シャアシャアとしゃべくりまくる 丸ごと口だけの妖怪【K's EYE】

2010-02-23 22:59:35 | K's EYE
 国会は野党自民党が審議拒否を続けていますが、
 今日から衆議院本会議で、民主党の看板政策、
 子ども手当て法案が審議入りしました。

 主要な議論にまで審議拒否を続ける自民党、
 果たしてどの段階で審議に復帰するのか、注目したいと思います。

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【今日のちょっといい話】

◇シャアシャアとしゃべくりまくる 丸ごと口だけの妖怪

 昔、ある所の二人の僧。
 同じ年に生まれ、同じ時に同じ師につかえ、
 いつも同じ所で同じ教えを学び、
 同じように偉くなって、説法して回り、有名になった。

 ある晩一人が、しみじみと話しかける。
「おまえとオレは今までは何事も一緒だったが、死ぬ時は別々かもしれぬ。
 早く死んだほうが生きている者の夢枕に立って、
 生まれ変わって、何になったかを知らせることにしようじゃないか」

「それは面白いアイデアだ。
 かりに一人が天人に生まれたら、
 次に死ぬ者も同じ天人に生まれるわけだからなぁ」
 二人は固く誓い合った。

 間もなく一人の僧が急死した。
 悲しみながらも残った僧は、そろそろあいつが夢に現れる頃だと待っていた。
 しかし一年たっても音沙汰がない。

“あいつ、約束を忘れやがったな”と思いながら休んだ夜、
 大きい図体の奇妙な姿が夢に現れ、こう言った。

「約束どおり知らせに来た。
 エンマの調べが意外に長引いて、ようやく今判決が出たのだ。
 ご覧のとおりオレは、口だけの野槌(のづち)になってしまった。
 情けないありさまだ。
 おまえも必ず野槌になるぞ。
 できもせんことを口先だけで、シャアシャアとしゃべくりまくった結果だと
 判決にはあった」

 さめざめと野槌は悶え泣いたが、目がないので涙は一滴もでなかったらしい。
 野槌というのは、古代中国の伝説によると大きな軟体で、
 目も鼻も手足もなく全体が丸ごと口の奇怪な動物だという。
 グロテスクも、ここに極まるというべき代物である。

 テレビの放談などで、
 誉れ高いといわれる人達の速射砲のような饒舌(じょうぜつ)を聞くと、
 まことに華やかで立派だが、
 この人たちも野槌になるのかと思うと、そぞろ哀れである。

 自戒すべきこと。


【編集後記】

 バンクーバーオリンピックも今日で11日目となりましたが、
 メダルの期待がかかっていたスキージャンプの団体は、
 ベテラン葛西が140mの大ジャンプを決めたものの、
 結局第5位に終わりました。

 カーリング女子もショットが冴えずスイスに完敗、
 準決勝進出もかなり難しい状況となりました。

 あとは女子フィギュアに最後の望みを託したいところですね。