、なんだかおかしな表現/“~の栽培・飼育を主に営む農家の集落別戸数”か?)を示した図3にもとづき、その農家分布とその背景に関して問う問題。
こういう問題は、どういった力を要求している(確認しようとしている)のでしょう?
まずは、図3が何を表しているか・・・地図から空間分布を読むという、ごく基本的な部分。これ、出来る人には当たり前のように思ってしまいますが、実は大学生でもできないことが少なくありません。問題文を読んでも、この図の線が何を表しているのか(集落の境界だということ)、●が何を表しているのか、なぜ大きさが違うものがあるのか、解らないということがあります。
それから、図1のY部分と頭の中でオーバーレイ(重ね合わせ)をして、どのあたりの集落はどんな場所(地形、交通条件など)のところにあるのかを知ること。これも、必ずしも簡単ではないみたい。
上記のようなことができて、コメ、ジャガイモ、乳牛の栽培・飼育条件について基本的な知識があれば、簡単に解る問題なのですが・・・
図1は1/20万なので等高線から地形は判りにくいかもしれませんが、Y部分の地形分類などを大雑把に描き込むと、こんな感じ。畑になっているところは、ほぼ台地か丘陵地と考えればよい。
そして、図3の「米」の地図に同じ地形分類や鉄道などを描き込むと、こんな感じに。
では、説明文の①について、「米は・・・盆地を中心に」の盆地は上図の低地のことです。間違いはなさそうです。なお、「北海道特有の気候条件」とは本州以南に比べて冷涼なこと。稲は本来、熱帯や亜熱帯の植物です。それを冷涼な気候でも生育するように品種改良したということ。
②について、「ジャガイモは、大規模な灌漑施設を必要としない」は合ってますね。ジャガイモはアンデス山脈の高地原産と言われ、もともと荒地などでも育ちやすい作物です。が、そもそも、この問いは地図の読み取りをさせようという趣旨なので、こんなところに“間違い”を配さないでしょう。でも、後半の「ほとんどの農家は~」が不適当。確かにコメよりは丘陵地に農家が多く分布しますが、盆地(低地)にもいくらか分布しています。
③について、「乳牛を~戸数が少なく」は正しいですね。コメやジャガイモに比べると、●の数が少なく、またサイズが小さいことが明瞭です。そして分布は、丘陵地が“中心”です。“中心”というのは“主に”ということなので、少しなら低地にも分布していてもOK。
④について、「共通して農家が少ない場所」とは、図3の●が無い(空白)の場所を見ればよい。3枚の地図において、演習場のあたりや、その北(地図の右上)、地図の西端(左上)のあたりなどは共通してほぼ空白か●がとても小さくなっています。
ということで、答えは②。
問5.富良野地域の森林開発、日本の林業に関する問題。このアヤネさんの会話も無理があり過ぎ・・・富良野の話からいきなり「日本の林業」に飛躍できるなんてね。
空欄の「サ」に入るのは「落葉広葉樹」ですね。冬は気温が低く、日射量が小さいのだから、樹が葉をつけたままというのは不合理と考えればよい。
空欄の「シ」については、表1に答えが書かれてるわけで・・・
国内消費量が減少しているのに対して、国内生産量は増加している。また輸入も減少していますから・・・自給率は「上昇」傾向にあるということ。
よって、答えは③。
問6.富良野地域の月別観光客数の推移についての問題。
グラフを見ると、1970年の時点では、観光客の入りは通年的に低調だったわけですね。1月と2月は若干多いですが、これはスキー客でしょうか?
1980年、1990年には、冬の観光客が急増しています。2000年はやや減りますが、まだ多い。これはスキーワールドカップ開催や、その後の「北の国から」放送で富良野の知名度が上がったためでしょう。とくにドラマが放送された後の1990年からは夏季の観光客も増えています。でも、2000年以降、夏季の観光客増加に対して、冬季の客数の減少が際立っています。スキー人気の低迷などの影響でしょうか?
