百合とオレンヂ城Ⅱ

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セラフィム(押井守 &今敏)

2015-08-24 23:16:00 | ジブリ 押井守 ハーモニー(伊藤計劃) サマーウォーズ フルメタルパニック

セラフィム(押井守&今敏)






2億6661万3336の翼


押井守と今敏の二大巨匠がコンビを組んで
制作した未完の大作、それが『セラフィム』
です。






セラ

この少女の名前はセラフィムで作中では
セラと呼ばれています。


セラフィムは天使の名前です。


押井守は天使の名前が好きで愛犬にも
ガブリエルと名付けるほどです(笑)






セラ

セラは神秘的で可愛い少女ですが
全てが謎に包まれています。


不思議な力が使えるようで、それで病人を
治そうとしてるので、心の優しい子だと思います。


そしてセラは天使のような少女です。


ですがセラはかなり酷い目にも会うので
かわいそうになってきますhorori


そんなかわいそうなセラを守ってくれるのが、
オジさんdog5おじいさんdog1犬の3人ですdog3






東方の3賢者

主人公たちの名前はキリスト教の東方の3賢者から
とられています。


この3人がセラを守ります。


3人の名前は、


メルキオル(おじさん)dog5


バルタザル(教授のおじいさん)dog1


ガスパル(犬)dog4です。



ちなみに、この画像はというと・・・



押井守がケジメをつける(?)ために
『セラフィム』の続編を小説化するプロジェクト
があり、その挿絵を寺田克也が描いたもの
です(ただし発行は未定)







今敏でキリスト教の東方の3賢者というと
『東京ゴッドファーザーズ』の
この3人を思い出します


『東京ゴッドファーザーズ』の冒頭に
東方の3賢者とキリストの聖誕劇があり
赤ちゃんの清子=イエス・キリストで
クリスマスの奇跡が暗示されているのです


『セラフィム』はセラを守る3人(2人と犬ですが)で
『東京ゴッドファーザーズ』は赤ちゃんの清子を
守る3人ですwink


ところで 『東京ゴッドファーザーズ』って、
おネェのはしりですよね(笑)run







ちなみに『セラフィム』のメルキオルは
後の今敏作品によく出てくる、
ちょっと、なさけないヒゲのおじさんの
プロトタイプな気がします。


ですが、セラをちゃんと守っています。







今敏といえば強くてキレイな女性ですが
『セラフィム』にもギード(案内人)という
強い女性が登場します♪


セラが神秘的な少女なのに対して
ギードは戦う強い女性として描かれて
いますkirakira2







『セラフィム』は1~12話までの原作を押井守が、
そして13~16話までを今敏が手がけています。


押井守が途中で抜けて、
今敏が中心となった13話~16話にかけて
今敏らしい幻想的な演出が増えた気がしますkirakira2kirakira2


残念ながら『セラフィム』は16話で未完yellow2



以下『セラフィム』について難解な点への
私なりの考えを書きます。






約束の土地カナン

『セラフィム』で「約束の土地カナン」と
でてきますが・・・


おそらく、これが『CANAAN』のモデルの
1つなのでしょう。


正確には「華南(カナン)民主共和国連邦」
ですが。






華僑


『セラフィム』に、
「シンガポールを建国したのは華僑」
というセリフが出てきます。


「華僑」とは、
「中国以外の外国の土地にいて、血縁などで結ばれて
集団を作っている中国人」・・・でしょうか?



「華僑」といえば作家の陳舜臣でしょう。



陳舜臣が田中芳樹(アルスラーン戦記)と対談した
『談論 中国名将の条件』で陳舜臣は
「神戸の華僑が~」とか
「台湾の李登輝に会った」とか
言っています。






馬祖

作中でセラが「馬祖」と呼ばれますが、
陳舜臣がどこかで「馬祖は航海の安全を司る女神」
と書いていました。



『セラフィム』には台湾や上海がでてきますが
台湾や上海へ行くには、どうしたって船による航海が
多くなるので、自然と(?)航海の安全の女神への
信仰が強くなる、のだと思います。



ガンダムのキャラデザの安彦良和の
『麗島夢奇譚』にも「馬祖」はでてきます。






天使の化石

そもそも『セラフィム』はタクラマカン砂漠で
天使の化石が発見された、ことから始まります。



タクラマカン砂漠で天使の化石?



