まいにち

まいにちは書けません

離れない情景

2018-10-05 18:24:18 | 日記
 駅から10分ほど歩くと、広い空き地があります。
 かつてここには、電機メーカーの工場が建っていました。
 幅の広い門の隣りには、警備員が詰める受付がありました。その平屋の、古いスレート屋根が好きでした。
 敷地を囲む長い塀に沿って歩くと、ノコギリの歯に似た屋根が並んでいるのが見えました。自然光を取り込むための、その形状も好きでした。
 社員ではなかったので、この工場の中に入ったことは一度もなく、深い思い入れなんてないのです。
 でも、何もなくなってしまった更地を見ると、当時の姿が思い出されます。
 経験していないのに、盆踊りや秋祭りの情景が、なぜか浮かんでくるのです。