・・・などと推論しましたが、この問題は単にグラフから観光客数の増減を読めれば解けます。
①、1980年になって冬季の客数が顕著に増えましたから・・・これは適当。
②、1990年になってはじめて夏季にピーク(グラフの山)ができましたから・・・これも適当。
③、夏季と冬季をどの月にするかという問題がありますが、仮に夏季を7~8月、冬季を1~2月としたら、2000年では夏季の両月とも冬季の2倍はありません。各季をもう少し長くしても、同様のことが言えます。よって、これが不適当。
④、夏季と冬季以外で増加しているのは、5月が顕著で、あとは9~11月あたりですね。これも適当。
よって、答えは③。
以上で、すべて終わりました。
昨日までの、ちゃんと答え合わせをしないまま「投稿」してしまってましたが、結果的には全問正解してて一安心。
まずは、第4問、地球的課題と国際協力に関するもの。
問1.図1の人口ピラミッドについて、
「イ」は人口転換の第一段階(第二段階含む?)ですね。日本では「富士山型」と呼ばれるタイプのピラミッド。この段階から死亡率が下がり、さらに出生率が低下していくと「ア」のタイプ(第三段階の「釣鐘型」)に。そして出生率が回復せず、高齢化が進むと「ウ」のタイプ(第四段階の「つぼ型」)に推移する、ということなので、
最も適当な選択肢は、
①の「アはイに比べて出生率が低い傾向にある」ということ。
②:ウは乳児のうち(1歳まで)に死亡する率が高いからグラフ基部が狭いわけではない。
③:上記の通り、変化の順はイ→アが一般的。
④:イからアを経ないでウへは至らない。また途上国では、まず第一段階(富士山型)から第二段階(ピラミッド型)への人口転換が起きる。
問2.図2のカ~クの地図が、それぞれ、栄養不足人口率、穀物自給率、人口増加率のいずれを表しているか見極める問題。
栄養不足人口率は、経済発展度の低い国や地域(とくにアフリカ中央部)で特に高く、経済発展が進みつつあるが、人口増加率が高く、また国内に所得格差が存在するような国や地域でやや高くなる傾向にある。
穀物自給率は、小麦やトウモロコシの輸出大国、国土(農地)面積の広い国や地域では高くなる傾向にある。
人口増加率は、相対的には発展途上地域で高い。とくにアフリカ中央部は「人口爆発」に近い状態で、西アジア、南アジア、東南アジア、南北アメリカでも比較的高い。アメリカ合衆国など移民受け入れが多い国も高くなる。
ということで・・・
「カ」はアフリカ中央部でとくに値が高く、中国、インド、東南アジア、ブラジルなど、近年経済発展が目覚ましいものの、内部に大きな所得格差が存在する国々でも高い傾向にあるので、「栄養不足人口率」を表すものと考えられる。
「キ」は国土面積が広い国や、ヨーロッパ諸国を含め、広く値が高い(日本、乾燥地域では低い)ことから、「穀物自給率」を表すものと考えられる。
「ク」は上記の「人口増加率」の説明に合致。アメリカ合衆国やオーストラリアの値が高めなのがポイント。
よって、この組み合わせは①。
問3.カナさんが食料問題について調べてみた・・・という問題。ありがちな、リアリティの欠片も感じない無理な設定の。もしこんなふうに「調べる」ことができる高校生がいるなら・・・大学生でも、それだけで単位あげるよ、という感じ。
いまいち、気合い入れてコメント書く気になれない(これまでもそんなには気合い入れてないですが)ので・・・とりあえず①④が不適当ということのみ。
問4.合計特殊出生率、女性の労働力率、女性国会議員の割合という三つの指標の組み合わせ(表1)のうち、サウジアラビア、スウェーデン、日本、フィリピンがどれにあたるかを見極める問題。
これも、まずは各指標の最大値(最小値)に注目するとよいですね。
合計特殊出生率は①の3.1が最大、次は②の2.8。経済が発展するほどこの値は低下する傾向にありますから、①と②はフィリピンやサウジアラビアがあてはまる可能性が高い。でもって、②は女性の労働力率や国会議員の割合が著しく低いのが特徴。これは背景にイスラム地域のうちとくにイスラム法による支配を重視する国における女性の社会進出を阻む社会制度によると考えられますので、サウジアラビアが該当すると判断できます。よって①はフィリピン。
③と④がスウェーデン、日本ということになりますが、女性の労働力率、国会議員の割合ともに高い③がスウェーデン。スウェーデンは高福祉国家として知られますが、出産・育児もしやすいよう社会制度が整えられていますので、合計特殊出生率も高めになっています。日本の合計特殊出生率はここのところ1.4前後を推移していますので、これくらいは知っておくべき値かと。それから、女性の労働力率が63(%)というのは意外に高いと感じる受験生が多いでしょうか?
