mardidupin

記憶の欠片あるいは幻影の中の真実。

樋口一葉和歌 その四

2014-05-04 09:50:00 | 〈薄紅の部屋 (和歌)〉
我がおもふ人の宿には無くもがなかはりやすかるあぢさゐの花


ひきさししねやのつま琴かげみえて伊予簾のそとをゆく蛍かな


板びさしあれてもりくる月かげにうつるも涼しゆふがおの花


われはさは恋する身なり人ごとにきけるが如き物おもひそふ


うしとてもいかゞはすべき世の中はそむきかぬるぞ重荷なりける


まろびあふはちすの露のたまさかはまことにそまる色もありつや


何をして今日まであだに過しけん今年もそよぐ秋の初かぜ


いとどしく野分の風ぞいたましきうゑてほどなき庭の萩原


おのづからこぼれて生ひし種ぞとは見えぬ垣根のあさがほの花


中々にあれし垣根ぞおもしろきはひまつはれる朝顔の花

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