江戸川区議会議員 間宮由美のblog * ひとりじゃないよ。プロジェクト*

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待機児解消・認証保育所などへの保育料補助・子育て新システムは国に対して中止を求めよ(本会議質問)

2010-11-30 | 保育園・幼稚園のこと

◆十三番(間宮由美 君) 第一に、保育問題について三点お聞きします。

 

一点目は待機児解消についてです。

保育園の入園状況を見てみると、今年四月には二千五百五十七人が入園できました。しかし、八百五十八人は不承諾となり、入園することができませんでした。その後、入園できない子どもは毎月百人ずつ増加しており、十月時点では千四百四十七人の子どもが認可保育園に入りたいのに入れずにいる状態です。来年度には二カ所増設される予定ですが、それでは全く足りません。

賃金の減少、仕事の減少により、夫婦二人で働かざるを得ない。あるいはひとり親家庭で二、三カ所かけ持ちをして働いている親御さんも増えていることは、江戸川区の区民世論調査や私たち区議団のアンケートからも、容易に読み取ることができます。しかし、保育園に子どもを預けなければ働くことができず、生活保護に頼らざるを得なくなることもあります。待機児童の解消は区財政の上からも喫緊の課題であり、認可保育園の増設がさらに求められます。また、認可保育園増設に当たっては、区立保育園や社会福祉法人などによる認可保育園を基本とすべきと考えます。

九月の定例会で区長は、「企業立の保育園でも、保育の内容が担保されれば一向に差し支えない。行政としてそれが担保されるべく、十分な努力、監視をいたします」と答弁されました。しかし、寄せられる御相談からも、また先日福祉健康委員会の視察で確認した内容からも、不安や疑問は残ります。

四月に開園してわずか六カ月の企業立保育園では、救急車の出動が二件あったとのこと。また、三人の保育士が既に退職、あるいは異動をしています。さらに児童においても七人が転出をしています。そこにはどのような理由があったのでしょうか。子どものために頑張っている保育士と、この保育園に預けた子どもたちが健全に育ってほしいと願う保護者の皆さんのためにも、理由をひもとくことが必要ではないでしょうか。

 企業であれは、利潤追求は当たり前です。しかし、お金はかかってもしなければならないこと、削ってはいけないことがあるはずです。子どもの心と体を健やかに育てるためには、経験豊かな保育士とみずみずしい感性の若い保育士、そしてさまざまな役割を持つ職員の存在とともに、安全に保育のできる環境が不可欠です。働きながらの子育てをしっかりと支え、今を生きる子どもたちの保育に責任を持つために、区立保育園、社会福祉法人の認可園を基本にした保育園の増設を求めます。待機児解消のためのさらなる具体的な計画についてお聞かせください。


二点目は、認証保育所など、認可外保育施設を利用する保護者への保育料補助の実施について
です。

これまでも繰り返し要望してきましたが、実施をしていないのは二十三区では江戸川区だけになってしまうということが明らかになりました。今年始めに保育料補助を行っていない区は江戸川区と豊島区の二区でしたが、その一方の豊島区が、来年度から何らかの形で実施すると公表したのです。
また、ゼロ歳児保育についても、江戸川区は二十三区の中でただ一つ区立保育園で行っておらず、区が推し進める民営化の受け皿である十二カ所のおひさま保育園でも実施はしていません。保育ママが足りない地域も多く、ゼロ歳児の保育を希望する保護者は、認証保育所や認可外保育施設を利用せざるを得ません。十二月一日現在、ゼロ歳から就学前まで、八百八十二人の子が利用しています。

ところが、認証保育所の保育料は週五日一日八時間の場合、平均で月額五万円前後、中には七万円以上となる保護者もいます。お金があるから預けられるのではありません。「働いた半分が保育料で消えてしまう」と、悲鳴に近い声が寄せられています。

昨年の福祉健康委員会には、江戸川区の全認証保育所でつくる運営者協議会から補助金を求める陳情が出され、議会としても全会一致の趣旨採択となったところです。今年度は保護者からの陳情も出されています。認可保育園に入れなかったために、その受け皿としても江戸川区の保育を担っている認証保育所を含めた認可外保育施設利用の保護者に対して、直ちに保育料補助を行うことを求めます。いかがでしょうか。