ということで、フィリピンは①。
問5.日本が実施している国際協力についての問題。
不適当なのは③。
日本は、①②④にあるような、海外現地での支援活動はいろいろ実施していますが、国内への難民受け入れは積極的ではありません。毎年の受入数は二桁ですね。近年日本への難民申請が増えていて、2014年は約5000件の申請があったにもかかわらず受け入れが少なかったことに対して批判もあるのですが、実態は難民の要件に該当しない者が単に日本での就労を意図して申請するようなケースが多く含まれることも指摘されており、評価が難しいところです。
続いて、第5問、アヤネさんによる富良野周辺の地域調査に関する問題。
問1.図1中のP駅からS駅に向かって移動した際の東側の車窓に関する問題。
正解は②。R駅を過ぎると、旭岳や前富良野岳に隠れて、富良野岳の斜面は見えなくなるでしょうか。
①:P駅からQ駅まで、ほとんど畑(途中に少しだけ水田)ですね。
③:R駅の手前には建物の影も形も確認できない。「ラベンダー畑」のための駅ですね。駅前の市街地や公共施設(町役場のこと?)が見えるのは、次の駅。
④:R駅からS駅までは、ほとんど水田ですね。
問2.主に積雪に対応したものとして不適当なのは①の「上部に太陽電池が付いた時計」。
電線などで電源に接続するコストを省くためとか、そもそもその電力消費を太陽光で賄うため(エコ)、ということでしょう。
問3.図1中のXの範囲における1921年と2004年の地図(図2)から読み取れる変化について。
不適当な選択肢は②ですね。空知川の改修はされましたが、地図の範囲で大きな流路の付け替えは確認できません。富良野川が合流するところで、丘陵を少し削ったくらいでしょうか。基本的には築堤によって流路を制限するような形です。よって旧可動を利用した鉄道建設など確認できません(そもそも新たな鉄道建設が確認できない)。「土堤」の記号を鉄道だと誤読することを誘ったのか?
問4.図1中のY地域における、コメ、ジャガイモ、乳牛の集落別の農家の戸数(って、なんだかおかしな表現/“~の栽培・飼育を主に営む農家の集落別戸数”か?)を示した図3にもとづき、その農家分布とその背景に関して問う問題。
こういう問題は、どういった力を要求している(確認しようとしている)のでしょう?
