探しものは見つかるはず

　坂の上のパン屋へ行こう。
　焼きたての食パンを買おう。
　紙袋を用意しよう。
　ストックをガサガサ。
　ちょうどいい大きさの袋が見つからない。
　長さはいいけれどマチが狭い。
　大きすぎる、小さすぎる。
　やっと見つけたものは、ほかの食パン専門店の袋。
　これを持っていくのは気が引ける。
　ガサゴソ探し、無印良品の紙袋に決めました。

仕事が増えてしまう懸念

　ビニールのかかった文庫本が書店に並んでいました。
　サイン本とか付録付きとか？
　手に取ってひっくり返して、表4にシールが貼ってあるのがわかりました。
　消費税を加えた総額表示をするためです。
　いままでは本体+税だけでよかったのに、これからは本体+税10%の合計額を表示しなくてはいけません。
　税率が変わったとき、印刷してあるカバーは巻き替えるのか、それともシールを貼るのか。
　いまはきれいに剥がせるシールがあるから良かったね。
　なんて呑気に言っていられるのは、ぼくはシールを貼る仕事をしていないからです。
　大量の在庫を目の前に、今日は残業だなと呟くこともありません。

手を振ってお別れ

　マイクロバスに揺られ、埋立地の突端近くまで来ると、左手に水平線が見えてきました。
　東京湾の先、小雨の中かすかに見える工場らしき影は、川崎のコンビナートでしょうか。
　晴れていたら、きっと気持ちのいいところです。
　バスが着いた場所は、大きなガラス張りの建物の前。
　柱に大きな数字が書かれ、前方にも「2」「3」と番号が続いていて、空港のエントランスを思わせました。
　旅立ちとお見送り。
　故人の行き先は海外旅行ではないけれど、旅立ちにふさわしい建物にしたのかもしれません。

最終手段

　読めない漢字でさえ、最初に調べるのはネット。
　わからないことは、まずネットで調べる。
　そんな習慣がすっかり身についてしまいました。
　ときどき、ネットでは答えが見つからないことがあります。
　どんなワードを入れても、期待通りのものが出てこない。
　どうするか。
　知っていそうな人に電話する。
　でも、そんな人は周りにいません。

目利きではないので

　ブックオフに売ったCDの中に、3000円の値がついたものがありました。
　「あまりいい演奏じゃないけれど、聴く？」
　そう言って知り合いにもらったクラシックのCD。
　演奏の良し悪しはぼくにはわかりません。
　ただ、ぼくの好みではなかったので、数回聴いただけ。
　だいぶ古いので、値がつくのかわかりませんでした。
　それがこんなに高く売れるなんて。
　次は価値のわかる人の手に届くように。