三点目は、政府の出した子ども・子育て新システムについて
です。各地で反対の声がわき起こり、子育て不安の増大、幼稚園教育や保育の質の低下などが指摘されています。十月には保育所や幼稚園の関係者、保護者、研究者など、子どもの健やかな成長・発達を願う人たちが集まって、「新システムに反対し保育をよくする会」が発足。日本の保育、子育てをよくするためのアピールを出しました。

大きく変わるのは、市町村の保育実施義務がなくなることです。現在は児童福祉法で市町村に実施義務があり、保育に欠ける子どもに保育を提供しなければならないことになっています。そして、保育料は親の収入に応じて決められる応能負担です。
ところが新システムでは、市町村の責務は保育の必要度の認定と保育者向けの補助金支給などに限定されます。介護保険における要介護度認定と似たような形です。保育の供給は現在認可制ですが、株式会社やNPOなどの参入を促進し、基準を満たせば参入も撤退も自由という事業者指定制度を導入します。そして、保護者は直接事業者と契約。保育料も時間に応じて一律に決められる応益負担となり、保護者の経済的負担が増えることが予想されます。

新システムについては、幼稚園と保育所を一体化する案が出されていることから、江戸川区内のほとんどすべての幼稚園が加盟する全日本私立幼稚園連合会が緊急声明を出し、「幼稚園の改正を伴う構想には反対」、「都道府県、国の責任も明確にすべきである」などとしています。日本保育協会は、「現行保育制度を堅持し、福祉的機能及び教育的機能を強化すること。保育制度改革は公的責任を堅持すること」とした決議書を上げています。

自治体の責任として、子ども・子育て新システムについて、国に対して中止を求めていただきたいと考えます。いかがでしょうか。


◎区長(多田正見 君) お答えをしてまいります。

待機児解消に向けて、私どももさまざまな努力をしているつもりでありまして、今ありましたけれども、今年度は認可保育園を二つ新設いたします。二百二十二名の定員拡大ということになります。また、認証保育所も六カ所開設ということでございまして百七十四名と。こういうことでございますので、三百九十六名の定員拡大と。こういうことになろうかと思っております。特にゼロ歳、一歳、二歳を中心とする認証保育所でありますが、これは民間の方々がやってくださるものでありますけれども、急増しておりまして、五年前に十九園くらいでありましたが、今は二十九園ということになっておりまして、つまりこうした基盤ができつつあるわけでございます。

そういう中で、国としても待機児解消を早期に達成したいということで、特命チームを編成いたしまして検討を進めておりましたけれども、たまたまけさのニュースでも報道されたところでありますけれども、その内容を発表したということで、私も聞いたわけでありますが、二百億円の補正予算を組んで対応すると。そういうことでありますが、この内容はまず家庭保育の拡大ということでありまして、保育制度を拡大しようと。こういうことが第一番でございます。
その次には、現にあります国の認定保育園制度をもっと普及させましょうと。こういうことが二点目でございまして、あとは最低基準を満たす認可外の保育園に対して、公費助成をしていきましょう。こういうことが骨格でございました。

待機児の多い二十の自治体をモデル自治体として、これからその待機児解消のために補助金を出します。それを全国にこれから拡大をしていきますと、そういうような報道でございました。こうしたことの動向も見なければなりませんが、私どももこの新しい特命チームの内容そのものは、私どもが進めております現在の対応と、それほどかかわりがあるというかないというか、つまり私どもがやってまいりましたことを地道に進めていくことで、この特命チームが考えたことと同じ結果になるのではないかというふうに思っているわけでありますが、とにかく基盤整備のために保育の場を増やしていくという努力を、もちろんするつもりでございます。


その中で、公立を云々ということでございましたけれども、これは従前から私どもは私立の基盤もあり、また伝統的にそうした土壌のある区でありますから、そういったものも大事にして、できるだけ民間の方々にも御協力をいただきながら拡大をすると。そういうふうに考えているわけでございます。区内の私立の保育園で、歴史のあるところはもう戦前からやっている、七十年をはるかに超える歴史を持ったところも数園ございますし、どの園も何十年という歴史的な実績を持っている園ばかりでございまして、今おひさまもそうでございますが、そういう方々が皆さんで力を合わせてやってくださるおひさま保育園でもありますので、そうしたことを私たちも大いに取り入れながら既定方針どおり拡大をしていくと。そういうふうに考えているところでございます。


