いまどんな状態

　歯科医院で歯の掃除をしてもらった帰り道、口の中に血の味がしました。
　味とはいっても、美味しいとか不味いとかとは別のもの。
　これから昼食をとろうというのに、この味は何の参考になりません。
　定食屋の前で見かけたメニューに刺激され、トンカツの口になった、鯖味噌の口になったというのはよくあることですが、血では何の口にもなりません。

仕掛けられた流行ではなくて

　最近、同じ店のパンばかりを食べています。
　バゲットとパンドミを買ってきて、冷凍庫に保存しておきます。
　それを毎日少しずつ解凍して焼いて食べます。
　なくなる前に、また同じものを買ってきます。
　これをブームと呼ぶのでしょう。
　あるいは、はまっていると。
　その店のパンを最初に食べたのは何年も前のことです。
　でもその時はハマりませんでした。
　好みが変化したのでしょうか。
　きっといつの日かブームは去ります。
　流行り廃りを決定するのは、この場合ぼく自身です。

これだけが人生の楽しみ

　いつも買っているコーヒー（粉）が値上げしていました。
　もうコーヒーは買わないという選択肢は、ぼくにはありません。
　550g入りなので、一杯あたりの粉の量を減らせば、家計に与える影響は少ないでしょう。
　でもそのうち、いままでと同じ量を使うようになります。
　そのうち値上げしたことを忘れます。
　そのうち、コーヒーを飲まなくなる日がくる、とは思えません。

てっきり花粉症かと

　ゴロゴロ不快な目を、眼科医に診てもらいました。
　角膜が傷ついていました。
　軟膏を塗ってもらうと、一瞬にして痛みがなくなりました。
　ただ、視界がぼやけます。
　薬局で書類に記入していると、ぼやけて書いている文字がはっきりしません。
　汚い字だ。
　でも、はっきり見えていても汚い字しか書けません。

うっかり開けたら

　いま宅急便って言ったかな？
　ちょっと疑問に感じながら玄関の扉を開けると、見知らぬ男が立っていました。
　待ちかねていた荷物が届く時間、インターホン越しに聞いた名前は「ヤマト」でも「サガワ」でもなかったのです。
　不用品の買取をする業者でした。
　「下の階の人から、動かない腕時計を2万8000円で買い取りました。なんでも高く買い取ります」と言います。
　なんか怪しい。
　何もないですと断って帰ってもらうと、ちょうど宅急便の配達が来ました。
　ヤマトさんと間違えて玄関開けちゃいましたよ。
　いつも配達に来る人の姿は、安心感がありました。