3/4土曜日に富赤人権推主催の早春ふれ愛トークを開催しました。
今回は、
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
関西支部副支部長の
福成二三代さんをお迎えしてアンガーマネジメント(怒りのコントロール法)についてご講演いただきました。
アンガーマネジメントとは、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになること。決して怒ってはいけないということではありません。
まず、怒りは第二感情で、悲しい、辛い、疲れた、不安等々の第一次感情に随分影響されること。私たちを怒らせるのは、自分の希望や願望、欲求で、『人』や『出来事』ではないこと。理想『べき』と現実のギャップが怒る理由となること。自分の理想は時代によって変わっていくこと、また、人によっても違うこと等々、福成さんはわかりやすい言葉で熱く語ってくださいました。
なぜ怒ってしまうのか、それは相手に対する自分のリクエストがかなえられなかったからという言葉には目からウロコでした。例えば、疲れて帰った時、洗濯物を畳んで欲しかったのにそのままだった。疲れていることで、つい、怒ってしまう。でも、ガミガミ言っても何も状況は変わりません。要は、洗濯物を畳んでもらえればいいわけです。畳んでというリクエスト発信ですね。ガミガミ声を荒げるより効果的だろうと想像できます。
大切なのは、怒る時と怒らなくても良い時の境界線をなるべく細かく決めること。怒る時は、人を傷つけない、自分を傷つけない、物を壊さないことだそうです。反射的に対応してしまうのが一番いけない。そのためには、まず6秒待つ。怒りのピークは6秒間で、この間は冷静な行動はできないそうです。そして、イライラの整理をする。自分にとって重要なことか、自分で変えられることかを判断する。重要でなければ捨てて(忘れて)しまう。自分で変えられないことなら、どうしようもないので受け入れる
① 6秒待つ②境界線を決める③行動のコントロール(イライラの整理)
これが上手に怒れる(アンガーマネジメント)3つの暗号です。
怒りの感情は強い者から弱い者へと流れます。会社の上司から部下へ。その部下が家庭に帰れば奥さんに、子どもがいれば子どもに、その子どもは自分より小さい子に、あるいは弱い子に。怒りはどんどん連鎖して、ご主人から奥さんへのDV(ドメスティックバイオレンス)になり、親から子どもへの虐待になり、子ども同士のいじめに、そしていじめられた子どもは親に反抗していつまでも連鎖していきます。大切な人や、自分自身を守るためにこの連鎖は断ち切らなければなりません。福成さんの資料の最後のページは、このような言葉で締められていました。「すべての人が自分の感情に責任を持てば、私達は怒りの連鎖を断ち切ることができると信じています」
福成さんのお話はとても具体的でわかりやすいものでした。参加していただいた55名の皆さんに大きく響いたと思います。また、日頃の私達の取組である「社会的弱者への援助」に繋がるお話だったとも思いました。今回の学びをこれからの活動に繋げていきたいと思います。
様々の場から今回の講座に参加いただきました皆さん、ありがとうございました。
福成二三代さん
エムエスコアリ代表
アンガーマネジメントシニアファシリテーター・産業カウンセラー
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会関西支部副支部長
地元ケーブルテレビ局の編成制作部に勤務し地域密着番組や広報番組の企画、政策を行う。知人が「うつ」になったことをきっかけにカウンセラーの勉強を始め、2011年産業カウンセラーの資格を取得。堺市の心療内科でカウセリングを担当。2016年最優秀アンガーマネジメントファシリテーター賞受賞。