夜の十二時以後毎日参上致します 倦まずたゆまぬ不屈の精神【K's EYE】

2010-02-16 23:33:19 | K's EYE
 盛り上がってきたバンクーバーオリンピックですが、
 今日はついに日本勢初のメダルが出ました!

 日本の“お家芸”スピードスケート男子500mで、
 長島圭一郎が銀メダル、加藤条治が銅メダルを獲得、
 この種目で前回メダルが取れなかった雪辱を果たしました。

 今後の日本のメダルラッシュに期待したいですね^^

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【今日のちょっといい話】

◇夜の十二時以後毎日参上致します 倦まずたゆまぬ不屈の精神

 かの江戸城、無血開城の功労者・勝海舟は、すごい勉強家でも知られる。
 長崎で外国の軍艦に乗り組み実地に研究して、
 西洋の兵学の必要性を痛感し江戸へ戻ってきた。

 ある日、某書店に立ち寄ると新刊の兵学の洋書が目にとまった。
 砂中に宝石を発見したように喜んだ彼は、その代価を尋ねると五十両という。
 海舟には、驚異の大金である。
 しかし、この書を逃しては航海者に灯台のないのと同じと思った海舟は、
 八方工面した金を持って、書店へ駆けつけた。

 ところがなんと“昨日売れてしまった”と店主が言う。
 一度は落胆したが、その購求者は四谷大番町の
 某(なにがし)であることが分かった。

 早速訪ねて“ぜひ、お譲り下さい”と懇願したが
“ゆずるくらいなら買いはせぬ”と、すげない返事。
 ひと思案した彼は、ならば毎日参上するから、
“ぜひ書写させていただきたい”と両手をついた。

 うるさい奴と思ったが、あまりの熱意に動かされて
 夜の十二時以後ならばと、しぶしぶ承諾する。
 海舟は厚く喜びの礼をのべ、十二時以降の来訪を依頼し帰宅した。

 本所(ほんじょ)の錦糸堀の彼の住所から、大番町までは八キロもある。
 よほどの健脚でも大変なのに深夜の勉学だから容易なことではない。
 彼はしかし、豪雨も暴風の夜も寒中も通い続け、
 八冊の大部を写し終わるのに二ヵ年余りかかっている。

 初めは面倒くさいと思っていた主人も、
 月日を重ねるにつれて、倦(う)まずたゆまぬ彼の不屈の精神に感服する。

 手元にありながら、未だに読み切れないこのような書籍を、
 我々ごとき凡眼の元に置くのは勿体ない、
“貴下に贈呈したい”とまで申しでた。
 すでに写了させていただいたのだからと、深くご芳志(ほうし)に感謝し、
 彼は辞退したという。


【編集後記】

 日本の調査捕鯨に反対している、
 反捕鯨団体シー・シェパード(SS)が度々妨害をしているようですが、
 今回は日本の調査捕鯨船にメンバーが侵入し、
 ちょっとした問題になっているようですね。。

 侵入したのは、先日第2昭南丸と衝突して大破した、
 小型高速船アディ・ギル号の船長だそうで。
 捕鯨の反対のためだけにそこまでさせるものは何なのでしょうか^^;