映画のせかい

私が最近見た映画 ※ネタバレあり

チルソクの夏 #293

2005-04-12 | た行映画
2003年 日本 114分

いいねー青春映画。主演の水谷妃里ちゃん、澄んだ瞳がキラキラ輝いてます。

主人公が1977年に下関釜山友好陸上競技大会で出会った韓国人の彼との淡い恋を振り返るところから始まり、26年振りに下関で再会するラストまで、透明感のある映像が誰もが通ってきた青春時代を浮き彫りにして、美しい思い出に浸れること間違いなし!

・・・

ヒロインの郁子はなんにも持ってない。朝の新聞配達に行く際帰ってくる父(山本譲二、下関出身!)は流しの歌手だが、最近導入されてきたカラオケ機器に押され仕事がない。進学したいけど経済的理由からそれも覚束ない。でも陸上部の仲良し4人組は心を許せる親友だ。

下関釜山友好陸上競技大会で目をつけた韓国の高飛びの選手アン君と、心を通じた郁子はトイレットペーパーに口紅で住所を渡し、日本語と韓国語での文通が始まる。新聞配達の途中に手を合わせる海沿いの神社にも、来年の七夕(チルソク)の競技会でまた会えることをお祈りする。

・・・

今でこそヨン様だが、77年と言えば日韓の溝が深く戦争の敵対国のイメージが残っている時代。日本語の歌も禁止されてる。アン君の母親は弟を日本兵に殺されたと反対する。郁子の父も朝鮮人だけはダメだと言い張る。今の世代には関係ないことなのに、とつぶやくアン君に、大人の影を見た郁子は夜中抜け出した火の山公園で・・・。

歩道の方の関門トンネルや関門橋をバックに、当時の歌を主人公たちが口ずさむのが、とても懐かしかった。部屋でラジオを聴きながら歌うツイストの「あんたのバラード」、夜のベランダで歌う山口百恵の「横須賀ストーリー」、流しの父がスナックで歌う「津軽海峡冬景色」、交流会で歌う「カルメン77’」に「なごり雪」。

韓流が流行りの昨今、ちょっと前の時代に戻って日本と韓国の関係を見直してみるにはとてもいい映画です。

最新の画像もっと見る