予想外の混雑だったのか

　残っていた年賀状をポストに投函し、これで今年の仕事は終わったようなものです。
　食材の買い出しにデパートに行きました。
　休憩スペースの前を通ると、椅子に座りサイドテーブルに何かを広げている人がいました。
　年賀状を書いています。
　テーブルの反対側にいるのは、その人の連れ、50代くらいの夫婦のようです。
　テーブルは椅子と同じ高さで低く、腰を曲げて作業をしています。
　カフェで書こうと思って持ってきたのかもしれません。
　きっとどこも満席だったんだ。

タイムリミットがある

　大掃除、最後は仕事机の上です。
　掃除の基本からすると、上から下へですが、大変な床のワックスがけを先に済ませました。
　あとはゆっくり、こまごましたものを片付ければいいだけです。
　机の上の物を、一度全部となりの机へ移動します。
　天板を雑巾で拭きます。
　物を元の場所へ戻す前に、必要なものなのかを調べます。
　一番厄介なのは手紙や書類。
　丁寧に見ていくと、半分はゴミになりました。
　しばらくとっておこう。
　そのしばらくの期限が切れたのです。

最後のご褒美

　近所の寿司屋は、年末は持ち帰りだけで営業を続けていました。
　ちょっと奮発して高額の握りを注文。
　店内の入り口に近いところに座り、いただいたお茶を飲みながら待ちました。
　ここからは外の様子がよく見えます。
　店に入ろうとして、入り口の張り紙を見てやめる人。
　何も見ないで引き戸を開け、いつもと違う様子に気づく人。
　年の瀬、お酒を飲みながら、握ってもらった寿司をつまむ。
　それを楽しみに掃除を頑張って済ませてきたのに。
　そんな嘆きが聞こえた気がします。

休むときは休む

　会社は年末年始の休みに入りますが、私は自宅で仕事をします。
　そんなメールが仕事先の人からきました。
　つまりどういうことかというと、正月でもぼくに仕事をしてくれということです。
　やんわり断りました。
　ずっとリモートで仕事をしている人なので、プライベートの時間との区別がつかなくなってしまったのでしょうか。
　明日、仕事の材料を送りますね！
　断ったはずなのに、伝わらなかったようです。
　空しい。

いつまでも一緒

　君は側にいてくれるだけでいいんだ。
　そんな甘い言葉を、書棚の本に向かって呟きます。
　買って10年を過ぎるのに、まだ1ページも読んでいない本がたくさんあります。
　それでも、その本があるだけで満足なのです。
　読んでみたら、恐ろしくつまらない本もあるかもしれません。
　そしたらさよなら。