それから、新システムのことについて、これは先ほどの特命チームとはちょっと別な次元でありますけれども、六月ごろに基本的な考え方を出しましたが、これは幼保一元ということと、それから幼稚園教諭と保育士さんの資格を共通のものにするというようなことですね。これが柱だと思います。文部科学省と厚生労働省が二本立てでやっておりました、つまりお金の流れというものを一本化しますと。こういうことでありますので、今の認定こども園、これは国がやっているものですが、これとはまたちょっと違ってくるかなと思うのでございますが、認定こども園は幼保一元とはいえ、お金の流れが別々でありますから、非常に経営者としてはやりにくいという問題が残っているわけでありますけれども、こういうことも解消したいというのが新システムであります。新システムは確かに民活を利用しましょうと、こういうことがベースになっていると思います。私も、それはそういうことでいくということが望ましいことだと思います。今ある幼稚園と保育園を一つのスタイルにしようということはいいかと思いますが、ただ幼稚園側は私立を中心に猛反発をいたしまして、確かに長い歴史を持った幼稚園の教育実績がありますので、これをどう考えるんだということかと思いますが、少し今検討会の姿勢といいましょうか、考え方がぐらついておりまして、どういうふうになっていくかなということは、私たちも注目しているところでもございます。


周辺にあります認可外の保育施設について、どのように扱うかということについてはまだよくわかりません。検討の内容が、まだ取り組みがないのかもわかりませんが、私どもが知り得るところでありません。したがって、こういうことも明らかにしていかないと、新システムがどういうふうに動くかということがよくわからないのでありますが、関係者が一番関心を持っておりますのは、つまりこうした基盤を支える財源をどうしてくれるんでしょうということであります。

昨日から社会保障の財源はどうするんだということがいろいろ、根本的にはそこに行き着くのでありますが、この保育の問題も、最終的に財源をどういうふうに手当てするんですかと。そういうことが問題、課題でありまして、そういうことも今後解明されていかないと、なかなか実施に移すということについても、容易なことではないのではないかというふうに思っておりまして、私どもも注意深くこの成り行きは見ていきたいと、そういうふうに考えているところでございます。


答弁漏れが一つありましたのですみません。認証保育所の保護者に対する助成のお話でありますが、これは私どもとしては気持ちはわかるのでありますけれども、江戸川区の場合には非常に子どもの多い区でございまして、子どもに直接支援をするということになりますと、相当な経費が必要となるわけでございます。むしろ私どもは、認証保育所は整備を促進いたしますが、この施設助成はもちろんやっておりますので、今現在で十一億円ほど認証保育所に資金を使っているわけであります。これも五年前と比べますと本当に十園ぐらい増えておりまして、急増しているわけであります。そうした御父兄に対して、さらに保育料を助成するというようなことになりますと、これはすぐに億単位ということになってくるわけでありまして、そういうことからいたしますと、なかなか踏み切れないという気持ちでございます。


  認可保育園もそうでありますが、認可外の保育室、あるいはいろいろな施設がありますけれども、そういうところに対する問題も出てくるわけでありまして、子どもの少ない区は、それは何でもできるんだろうなと思うのでございますが、江戸川区は二十三区で最も子どもの多い数でございまして、乳幼児医療費無料化にいたしましても四十億円ぐらいかかってしまうというようなことでございます。中学三年生までですね。乳幼児並びに児童・生徒の予防接種、それから今回の子宮頸がんでもそうでございますが、規模としてまとまった規模になっていくわけでありまして、財政力からして下から数えて三番目の区でありますから、お金の使い方もバランスをとっていかなければいけないということもありまして、基盤整備はもちろんやらなければいけませんが、個々の助成ということは、よほど慎重に考えていきませんと、財政的なバランスがとれなくなるということもありますので、現在のところ、今おっしゃるような助成をするというつもりはございません。


◆十三番(間宮由美 君)
スーパー堤防に四十億円を使っているのに、子どもにはお使いにならないのかと非常に残念です。

待機児解消がやはり認証保育所などについてもかかわってくるなと思っています。待機児がいるということ、保育園に子どもを預けて働きたいという家庭が激増しているということ。そのことによって待機児を解消するために、先ほど区長のほうからお話がありましたが、さまざまな努力をしているということがありました。その中に保育園だけでなくて、認証保育所の拡大もあるということで、人数も述べられていました。その認証保育所が結局待機児解消の一つの受け皿にもなっているということは御認識されているわけですよね。そこの認証保育所に対して、しかしここにはお金が、補助金は出さないということについては、やはりいかがなものなのだろうかと思います。


