百合とオレンヂ城Ⅱ

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ガングレイヴ

2008-02-08 20:04:54 | アニメ
ガングレイヴ
 
 内藤泰弘と黒田洋介と藤島康介の夢のコラボ
ただし内容はハードボイルド。 
 
 
 一話は本編の17話にあたり、2話から回想が始まり
どのようにして一話に行くのか?ミッシングリンク
を楽しむのです。
 
 犯罪組織ミレニオンのボス・ハリー・マクドゥエル
 かつてハリーの親友で復讐者ビヨンド・ザ・グレイヴ
となったブランドン・ヒート
 何故ふたりが戦うことになったのか?
  
 
 最初チンピラでしかなかったハリーが大悪党になって
いきます。
 ハリーはベア・ウォーケンにもビビっていましたが、
段々のし上がる様は悪漢小説のようで面白いです。
 自分を推薦してくれたランディを消す辺り、斉藤道三みた
いなハリーです。

 8話辺りにやはり問題作が来ましたが、組織ミレニオンの
「鉄の掟」ですが、すでに機能していません。
 8話の悲劇のもともとのきっかけは、ハリーの点数稼ぎの
密告(元凶は馬鹿息子ですが)。
 ベアもブランドンも律儀に「鉄の掟」を守りました。
ですが、ハリーはリーを部下にした時など、何度
掟を破ったでしょうか?
 器用にくぐりぬけています。
 ハリーは結構お気に入りです。
 ただ、ここで不器用なブランドンとハリーを比較している
のでしょうね。
 妙に抜け目のないハリーですが、ここ一番のやり方は強引
なのが多いです。
 ハリーみたいな生き方をしていたら、それはそれは敵が
大勢いるでしょうよ(汗

 途中、最初からちらほら出ていた組織を倒して、それが
原因でオーグマンを作る悪魔の技術を手に入れてしまいました。

 
 親友のブランドンですが、組織にマリアやハリーがいなけ
ればマフィアになったかどうか?
 なっていないでしょう。
 父親のような存在のビッグ・ダディを得て三人のために
あえて手を血で染めますが無駄な殺しはしない、昔の友人を
大事にするなど彼は彼のままでした。

 
 もし、ですが
仲間が宝石を盗まなければ。
マリアに会わなければ。
墓場でビッグダディに会わなければ。
組織に入らなければ。
そして悪魔の技術ネクロ・ライズを手に入れなければ。

 もし、ifだらけですね。
 ひとつでも当てはまらなければ悲劇は起こらなかった
かもしれません、が運命の神は皮肉にも全てのピースを
当てはめてしまいました。

 
 
 最終話まで見ると、これはある意味ハリーの物語でも
あった、と思います。
 彼は自由を求めそしてその代償が高かった、と思いました。
 ハリーはだんだん変わっていきました。
ですが、それは組織が変えた、とか誰かの影響という
事ではなくハリーはハリーのままでした。
 ピンチでも彼は機転でそれをくぐり抜け、
汚れ仕事を組織の掟で仕方なく実行した、こともありませ
ん。(それはどちらかというとブランドン)
 
 ハリーは「自由」をよく口にしました。
 自由にはいろいろあります、その中には、
「憎い相手を殺す自由」もあります。
 普通、ある程度自由は制限されます。
 幸か不幸かハリーには、自分の自由を表現できる力も
知略もありました。
 そして凶暴性も。
 「あの園長、もう亡くなっていたのか」
とかつて自分たちがいた幼稚園に来たハリーはつぶやき
ました。
 それは、殺すつもりだったのではないでしょうか?
 ハリーは、ヤバイところもあります。
 ある店でバイトの少年が店長に殴られて店の外で
うずくまっていた時、少年にかつての貧しい自分を重ね合わ
せて慰めるかのように近づいた、かと思った矢先店長を
平然と撃ち殺しました。
 平然とです、ハリーには泣き叫ぶ少年の心がイマイチよく
わかっていないようでした。

 ハリーはカリスマ性があり自分に従う人間には好意を持っ
て接しますし貧しい少年たちに贈り物をする優しさもありま
す。矛盾しているようですが、それがハリーの魅力でもあり
ました。
 
 脚本の黒田洋介が昔てがけた大運動会で神崎あかり、と
柳田一乃は仲が良かったけれど、あかりが一乃の上に来る
かもしれない、と一乃が思い始めた時ふたりの仲はぎくしゃ
くし始めました。
 この神崎あかり、と柳田一乃のふたりにおきたことが
ハリーとブランドンの間にも起きました。

 「ブランドンがオレを裏切った?」

 そしてハリーはここ一番という時極端な手段しか取りませ
んし、「交渉」とか「調和」という考えはありません。
 それが悲劇へと行く訳ですが。


 無敵と思われたオーグマン達が新たに開発された弾丸で
あっさり倒されたように頂点にいたハリーも、やがて失墜
する時が来ました。
 愛する女性シェリーをも失い、その時そばにいたのは
ハリーただひとりでした。
 かつて組織の頂点を極めた者にしては、あまりにも
寂しいことです。
 