まずは、図3が何を表しているか・・・地図から空間分布を読むという、ごく基本的な部分。これ、出来る人には当たり前のように思ってしまいますが、実は大学生でもできないことが少なくありません。問題文を読んでも、この図の線が何を表しているのか(集落の境界だということ)、●が何を表しているのか、なぜ大きさが違うものがあるのか、解らないということがあります。
それから、図1のY部分と頭の中でオーバーレイ(重ね合わせ)をして、どのあたりの集落はどんな場所(地形、交通条件など)のところにあるのかを知ること。これも、必ずしも簡単ではないみたい。
上記のようなことができて、コメ、ジャガイモ、乳牛の栽培・飼育条件について基本的な知識があれば、簡単に解る問題なのですが・・・
図1は1/20万なので等高線から地形は判りにくいかもしれませんが、Y部分の地形分類などを大雑把に描き込むと、こんな感じ。畑になっているところは、ほぼ台地か丘陵地と考えればよい。
そして、図3の「米」の地図に同じ地形分類や鉄道などを描き込むと、こんな感じに。
では、説明文の①について、「米は・・・盆地を中心に」の盆地は上図の低地のことです。間違いはなさそうです。なお、「北海道特有の気候条件」とは本州以南に比べて冷涼なこと。稲は本来、熱帯や亜熱帯の植物です。それを冷涼な気候でも生育するように品種改良したということ。
②について、「ジャガイモは、大規模な灌漑施設を必要としない」は合ってますね。ジャガイモはアンデス山脈の高地原産と言われ、もともと荒地などでも育ちやすい作物です。が、そもそも、この問いは地図の読み取りをさせようという趣旨なので、こんなところに“間違い”を配さないでしょう。でも、後半の「ほとんどの農家は~」が不適当。確かにコメよりは丘陵地に農家が多く分布しますが、盆地(低地)にもいくらか分布しています。
③について、「乳牛を~戸数が少なく」は正しいですね。コメやジャガイモに比べると、●の数が少なく、またサイズが小さいことが明瞭です。そして分布は、丘陵地が“中心”です。“中心”というのは“主に”ということなので、少しなら低地にも分布していてもOK。
④について、「共通して農家が少ない場所」とは、図3の●が無い(空白)の場所を見ればよい。3枚の地図において、演習場のあたりや、その北(地図の右上)、地図の西端(左上)のあたりなどは共通してほぼ空白か●がとても小さくなっています。
ということで、答えは②。
問5.富良野地域の森林開発、日本の林業に関する問題。このアヤネさんの会話も無理があり過ぎ・・・富良野の話からいきなり「日本の林業」に飛躍できるなんてね。
空欄の「サ」に入るのは「落葉広葉樹」ですね。冬は気温が低く、日射量が小さいのだから、樹が葉をつけたままというのは不合理と考えればよい。
空欄の「シ」については、表1に答えが書かれてるわけで・・・
国内消費量が減少しているのに対して、国内生産量は増加している。また輸入も減少していますから・・・自給率は「上昇」傾向にあるということ。
よって、答えは③。
問6.富良野地域の月別観光客数の推移についての問題。
グラフを見ると、1970年の時点では、観光客の入りは通年的に低調だったわけですね。1月と2月は若干多いですが、これはスキー客でしょうか?
1980年、1990年には、冬の観光客が急増しています。2000年はやや減りますが、まだ多い。これはスキーワールドカップ開催や、その後の「北の国から」放送で富良野の知名度が上がったためでしょう。とくにドラマが放送された後の1990年からは夏季の観光客も増えています。でも、2000年以降、夏季の観光客増加に対して、冬季の客数の減少が際立っています。スキー人気の低迷などの影響でしょうか?
・・・などと推論しましたが、この問題は単にグラフから観光客数の増減を読めれば解けます。
①、1980年になって冬季の客数が顕著に増えましたから・・・これは適当。
②、1990年になってはじめて夏季にピーク(グラフの山)ができましたから・・・これも適当。
③、夏季と冬季をどの月にするかという問題がありますが、仮に夏季を7~8月、冬季を1~2月としたら、2000年では夏季の両月とも冬季の2倍はありません。各季をもう少し長くしても、同様のことが言えます。よって、これが不適当。
④、夏季と冬季以外で増加しているのは、5月が顕著で、あとは9~11月あたりですね。これも適当。
よって、答えは③。
以上で、すべて終わりました。
昨日までの、ちゃんと答え合わせをしないまま「投稿」してしまってましたが、結果的には全問正解してて一安心。