建築弁護士・豆蔵つれづれ

一級建築士・弁護士・豆蔵自身の3つの目線で、近頃の建物まわりネタを語ります。

神奈川県内の耐震診断の結果が公表されました。※3/29、31に追記あり。

2017年03月29日 | 建築物の安全

建築弁護士の豆蔵です。

昨日(3月17日)、神奈川県内について、耐震改修促進法に基づく公共性の高い用途の大規模な既存不適格建築物の耐震診断結果が、公表されました。
県の所轄でない横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、小田原市、茅ヶ崎市、秦野市、厚木市及び大和市の各市については、各市から公表されたとのことです。

が、横浜市、小田原市、厚木市、大和市では見つけることができませんでした。
一応、全部の自治体のHPを見てみましたが、多くは「耐震診断 結果 公表」という検索をかけて発見する、という状況で、見つけるのはなかなか難しかったです。 

3/29追記 横浜市ではページはありましたが、入口が見当たらない。意図的な配慮かもしれませんが。 

日経朝刊には、横浜市港南区総合庁舎、茅ケ崎市役所本庁舎、聖マリアンナ医科大学病院本館などの具体名が挙がっています。
また、公表に先んじて、富士屋ホテルは耐震改修、小涌園は営業終了の予定を発表しています(悪い情報が公表される前に対策を決定し、自ら公表するというのは、企業として大切なことだと思います)。

耐震診断結果の公表、法律で定められた平成27末の期限から大幅に遅れて、昨年末ころから各地で行われています。
しかし、大都市圏では公表が遅れています。→ 先日の事務所HPのコラム

なお、診断及び結果の公表が義務付けられている建物は、全体のごく一部です。 念のため。

3/29追記

その後、27日に埼玉県(ただし一部を除く)、 28日に愛知県から結果の公表がありました。
木造による修復の予算が付いた名古屋城の天守閣も、危険性が「高い」リストに 含まれていました。
埼玉県については、県内全域同時の発表が整わず、さいたま市など一部が未公表となっています。

東京都については、公共性の高い用途の大規模建築物に関する公表については、未だ気配がありませんが、
28日、従前からたびたび耐震化率の発表が行われている「特定緊急輸送道路」の沿道建築物について、
耐震診断の「結果」ではなく、着手に至っていない建物121棟を、住所・ビル名称・ 構造・規模・用途のリストで公表しました。

沿道建築物については、倒壊した際に通行に支障を及ぼすか否かという物理的な点で対象となるため、
小規模な建物、分譲マンションなども対象になっているのが、厳しいところです。 
診断はもちろん、改修についてもかなりの補助金が付くと記憶しておりますが、
分譲マンションでは、以前、ご相談を受けた物件でもそうでしたが、人間関係の問題もあって意思決定が難しいという事情もあるようです。

3/31追記

3/29、千葉でも、県・各市より発表がありました。
千葉市はもちろんですが、豆蔵の地元の船橋、津田沼、新京成線沿線には、昭和56年(1981年)以前に建てられた大きな百貨店・ファッションビル・スーパーが多く、
近所のスーパーまで含めて診断義務の対象となっていたのに驚きました。

余談ですが、浦安市では学校以外の対象建物が見当たりません。
浦安は新しい町なので(ディズニーランドの開園が昭和58年・1983年)、古い大きな建物はない、ということなのでしょうか。

今回の公表では、残念ながら、懸念されていた事件が起こってしまったようです。
というのは、ある病院が、事実と異なり「倒壊する危険性が高い」と報じられてしまったとのこと。 
これまた、昔お世話になった地元の病院だったので、ちょっと慌ててしまいました。 

東京の結果公表は、更にハードルが高そうですね。

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