盛り上がっているところ

　夜の7時。
　窓の外で話し声、笑い声が聞こえました。
　近くから聞こえるので、隣りの小島さん家族でしょうか。友人が来ていて、ベランダで盛り上がっているようです。
　あまりに楽しそうなので、気になってカーテンを開けて外を見ました。
　工場の明かりがキラキラ見える、高い煙突のすぐ脇に、パッと光って消えた、花火。

本当に私は必要ですか

　電車のボックス席に乗り合わせた、スーツ姿の3人の会話が、自然と耳に入ってきました。
　電車を乗り継ぎ、千葉の工場で行われる会議に参加するようです。すべての部署が集まり、製品の専門的な話をするらしい。
　そのなかの1人は、製品の細かいことには関わらない部署らしく、わからなくて寝てしまうかもしれないとぼやいています。
　「頭がガクッと落ちないでくださいよ」
　テーブルに肘をついて頭を支えておきますよ。
　「終わったら（飲みに）行きます？」
　いやいや、遠いので、今日はすぐにドロンします。

このタイミングで

　傘を持ち、防水ブーツを履いて外出。
　しかし雨は降らず、次第に青空になっていきます。
　雨のち曇り。その曇りの始まりに外へ出たようでした。
　準備万端、さあどこからでもかかってきなさい。そういうときは、かかってこない。
　何の準備もできていないときに限って、不意をつかれ動揺します。
　金曜日の夕方に、突然入ってくる仕事とか。

たぶん元気なのだと思う

　マンションの掲示板の前で、渡辺さんに会いました。上階に住んでいるおばあさん。
　少し話しをすると、声の具合がいつもと違います。
　風邪でも引きましたか？
　「よく気づいたわね。こえわずらいよ」
　一瞬なんのことだかわかりませんでした。
　あっ、「恋煩い」の「恋」と「声」をかけたのか。
　そうですか、お元気そうですね。

キムチと見舞い

　プルコギ、純豆腐、ビビンバ、冷麺。
　韓国料理店で昼食です。
　メニューの写真がどれも美味しそうで迷いました。
　キムチが入っているのはやめておこう。このあと、病院へお見舞いに行くのです。
　石焼プルコギ丼を注文しました。
　前菜はビュッフェ形式。
　ナムル、トッポギ、キムチ。キムチをたっぷり皿に盛って席へ戻ると、連れの皿もキムチが山盛りになっていました。
　さっきキムチはやめようと言ったのに。