建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

今度は看板落下事故との一報です。

2015年02月16日 | 建築物の安全
ケンチクベンゴシの豆蔵です。

今日は、強風で看板が落下して人が死傷した…というニュースの第一報が入ってきました。
詳細はまだ分かりません。

風速は25m/秒程度だったということですが、そのくらいの強風は珍しくありません。
今日の東京も、夕方当たりからずいぶん強い北風が吹いていました。
ということは、
風のせい、ということで不可抗力→免責ということにはならないでしょう。

以前、何度か建物に看板を設置したことがあります。

厳密には、看板=サインは施主側の直接の発注工事で施工されることも多く、
建物の設計者が行うのは取り合い部分の調整だけで、看板自体は看板屋さんの設計→施工でした。

厳密な安全基準はありません。
カンと経験の世界、という印象だったのですが、どうなのでしょうか?

何よりも問題なのは、設置後の管理がほとんど行われていないということです。
付けたらつけっぱなし。

さて、事故の責任を問われるのは、まずは建物の所有者、ということになります。
民法717条の工作物責任ですね。
当初の設置や管理などで所有者以外の原因がある場合は、二次的に所有者から責任を問う関係になります。

風もさることながら、地震の時は特に心配です。
この辺は、東京オリンピックを機会に、本気で規制の対象としても良いと思うのですが、どうでしょう?

追伸
事故を受けて、早速(火)に、国交省から各地の自治体に対し、調査のお達しが出ました。
一昨年の脱法ハウス(現在では「違法ハウス」)やエレベーター等の事故の場合の調査と同じような感じです。

沿道や高層建物という対象のくくりで、定期点検の対象にならない規模の建物についても対象となるようです。
期限は4月10日ですが、対象がかなり多いので間に合うのでしょうか?
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