最初から負けていた ~勝利のカギ~【K's EYE】

2009-12-23 22:39:30 | K's EYE
 民主党の目玉政策の一つにあげられるのが農業政策ですが、
 全国の米農家を対象とした戸別所得補償制度の詳細が、今日発表されました。

 予算が当初の要求通り認められたことを受け、
 10アールあたり1万5千円が定額給付されることとなりました。

 近年、米の販売価格の下落により、生産コストが販売価格を上回ってしまい、
 作れば作るほど赤字になってしまう農家が増えていたようで、
 これを打破するための政策として、期待が寄せられているようです。

∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴

【今日のちょっといい話】

◇最初から負けていた ~勝利のカギ~

 数が勝利をもたらすことが多い。
 だがその数よりも勝利の要素がある。
 団結である。
 天下分けめの関ヶ原の合戦が、雄弁にそれを物語っている。

 徳川家康ひきいる東軍と、石田三成の西軍とでは、
 東軍が明らかに劣勢だった。
 明治時代、日本陸軍の指導にきていたドイツ軍の参謀が、
 関ヶ原の配置図を見て、
「西軍が負けたとは、信じられない」
 と語ったエピソードがあるほどだ。

 両軍あわせて十万挺(ちょう)の鉄砲を集中した、
 当時としては、世界最大の戦闘である。
 その火力においても西軍が勝っていた。
 にもかかわらず、西軍が、なぜ破れたのか。

 戦争の勝敗に決定的要素となる団結が、東軍に劣っていたからである。

 統率者の石田三成に人望がなく、
 加藤清正、福島正則といった秀吉子飼いの猛将たちに造反されてしまった。
 加えて淀君(よどぎみ)と、
 秀吉の正室である北政所(きたのまんどころ)の確執が、
 関ヶ原における西軍の小早川秀秋の裏切りを呼んだ。

 こんな状況では、最初から西軍は負けていたのと同じである。

 第二次大戦で独裁者ヒットラーのドイツが敗れたのも、同じことがいえる。
 一九四四年、ヒットラーは国防軍のしかけた爆弾で、
 あわや暗殺のピンチに立った。
 カナリス軍情報部長や、空軍大佐のゲーリングさえ、
 アメリカと通じあっていたのである。

 人望がなかったのは、ヒットラーばかりではなかった。
 戦争中、ナチスドイツの幹部が、女の問題でケンカをしていたという。
 原因が女であれなんであれ、
 最も団結を要する戦いに、幹部が不統一だということは、
 戦わずして負けたも同然だ。

 関ヶ原の西軍も、ナチスドイツも、
 団結という勝利のカギを失っていたのである。


【編集後記】

 千葉県市川市で2007年、イギリス人英会話講師が殺害された事件で、
 罪に問われていた市橋達也容疑者が、
 今日、殺人と強姦致死の罪で千葉地裁に起訴されました。

 どうやらこの事件は裁判員裁判の対象となるそうで、
 マスコミなどの影響も気になるところですね…。

最新の画像もっと見る