映画のせかい

私が最近見た映画 ※ネタバレあり

レッド・ドラゴン #130

2004-12-15 | ら行映画
2002年 アメリカ 124分 Red Dragon

相変わらずの緊張感だ。あの空気、あの恐怖が戻ってきた。それがどこから来ているのか、異常な殺人鬼からなのか、音楽からか、それとも彼、そうドクター・ハンニバル・レクターからなのか、とにかく「羊からの沈黙」シリーズの独特の世界が再現された。

今回は、FBI捜査官ウィルがレクターを逮捕するシーンから始まる。前作が監獄に入ったレクター博士で出てくるので彼が逮捕された事実は当然のことなのであるが、意外とあっさり捕まってしまった感じもした。しかし人肉を食すパーティーシーンでは圧倒的な威圧感を誇示、逮捕した捜査官を讃えるべきだろう。

そして今回はその逮捕した男・エドワード・ノートン扮するウィル・グラハムが、「トゥース・フェアリー-歯の妖精」と呼ばれる猟奇殺人者を追い、レクターの助言を求める話である。檻の中と外で対峙するシーンではレクターの存在感が光る。「羊からの沈黙」と同じ構造だ。

そしてウイリアム・ブレイクの絵にインスパイアされた殺人を犯す猟奇殺人者にレイフ・ファインズ。一見繊細そうで助けてあげたくなるような雰囲気だが、ゾンビのごとくしつこく狙い続けるサイコな役。題名のレッドドラゴンとは麻雀牌の「中」のことで、彼が残した記号でもある。盲目の彼女との恋愛は叶えてあげたかった。

ラストの対決シーンまで目が離せない緊張感でぐいぐい引っ張られていく。「羊たち~」を超えたという評判も高い続編。時系列では1作目にあたる。アンソニー・ホプキンスがレクター役を引き続き務めている。

『刑事グラハム / 凍りついた欲望』のリメイク版。

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3 コメント

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Unknown (フィジカルプランナー社長)
2005-01-10 15:37:00
コルホーンの徹底

危機感さえあれば人は、生き延びるために、自らの事情を優先するより先に現状把握と状況判断に勤しむことになるだろう。



その際における判断力と行動力は、通常の人知の範囲を凌駕する。



がしかし、「飢え」を知ることが恐ろしく難しい現代において、怠惰な僕はどうやって能力を磨けばいいのだろう。







「ラビナス」という実際にあった人肉食事件を元につくられた映画において、ロバート・カーライル扮する山中で遭難し、たった一人生き延びた男コルホーンは芸術ともいえる能力を発揮する。



この映画、主演はコルホーンと対決するガイ・ピアーズなのだが、僕にはコルホーンの人間としての美しさしか頭に残っていない。



彼の美しさ、それは彼が生き延びた要因にも起因している。



「欲」だ。



倫理的に言えば、彼の欲は常軌を逸している。



が、善悪を彼岸においてみれば、その欲を満たすために彼が徹底した行動はまさに芸術だ。



後半になるにつれ神懸かり的な要素が加わり少し滑稽になるのだが、前半部分のコルホーンは恐ろしく、そして美しい。



ちなみに、ハンニバル・レクターもセクシーだと思うことを否定はしないが、

僕には決して人肉を楽しむ趣味は、まだない。

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こんにちは~ (Ray)
2005-02-20 00:01:43
ビデオ編集屋の犯罪映画はこれのことだったのです!

このシリーズはよかったですね。

私的には1=3→うんと離れて2・・・という感じでしょうか。



レクター博士の独特な雰囲気。

限りなく正常に近い、偉大な狂人。

捕まえた、グラハム捜査官が「エライ」と褒め称えるに値します!



本当に今回の犯人には同情する面があり、

「もうそのままで・・・」と思ってましたが、映画的にはそんな簡単なものじゃないですね。



>『刑事グラハム / 凍りついた欲望』のリメイク版で、アンソニー・ホプキンスがレクター役



これは知りませんでした。

観たいですよ!
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Unknown (映画のせかいマスター)
2005-02-20 09:02:47
おお、そうでした。2ヶ月前の記事なのにすっかり忘れていました。ビデオ会社・・で引っかかってはいたのですが・・・。私もハンニバルはイマイチのれませんでしたねえ。続編ならああでしかあり得ないはずなんですけど。まったく視聴者とはわがままなものです(笑)



あ、それと文中紛らわしい表現で失礼しました。『刑事グラハム / 凍りついた欲望』にアンソニー・ホプキンスは出ていません。でも面白いと思いますよ。
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