子どもの少ない区は何でもできるとおっしゃったんですけれども、二十三区の中で既に、豊島区も含めると二十二区が、補助金を認証保育所に出すという方向になっているわけです。残るのは、いよいよ江戸川区だけになってしまうわけですね。補助金を出していないもう一つの区であった豊島区にお聞きしたところ、二十三区でやっていないところが自分のところと江戸川区さんだけになってしまったと。認可に入った場合との保育料の差が余りに大きいので、来年度から新規事業として行うことができればと思っているということでした。


十一月二十六日付の都政新報によりますと、都区財政協議の中で、二十三区として保護者に対する認証保育所などの保育料助成を求めるという提案もされたようですね。これについては、ではどのような協議がされたのか、再質問としてお聞かせください。また、どのように話し合いが進んでいけば、補助金が出せるようになるのかというところで、もう一つ踏み込んでお話を聞きたいと思います。


新システムにつきましては、今月の十七日には全国の私立幼稚園関係者二千人が集まって、「こども園、幼保一斉反発」ということで、二十二日の読売新聞にも一斉報道されています。区内の私立幼稚園の関係者から、また保育園関係者からは、どんな要望をお聞きかということをもう一度お聞かせいただきたいと思います。と言いますのは、中身についてはいろいろと変わってもいるし、わからないところもあると。そこについては明らかにしていかないといけないという先ほどの御答弁がありました。しかし、実際に江戸川区内の保育園、また幼稚園の方々からは、反対ということでの声も出ているわけですから、それらの声を区長としてどうお聞きになるかということでお聞かせください。


◎区長(多田正見 君)
財政調整の問題ですけれども、これは区側が東京都と協議をする中で、どういったものを算定の物差しとして使うかということについて、いろいろ項目を出していくわけでありますが、その項目として出してはいるということでありますけれども、これがつまりそうなるかどうかということは別問題と、こういうことであります。それが一つ。

財政調整というのは、つまり一般財源として使うお金をどう分けようかという、物差しを持って分け方を決めるということでありますから、財政調整でこう決まったからといって、そのように使わなければならないというものではありません。ですから、これはそれぞれの区の実情に応じて、それを自由に使うということが前提となっている制度でありますから、財政調整協議をするときには需要を主張するために、こうした需要がありますよということはいろいろ言いますが、それを個々に区に帰って使うというときには、これは全く自由。街づくりのようにルール化されていて、ある事業に対して国が補助をして、それに対して例えば都がどれだけ負担をして、都市計画交付金でどれだけ補てんをしましょうと。あと、財調でそれは五年間で償還しますというような、こういうルール化されたものもありますけれども、一般的には区の自由な使い方を保障している制度でありますから、財政調整でこう決まったからといって、その物差しがそうなっているからといって、そのようにするという義務はございません。それをやれば二十三区は金太郎あめになってしまいますし、またものすごいゆがみが出るということになるわけでございます。

新システムについてはまだ判然としていませんので、私どもは私立の方々ともいろいろ情報交換はいたしますが、皆さん非常に関心を持っておられるとは思いますが、私どもに対してどうこうという、何かやってくれとか何かしないと困るとか、そういうような状況での話はまだない。そういうことでございまして、お互いに関心を持っていろいろな情報収集とか、あるいは解析をどう考えるかということについて、協働でやりましょうというようなことでございます。


◆十三番(間宮由美 君) 認証保育所の補助金につきましては、既に二十二区になりますね。自力で保育料の補助を行うわけです。補助金を出していない最後の一区となることには意義は感じられません。ぜひ認証保育所への補助金については、再検討をお願いしたいと思います。

また、新システムについては、まだ幼稚園、保育園からの声としては聞いていないということですが、実際に断固反対ということで、私立幼稚園からも出ているわけです。また、今中身がわからないということですが、わからないからこそ、その時点で国のやることに対して反対の声を上げることが必要かと思います。各地方自治体からも国に意見書が既に上がっています。

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