秋来りものの滅ぶを草の実の夕かぜすらも教へんとする
柱より裏白の葉を落し行く鼠けうとく寒き明がた
少女子の打つ皷よりはやりかにいろめく霰二月のあられ
正月やわたくし物の心地する青磁の瓶の紅椿かな
そぞろにも知らぬ世界の匂ひする臙脂の色の沈丁花かな
ある刹那ふためきて降りある刹那のどかに降りぬ春のあわ雪
山草の裏白の葉のかかるやと雪に思へるひがし山かな
紫の藤の花をばさと分くる風ここちよき朝ぼらけかな
紫の睡蓮の花ほのかなる息して歎く水の上かな
ここちよき朝の空かと思はるる矢車草の花ばたけかな
柱より裏白の葉を落し行く鼠けうとく寒き明がた
少女子の打つ皷よりはやりかにいろめく霰二月のあられ
正月やわたくし物の心地する青磁の瓶の紅椿かな
そぞろにも知らぬ世界の匂ひする臙脂の色の沈丁花かな
ある刹那ふためきて降りある刹那のどかに降りぬ春のあわ雪
山草の裏白の葉のかかるやと雪に思へるひがし山かな
紫の藤の花をばさと分くる風ここちよき朝ぼらけかな
紫の睡蓮の花ほのかなる息して歎く水の上かな
ここちよき朝の空かと思はるる矢車草の花ばたけかな
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