情けは人の為ならず~信長と家康~【K's EYE】

2010-02-12 23:15:19 | K's EYE
 先日の世界経済フォーラム・ダボス会議でも話題になっていましたが、
 ギリシャが大変な財政危機に陥っているようですね。

 政権交代により、GDP・国内総生産の12.7%にもあたる、
 巨額の財政赤字を前政権が隠していたことが発覚し、

 ギリシャ政府は対策として公務員や社会保障費の削減を打ち出しましたが、
 これに反発して50万人規模のデモが発生するなど、
 大変な混乱を招いていました。

 事態を打開するためにEU・欧州連合は今日、臨時の首脳会議を開き、
 ギリシャの再建を支援する方向で一致しました。

 世界経済に与える影響も大きいだけに、
 いち早く解決することを念じています。

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【今日のちょっといい話】

◇情けは人の為ならず
  ~信長と家康~

 織田・徳川連合軍と戦い、武田勝頼(かつより)が、
 天目山(てんもくざん)で討ち死にしたときのことである。

 勝頼の家来が、主君の首級をもって信長の実検に差し出した。
 勝頼の首をにらみつけて信長は、
「汝、若輩の身をもって、天下の豪将たる信長に敵するとはふらち千万なり」
 と怒鳴って、勝頼の首を思い切り蹴とばした。

 そこに居合わせた、勝頼の家来たちは言うに及ばず、
 明智光秀なども、信長の冷酷さに肝を冷やしたことであろう。

 勝頼の首級は、次いで家康の元へ運ばれた。
 あらかじめそのことを知って家康は、仏前に灯明をあげ香をたき、
 衣装を整えて待っていた。

 家来が差し出した勝頼の首を家康はつくづく眺め、
 両眼よりはらはらと落涙し、さながら生ける人に対するがごとく語りかけた。
「戦いの常とはいいながら、まことに悲しいことである。
 これも武門の習い是非もない。
 なろうことなら貴殿と手をとり合って、戦物語でもしたいと思っていたが、
 武運つたなく貴殿は果てられた」
 勝頼の首級にとりついて、家康は男泣きに泣いたという。

 情けは人の為ならず。
 武士といえども強いばかりが能ではない。

 最も目をかけた光秀のために、
 四十九歳の生涯を火中に葬るという非業の最期を遂げた信長と、
 徳川三百年の基礎を築いた家康の相違は、
 決して偶然ではなかったといえよう。


【編集後記】

 いよいよバンクーバーオリンピック開会まで12時間をきりました。
 日本選手団も現地での調整を進めているようで、
 メダル獲得に期待したいですね^^

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