押井守はよく作品に化石を出します。



幻の押井守版『ルパン三世』もプロットは
「化石を盗む話」でしたので『セラフィム』で
天使の化石?をだしたのも、そういうことかと。






タクラマカン砂漠

なんでユーラシア大陸の奥地の
タクラマカン砂漠?



想像ですが、これも陳舜臣を参考にした
と思います。



『セラフィム』にユーラシア大陸と砂漠の地図が
出てくるのですが、それを見るとどうしても
陳舜臣の『新西遊記』などを思い出すのですよ(笑)



陳舜臣は「ユーラシア大陸を1つにする」とか
「中国、インド、欧州、日本、と様々な文化がある」
と国際色豊かなことを言っていました。



田中芳樹の『アルスラーン戦記』とか
陳舜臣の影響をモロにうけている気がしますし。


タクラマカン砂漠を扱った作品といえば
『マスターキートン』(浦沢直樹)1巻の
「黒と白の熱砂」と「砂漠のカーリマン」
でしょう。


発掘調査の風景や歴史的背景など
参考になります。






ダーウィンの進化論

『セラフィム』の最初の方にダーウィンの像が
出てきます。



「ダーウィンの進化論」のダーウィンです。



押井守が執筆した小説、
『BLOOD THE LAST VAMPIRE 獣たちの夜』でも
ダーウィンが引用されますが、この作品は
吸血鬼を「進化したほ乳類」としていました。






鳥禍

「鳥禍」とは中国でスズメを「スズメは害をなす鳥」
として十一億六千万羽も捕らえた歴史的事件を
モデルに作られた、と思います。



ちなみに、『カムイ外伝』の白土三平も
この「鳥禍」について描いたことがあるそうです。



また映画監督の陳凱歌(チェン・カイコー)も
この「鳥禍」を体験しました。



おそらく押井守は、この「鳥禍」を
四方田犬彦の書いた『白土三平論』を読んで
知ったのでしょう。



押井守は四方田犬彦のファンで
『御先祖様万々歳』の主人公に
四方田犬丸と名づけたほどです。






まとめ

つかれましたが、やり切った充実感も
あります。


次はマンガ化も決まった『村上海賊の娘』か
『デストロ246』4巻を書こうと思っています。



『たまこまーけっと』や『戦姫絶唱シンフォギア』も
忘れていませんが、『あの娘にキスと白百合を』や
『咲』の新作『シノハユ』も候補にあります。



それと『緋弾のアリアAA』アニメ化記念
を祝おうと思っています♪



あと最近ゲットした
『ガールズ&パンツァー リトルアーミーⅡ』1巻が
素敵すぎて♪



ゾンビ日記(押井守)

2015-08-10 21:31:00 | ジブリ 押井守 ハーモニー(伊藤計劃) サマーウォーズ フルメタルパニック

ゾンビ日記(押井守)


花も色気もなにもない
ひたすら淡々とゾンビを撃ち続ける
男ひとりだけの『がっこうぐらし』






たかじんと宮崎哲弥

この『ゾンビ日記』は男がただひたすら
ゾンビを撃ち続けるだけの日々に、押井守らしい
トリビアが込められた内容です。


なぜか、この作品が宮崎哲弥さんの手によって
『たかじんのそこまでいって委員会』で
紹介されたことがあります(笑)


『ゾンビ日記』は狙撃兵が主人公なので
『名探偵コナン』の映画『漆黒の追跡者』に
似てる箇所もあります。






西武新宿戦線異状なし

実在の地名が登場しますが
かつて押井守が住んでいた新宿界隈を
描いていると思われます。


『西武新宿戦線異状なし』も新宿周辺を
描いている訳ですし。







この『ゾンビ日記』は男の主人公以外ほとんど
登場しませんが、主人公の姉だけはたびたび回想に
出てきます。


彼女は舞踏家なのですが、幻想舞踏家の最上和子さんを
参考にしたそうです。


思えば押井守は舞踏に縁はなさそうですが。






踊る菊地凛子かわいい♪

ですが『スカイ・クロラ』でヴェネチアを
訪れていた時にサン・マルコ広場で踊っている
菊地凛子さん(草薙水素)を見て『アサルトガールズ』の
かわいい踊りのルシファ(画像の子です)
というキャラを思いついたんですよね♪






