駅の上の休憩

　次の電車まで約10分ありました。
　無性にコーヒーが飲みたくなり、ホームの上にあるカフェへ。
　ホットコーヒー210円。店内は、ちらほらお客さんがいる程度です。
　座ってひとくち。
　熱すぎ、薄い。目をつぶって飲んだら、コーヒーか紅茶かわからないかもしれない。でも、こんなものでしょう。
　そんなコーヒーではあるけれど、ほっとします。次の次の電車で帰ろうか。
　少し迷いましたが、ここから1時間乗ります。さっさとコーヒーを飲み終え、階段を下りました。

男も日傘が欲しい

　店と店の軒先、わずかな日陰を歩きます。
　時折、開いたドアから、店内の冷気が流れてきます。
　考えることはみな同じ。前から、日陰だけを歩いて来る人と行き違います。
　日なたによけます。
　暑い。
　ずっとひさしが続いていればいいのに。
　それが日傘なのです。

ここはどこ？

　いつもはほとんど人がいない郵便局。
　公共料金の支払いに行くと、この日は3人が待っていました。順番発券機のカードを受け取り、椅子に座って待ちます。
　パステルグリーンの、少し固い椅子です。
　かすかにラジオらしき音が流れています。ガチャガチャ、お金を数える機械の音。奥の部屋では、何かを説明する声。
　ふと、病院にいるような気分になりました。待合室で、名前が呼ばれるのを待っている。
　「今日はどうしました？」
　2、3日前から咳が出て、熱があります。

頭の中は餃子でいっぱい

　前日テレビで、焼き餃子の店を特集した放送を見てから、しばらく焼き餃子気分になっていました。
　中華街の近くを通ったとき、ふいに焼き餃子気分がぶり返しました。
　買って帰ろう。
　ところが、中華街の店は、水餃子と蒸し餃子ばかり。焼き餃子の店が思い当たりません。
　ぐるぐると歩き回って、やっとお土産用の焼き餃子を売っている店を見つけました。
　店頭にチマキもあったので、一緒に買いました。

ダンスダンスダンス

　商店街を突っ切る道路を通行止めにして、ステージができていました。
　ダンスのパフォーマンスが行われるようでした。
　子どもたちのチアダンス、女性ばかりのフラダンス、フリースタイルの男2人、パントマイム。
　ぼくはリズム感が悪く、身体は硬く、ダンスに向きません。学校の授業にダンスがなくて良かった。
　そんな人間でも、ダンスを見ていると楽しい。
　一緒に踊って、と誘われても踊れないけれど、見ているだけで幸せな気分になるのです。