建築弁護士の豆蔵です。
今回は、前回の建築まつりの番外編、サントリー山崎醸造所と京都迎賓館の雑感です。
「山崎」といえばサントリー、というくらい有名なウイスキー「山崎」を作っているのが、サントリー山崎醸造所。
30分の試飲が付いた有料の工場内ツアーは、とても予約が取りづらいらしく、今回は無料の展示室・試飲会場を目指しました(これも要予約)。
1杯2~300円で、ブレンドする前の個性あるウイスキーたちを試飲できます。
色とりどりの味わいは楽しいのですが、なんだかんだ完成品が一番おいしかったです。さすが、プロのブレンドですね。
白州や知多、響との飲み比べも楽しい。
豆蔵的・注目ポイントは、敷地の奥にある水源と神社、そして、さらにその奥にひっそり隠れている名神高速の「天王山トンネル」。
砂防ダムの上、木々の間の緑色の「チューブ」が見えますか?
グーグルマップによれば、どうもこれはトンネル(下りの左ルート)のチューブの外側らしい。
騒音は全く聞こえませんが、天王山トンネルが確かに天王山を貫いているということの目撃情報です。
仮に、わずかとはいえ、ここに高速道路があったら、静謐な環境も雰囲気もブチ壊しです。
走行する側にとっても、トンネル内の気圧の変動を避けるためには、チューブでトンネルを連続させる必要があるのかもしれません。
ちょっと意外な光景でした。
さて、山崎からは離れますが、もう一つの建築まつり番外編は、京都迎賓館。
広大な京都御所の敷地内、東北側にあります。
明治時代から続く赤坂の迎賓館と比べ、歴史は浅く、築10年ちょっと。設計は、意外にも(?)日建設計でした。
一般公開が始まったのは割と最近のようで、事前予約もありますが、当日も対応可能のようです。
但し、国賓の来日など非公開の日もありますので、要チェック。→内閣府
建築は、端正ですが、想像より非常にあっさりしていました。
使っている材料、例えば樹齢数百年の屋久杉や幅広の欅などはすごいですが、メンテナンスや環境面での制約があるようです。
例えば、錦鯉が泳ぐ池の水質を変えないために、屋根は銅板ではなくステンレスであったり。
空間設定も、会議や警備などの機能を重視せざるを得ないという風ではあります。
一方、建具・造作、家具、床や壁の緞通、飾られている工芸品などは、日本代表を集めた感がすごいです。
二つの大広間(洋間)の壁はいずれも織物で、一方が龍村美術織物、もう一方が川島織物という京都の(日本の)「織り」の二大巨頭。
先ほどの巨大な和室も、漆塗りの座卓や座椅子、欄間など、繊細なもの尽くしとなっております。
今回はガイドツアーでしたが、自由見学枠もあるそうなので、別の季節にゆっくりと再訪してみたいと思います。