mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

藤原定家和歌 【春の歌】その十四

2014-05-29 08:25:12 | 〈薄紅の部屋 (和歌)〉
ふりにけりたれかみぎりの杜若なれのみ春の色ふかくして


ゆく春をうらむらさきの藤の花かへるたよりにそめやすつらん


すぎてゆくま袖ににほふ山吹に心をさへもわくるみちかな


春のけふすぎゆく山にしをりして心づからのかたみとも見む


小松原春の日かげにひきつれて千代のけしきを空に見るかな


春霞いま行くすゑをおしこめておもふもとほきすみよしの松


みかさ山さしけるつかひけふくればすぎまに見ゆる袖の色々


里わかぬ春の光を知りがほにやどをたづねてきゐるうぐひす


をちこちのにほひは色にしられけりまきの戸すぐる梅の下風


春の日のひかりてります庭の面にむかしにかへる宿の藤波

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