米子 西野ピアノ教室 musica felice

米子市のピアノ教室・・日々思うこと徒然なるままに。
幼児から受験生、大人の方いらしてます。
音楽は心の対話ですね。

さなぎの時期…「いばら姫」と思春期、心理学をもとに...

2013-07-16 06:32:49 | おもうこと

心理学の本ではよく出てくるこの表現。



ご存知の方も多いのでは・・とは思いますが、今日はこのことにちょっと触れてみたいと思います。



町のピアノ教師というのは、きっと、はた目から見れば気楽そうに見えるのかも知れませんが、意外と大切な役割を担っているのではないか、、と思っています。



。。そういう「自負」のようなものはあります。。



習い事一般なのかもしれませんが、学校の先生や塾の先生に比べ、細くではありますが非常に長いお付き合いをすることになります。



扱っていることが「ピアノ」という「芸術」に関することなので、当然「心」と向き合うことになります。



そうすると、本当に子供たちのいろいろな心の状態に出会うことになります。



特に「子供」から「大人」に代わる転換点ともいうべき10代初め頃から中盤・・・もう少しかかる場合もあるかもしれませんが・・・この時期は本当にご両親にとっては、何が起こっているのか、びっくりするようなことが起こるので、どう扱っていいやら戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか?



子供さんによっては、そこまで大変じゃない子もいますが、強い個性で、非常に手こずるケースもあろうかと思います。



私のピアノ教師歴で、一番初めに手こずったのがMちゃん。



この子が今日は来る・・と思うだけで、気が重くなることも正直ありました。。私もまだ若かったんでね。。



ものすごくふてくされて、しかし休まず来るんですよ。



その子が帰った後、次のレッスンに来ていたEちゃんのお母さんが、「うちのお姉ちゃんも、反抗期だけど、Mちゃんは相当すごいですねぇ。。」と、思わずおっしゃった・・ぐらいひどかったです。



その途中でも、いろんなことがありました。



でも、賢い子だったので、有名大学に決まり、その後は頑張ってたみたいですよ。



音楽で行くことも考えたぐらい、ピアノも弾ける子でした。



私も手こずったけど、おうちの方は相当大変だったと思います。



彼女が卒業の時、お母様が素敵な高級レストランにお誘いくださって、ご馳走してくださって、おっしゃったんですよ。



「私一人(もちろんお父様もいらっしゃいました)では、とてもあの子を育てられなかったと思います。ありがとうございました。」と、、、感激した覚えがあります。



私もまだ若かったので、達観するには至らず、右往左往しながら、Mちゃんと対決したり、寄り添ったり・・・そんな14年間のお付き合いでした。



その子も、もうすぐ40歳になるような年齢。



東京あたりで活躍してるのかな。。



とても強い個性と能力を持った子でした。





Yちゃんの名言もあります。



あまりにも名言だったので、相当数の方に言ったことあるんですが。。



この子もすごーく大変だった。。



この荒れ狂う時期が何年も続いて、私もさすがに・・先生変わった方がいいのでは・・と思ったくらいだったのですが、そうこうしているうちに次第に収まり、落ち着いてきた。。



もう本当に普通のかわいい、でも確かに精神的にも肉体的にも成長を遂げたYちゃんに変貌を遂げた・・と思われる頃、このYちゃんの前のレッスン時間の子が、こう状態で、ものすごくブスッとして、すごい態度で帰って行ったのを二人で見送りながら、「ねえ、Yちゃんもあんなだったよね。あの時ってどういう心境だった?」って聞いてみると、Yちゃんしばらく考えて・・・



ひとこと。



「あの時は、、、子供だった」



。。。



だそうです。。



ピアノ教師って、気付いたら目の前にいる、そして長く付き合う「親以外の大人」としては、もしかしたら、親戚のおばさん以上の存在なのかもしれないなぁ・・って思うんですよ。



なので、ダイレクトに心の状態を、まったく遠慮なくぶつけてくる子も多くいて、本当に大変なこともあります。



最近は、若いころに比べれば随分私も「達観」の境地になれるようになり、落ち着いて見れるようになってきました。



うちの子が本当に失礼な態度をとって。。すみません。。



とおっしゃることも間々ありますが、



失礼な子は山ほどいますよ。そんなこといちいち腹を立てても身が持たないです。それが心の中で、どんな変貌を遂げているのか想像できるので、いろいろな言葉を投げかけながら、あるいは何も言わないで、見守っています。。



。。と。。。



前にも書きましたが、100年の眠りについたら、時が来るまでどうにもならない、、しかし時期が来たら、ちゃんと、その「イバラ」のトゲで生い茂った中から、素晴らしく成長した子供の心が現れます。



本当に、昔話というのは、象徴的に人の心の状態や心の成長、あるいは変化を表現しているようで、先人の知恵は大したものだと思いますし、何百年たっても、人の心の根本はそうそう変わらないのだな。。とも思います。。



「さなぎ」



もそうです。



一見グロテスクとも思えるこの状態。



さなぎになってしまうと、殻に覆われた中で何が起こっているのか見えないし、表面は荒れ狂ってるようにも見えることもある。



ヘタにこじ開けようとしたらダメですよ。



じっと、見守る。



ほっといてもダメ。



とにかく「心」を使って、じっと見守る。



「さなぎ」の内部では、素晴らしい変化を遂げていて、今まさに「ちょうちょ」になろうと、もがいているのかも知れません。



きっと本人も苦しいと思います。



しっかりと見守ってあげてください。



でも、はれ物に触るようでも、あまり良くないのかも知れません。



きちんと、心と心で語ってみてください。



きっとご両親だって、ご自分が子供の時、思い当たることがあるのではないでしょうか?



むしろ幼かった頃のように、変わらずずっと従順・・な方が心配です。



いつか、幼い頃とは変化している。。と思う時期が来ると思いますが、来るべき時期が来たのだと、心を決めて、じっくり、、少しは右往左往してもいいんじゃないですかね。。覚悟を決めて、向き合ってみてください。



そうしてこちらも一緒に人として成長するのだと思います。



町のピアノ教師・・・なかなか面白い仕事ですよ。。見た目より、けっこう大変ですけどね。。



では~









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