靴ひもをめぐる親と子の話

　イタリア映画祭の映画を見ました。
　オンラインで。
　もともとはライブ会場での上映だったのですが、緊急事態宣言のためオンラインだけになりました。
　見たい映画のチケットを事前に購入し、電車に乗って会場へ行く。これまで当たり前のことが、この1年でだいぶ億劫になってしまいました。
　好きな時間に家で見られるのは楽です。
　いままでレンタルをせず、ネット配信の映画も見ないで、なるべく映画館へ行くようにしていたのに、この甘い道を知ってしまったのが怖い。　　
　ところで、見た映画というのが…。

想像してみる

　シューズボックス（下駄箱）の中を掃除しようと、靴を全部ベランダに出しました。
　一面に広げると、ものすごい数の靴が入っていたのだと知ります。
　これだけの人が一度にやってきたら、部屋の中は立錐の余地もなくなるでしょう。
　かろうじて床に座った人たちに、お茶をリレー式で手渡してもらいますが、とても寛げはしない。
　その前にカップの数が足りません。

雨など降るもをかし

　洗濯物の部屋干しは、湿度が一気に上がって床がべとつく感じ。
　エアコンで除湿をすると、湿度が下がった気はするけれど、室温も下がります。
　Tシャツ1枚でちょうどよかったのに、寒い。
　何か着よう。
　薄い麻のセーターがありました。
　抜群に暖かいわけではないが、冷たい空気が肌に触れず寒さを感じません。
　麻の肌触りが心地いい。
　夏は麻だ。

ご苦労様と言う

　洗濯したシャツをハンガーに干しているとき、襟が切れていることに気づきました。
　この切れ方は、しばらく前からのように見えます。
　襟の切れたシャツを着て街中を歩いていたのです。
　パンクだ！　ファッションだ！
　心の中で叫びます。
　叫んだところで、このまま着続けるわけにはいきません。
　細かく切って雑巾にするか。
　いや、ちょっと待て。
　調べると、切れた襟を元どおりにしてくれるリフォームサービスがあります。
　いや、ちょっと待て。
　それほど思い入れのあるシャツではなし、高価でもなし。

週末はここに行きます

　通販で買った商品が届き、箱の中に薄い新聞のような紙が入っていました。
　京都の京田辺市の案内。
　京都とはなんの関係もないものを買ったはずなのに。
　おそらく商品を扱っている会社が京都にあるのだろうと、案内に印刷されているQRコードを読み込むと、確かにそうでした。
　周辺の銘品、茶畑、寺、自転車レース。
　そうだ、京都へ行こう。
　そんな身軽だった日々が懐かしくなります。