 全てを失った男が向かった先は、かつてのチンピラ時代の
自分がいた店でした。
 帰るべき場所へ帰り、ハリーとブランドン、ふたりの
ドラマへと終局するのですが。
 ハリーが組織のボスのままでなく、ブランドンと同じ立場
で、この店に来た、このラストは結構好きです。

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4 コメント

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Unknown (ゆん)
2008-02-10 15:07:38

私も途中から歯車が狂い始めてからのハリーには賛同出来ません。
さすがにやりすぎです。

求めたものは誰しもが多分小さな幸せだったはずなのに、どうして悲劇が起こってしまうのか。
目指した場所は同じだったはずの二人。
何が悪かったのか、誰が悪かったのか。どこで間違えたのか。

痛くて切ない感じもありますがあの最終話見た時「名作だ!」と本気で思いました。
エンディングもカラーにモノトーン、一人走ってたのが最後は確か二人になってたはず等な演出も鳥肌ものでした

これもうちの近所はレンタルされてませんが、最悪買い揃えてもいいなって思える作品です。

って、えらく真面目な文章になっちゃいましたぁ(^^ゞ
返信する
Unknown (ゆん)
2008-02-10 15:24:58
格好いい作品でしたよね~
ハリーの生き様、彼がどうなっていくのか。ブランドンとハリーがどう決着をつけるのか、物凄~く興味を惹かれましたよ~

最初嫌いだったんですよ、ハリーの事。
でも彼の目線で物語が進む内、不思議な魅力を感じました。
幼い頃の経験が今の彼を作りあげているというのが良く分かります。
踏みつけられた悔しさ。それがかなり影響してるんだろうなぁと。
犬塚さんも沢山のIFを挙げてましたが、私も幼いハリーを取り巻く環境がもぅ少し良かったなら、と思います。
ハリーが子ども達に優しかったり、子供に暴力を奮う店長を撃ったのもこの辺りに原因があるんじゃないかなって思います。
優しくしてほしかった幼い頃の自分を知っているから、手の届く範囲の子供達に同じ思いをさせたくないのか、もしくはそうする事で幼い頃の自分を慰めているのかなぁとか。
二度と踏みつけられない様に力を求めていく姿。邪魔者は容赦なく消していく冷酷さもまたそこらへんが根底にある気がします。
誰も何もしてくれないなら別の誰かを踏みつけて(殺して)でも自分の手で欲しいものを手に入れてやる!
みたいな信念が中途半端な正義なんかよりずっと潔くて純粋ささえ感じます。
って、上記はあえて私見ですから、違うよ~とかな意見はあるとは思いますけど(^^ゞ
確かに周りはたまったもんじゃありませんもんね(苦笑)
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Unknown (犬塚志乃)
2008-02-19 22:24:04
>幼い頃の経験が今の彼を作りあげているというのが良く分かります
>手の届く範囲の子供達に同じ思いをさせたくないのか、もしくはそうする事で幼い頃の自分を慰めているのかなぁとか。
>冷酷さもまたそこらへんが根底にある気がします

 いえ、ゆんさんの私見があまりにも当ては
まっていると思います。
 子供の頃の環境が原因とは思いませんでし
た。
 うーん、これ以上はなにも言えません。
ゆんさん、上手くまとめました。
 
 ハリー敵も多そうですが、味方も多いで
しょう。
 奥さんのシェリーを本当に愛していたんだ
なぁ、思いました。
 手に指輪があるのでいつ結婚したんだと?
 続編のゲームではネクロライズされた
シェリーが出てくるそうですが。
 これも痛い話になりそうですね。
返信する
Unknown (ゆん)
2008-02-19 23:05:47
犬塚さんみ~っけ
ぎゅっ

>うまくまとめれて…
変じゃなかったですか?良かったぁ
いつもの「私がもし彼(彼女)だったら…」な見解なのです(^^ゞ

ハリーは好きな人には優しくて、嫌い(邪魔)な人には冷たい、良くも悪くも正直な人なのかも~って思います。
奥さんへの愛感じましたハリーは決して冷たい人間な訳じゃないんですよね
いい奴で悪い奴。
ハリーのそういうとこ好きです(^^)

いつの間に結婚…
結婚式のシーンってありましたっけ?
ごめんなさい、そこらへんはよく覚えてなくて(..;)

>続編
シェリーさんがネクロライズ!?
誰がそんな酷い事…(悲)
ブランドンと戦うんでしょうか…。確かブランドンってシェリーさんの事…

愛しているからこそ、安らかな眠りへと導いてあげて。ブランドン。

はい、なんだか想像しただけで痛いですぅ
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