銃の手入れ

『ゾンビ日記』で銃の手入れをしてるシーンが
あるのですが大事ですよね。


銃の手入れというと『ゴルゴ13』で
【AK47カラシニコフ】と
ゴルゴ13の使用してる愛銃【M16】
を比較した作品がわかりやすいです。


はやい話【AK47カラシニコフ】はメンテが楽で
【M16】はメンテが難しいそうです。


それでは『マリみて』の由乃さん役の池澤春菜さんの
お父さん、池澤夏樹さんの言葉で締めたいと思います。



「この先、ケータイはカラシニコフ以上の武器に
なるだろう」(池澤夏樹)







『スターリングラード』といえば
ジュード・ロウが実在の狙撃兵ザイツェフを
演じた映画です。


もちろん(?)『ゾンビ日記』は主人公が狙撃兵なので
この映画『スターリングラード』についても
ふれています。


監督は『薔薇の名前』のジャン・ジャック・アノー。



スターリンといえば岡田真澄さんですが
電気グルーヴも、
「スターリンと岡田真澄さんは似ている」
と言っています。


どうもそう思ってる人は多いらしく
ビートたけしの映画『みんな~やってるか!』
でも岡田真澄さんがスターリンのカッコで
出てきます。






ヨーク軍曹

「ヨーク軍曹って映画でみたことがあるぜ。
ゲーリー・クーパーが鳥の鳴きまねをするやつさ」


と『ダイ・ハード』の原作でも紹介された映画です。


『ヨーク軍曹』はマジメにキリスト教を信じてる人が
映画を作るとこうなるんだなぁ~とか。
のどかな雰囲気がすごいなぁ~と思いながら見てました。






寺山修司=少女革命ウテナ

作中で寺山修司の詩について言及されていますが
寺山修司といえば少女革命ウテナの元ネタです。


寺山修司は影絵が好きなので、それの影響が
ウテナにもあると思います。


寺山修司といえば「天井桟敷」ですが
寺山修司と一緒に「天井桟敷」を作った
東由多加さんは柳美里さんとの関係で有名です。






宮本武蔵と押井守の宗教観?

『ゾンビ日記』にはそれなりに押井守の
宗教観が表れています。


一番、わかりやすいのが沢庵和尚の禅。


沢庵和尚といえば宮本武蔵に登場する
お坊さんです。







押井守は宮本武蔵のドキュメンタリー
『宮本武蔵 双剣に馳せる夢』を制作したり
『スカイ・クロラ』にも宮本武蔵の絵を出したり
したので、その縁で(?)沢庵和尚の禅の言葉を
『ゾンビ日記』にだしたのでしょう。







空手やってる押井守(笑)


宗教が武道と結びつくことって多い
んですよ。


押井守の場合、空手と禅の呼吸法をミックス
してる・・・かどうかはわかりませんが(笑)


でも、「剣の道」と「神道」の呼吸法は
相性がいいと冲方丁先生の『天地明察』にも
書いてあるではありませんか。






道徳や良心

『ゾンビ日記』には死生観や道徳や良心の問題も
出てきます、また宗教も絡めています。


「死と生の境界線」やら「人は人を殺せるのか?」
という問いには、良心からやはり人を殺すことは
できない、と私は思います。






吉本隆明

ただ、どうしても押井守の文章を読んでいると
吉本隆明を思い出します。


吉本隆明とは吉本ばななさんのお父さんです。


吉本隆明を敬愛してる人は多く、糸井重里や
安彦良和(ガンダムのキャラデザ)もそうです。


押井守も吉本隆明の影響を受け、『立喰師列伝』で
吉本隆明の詩を引用するほどです。






TYPE-MOON(型月)

あえて断定しますがTYPE-MOONと押井守の
文体に影響を与えたのが吉本隆明だと思います。


ただ押井守は直接に、TYPE-MOONは間接的にです。







TYPE-MOONは奈須きのこさん自身が
「笠井潔さんに影響を受けました」と
言っています。


この笠井潔さんも文体にクセがありますが(笑)
、この笠井潔さんに影響を与えた一人が吉本隆明
なのはまちがいありません。


どういうところが似ているかというと・・・
吉本隆明はよく「境界」とか「俯瞰」とかいう言葉を
よく使うんですよ。


そういうところなどが似ていると思います。







キレイなお姉さんは良いですね♪


これは『アサルトガールズ』で菊地凛子さんが出てます
が『ルパン三世』『ヤマト』に出る前の黒木メイサさん
もいます☆


次の記事は押井守と今敏の二大巨匠が
コンビを組んだ未完の大作『セラフィム』を
紹介したいと思います。


その次は現在3期が放送中の
『戦姫絶唱シンフォギア』と
『たまこまーけっと』を予定
しています。