こうまでしてくださらないと分からぬ私でありました【K's EYE】

2010-02-04 19:06:11 | K's EYE
 民主党・小沢幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地取引問題で、
 今日の午後、虚偽記載に関わった石川知裕衆議院議員ら3名が、
 政治資金規正法違反の罪で起訴されました。

 小沢氏本人に関しては、関与していた決定的な証拠がなかったため、
 嫌疑不十分で不起訴となりました。

 果たしてこのまま、元秘書の虚偽記載ということだけで終わるのか、
 捜査の進展に注目したいと思います。

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【今日のちょっといい話】

◇こうまでしてくださらないと分からぬ私でありました

 釈尊在世中、キサーゴータミーといわれる麗しい女性がいた。
 結婚して玉のような男の子を産んだ。
 命より大切に育てていたその子が、突然の病で急死した。

 彼女は狂わんばかりに愛児の亡骸を抱きしめ、
 この子を生き返らせる人はないかと村中を尋ね回った。
 会う人見る人、その哀れさに涙を流したが、
 死者を生き返らせる人などあろうはずがない。

 だが今の彼女に、何を言っても無駄だと思う人たちは、
“舎衛城(しゃえじょう)にまします釈尊に聞かれるがよい”と教える。

 早速、キサーゴータミーは釈尊を訪ね、泣く泣く事情を訴え、
 子供の生き返る法を求めた。
 憐れむべきこの母親に釈尊は、優しくこう言われている。

「貴女の気持ちはよく分かる。
 愛しい子を生き返らせたいのなら、私の言うとおりにしなさい。
 これから町へ行って、今まで死人の出たことのない家から、
 ケシの実を一つかみ貰ってくるのです。
 すぐにも子供を生き返らせてあげよう」

 それを聞くなりキサーゴータミーは、町に向かって一心に走った。
 どの家を訪ねても“昨年、父が死んだ”“夫が今年、亡くなった”
“先日、子供に死別した”という家ばかり。
 ケシの実はどの家でも持ってはいたが、
 死人を出さない家は何処にもなかった。

 しかし彼女は、なおも死人の出ない家を求めて駆けずり回る。
 やがて日も暮れ夕闇が町を包む頃、
 もはや歩く力も尽き果てた彼女は、トボトボと釈尊の元へと戻っていた。

「ゴータミーよ、ケシの実は得られたか」
「世尊、死人のない家は何処にもありませんでした。
 私の子供も死んだことがようやく知らされました」

「そうだよキサーゴータミー。
 人はみな死ぬのだ。
 明らかなことだが、分からない愚か者なのだよ」

「本当に馬鹿でした。
 こうまでしてくださらないと、分からない私でございました。
 こんな愚かな私でも、救われる道を聞かせてください」

 彼女は深く懺悔し、仏法に帰依したという。


【編集後記】

 場所中の暴行問題で処遇が話し合われていた、
 大相撲の横綱朝青龍関が、今日、自ら引退を表明しました。
 問題が多かった横綱ですが、引退してしまうとなると淋しいものですね。

 本人は精神的なダメージをかなり受けたと言っていましたが、
 強さだけでなく、常に「品格」を求められる、
 横綱ならではの重圧があったのでしょうね。。