米子 西野ピアノ教室 musica felice

米子市のピアノ教室・・日々思うこと徒然なるままに。
幼児から受験生、大人の方いらしてます。
音楽は心の対話ですね。

内面を育てるという事

2014-12-09 07:26:53 | おもうこと
今日はちょっと難しいこと書きます。。
お許しを!!

“ピアノ教師”という仕事・・・つまり子供たちを中心に・・ピアノを中心に・・“音楽”“音”と向き合ってきました。

この“音”たちに、時代の流れ、ムーブメントのようなものも感じ取ることが出来ます。
そして、扱っているものが概ね“西洋音楽”というものですから、当然“日本人”“アジア”“欧米”(或いは“アフリカ”“アラブ”)など、多くの人達のくくり・・・というものも考えたりします。



心理の世界では、日本をはじめ多くのアジア地域は「母性原理」を中心に思考が動いていると言われています。
欧米は、キリスト教を基とした「父性原理」
アジアで唯一のキリスト教国であるフィリピンも、マリアを中心とした母性原理を基としている国民心理があるとも言われています。

「母性原理」を中心として生きる日本人は、また、「場」の中で生きているとも言えます。
「家族」「会社」なにかしらの「組織」・・・
その「場」の中での自分を生きる事で、安心感を得たり、アイデンティティーのようなものを感じたり。。

そうした流れの中で、「音」や「音楽」の方向性も左右されているのでは?・・と感じる事もあります。

クラシック音楽と言われるものは、純度の高い思考や形式美を内在していて、その事と、日本人の持つ「型」を大切にする思考が結び付くと、「型に閉じ込める」方向が少し極端に働いてしまうのではないか・・・とも思います。
本来「茶道」「華道」「書道」「弓道」「武道」・・・このようなものは、「型」を学び「型」を破っていくことで、内在する深い思考や思想の世界に入って行ったと思われますが、「型を破る」事は並大抵のことではありません。

殆どの人間は、型の外で漂って生きてゆくこととなります。
ファッションもアートも・・宗教でさえ、型の外・・・つまりこれを「形骸化」と言いますが、全ての世界で“からっぽ”な状態が進んでいるのかも知れません。

その傾向は、情報の多さも起因しているようにも感じます。
何故なら、莫大な(その中にはガラクタな情報も多数散見される)情報を追う事で精一杯になり、一つ一つのことを深めることが困難になってくるからです。
東大出のカミソリとあだ名された佐野洋子さんの父君が「生涯で12冊しか本を読まなかったが真の読書家と言える者もいる」と仰ったのは全く頷ける話で、今どきの子たちがあくせくと毎日のように塾に行き、習い事をし、家の手伝いも読書もする時間が無いと言っているけれど、そうさせているのは何なのだろうか?・・・と日々考えます。

果たしてそれで優れた人材が育つのか??

それはNO・・・でしょう。

それが分かりながら(分かっていない人もいるのかな?)できないことの背景には、不安やコンプレックス(これも不安の一つかな?)・・があるのかも知れない。。と思っています。
色々な情報が押し寄せてきて、あれも足りませんよ・・これも足りませんよ・・と騒ぎ立てますからね。。


海外で暮らすある方が、村から一歩も出ないで畑仕事を日々黙々としていらっしゃるおじいちゃんおばあちゃん・・・この方たちから真のインターナショナルだと感じることがあると。。

人として何を大切に生きるかを考える日々です。

「母性原理」「父性原理」に関しては、またそのうちもう少し詳しく書きます。
ちょっと中途半端になっちゃいましたが

先日のシェアしたフィンランド教育事情を載せて終わりますね。
きれいな画像は上手く貼り付けできませんでした💧


http://www.huffingtonpost.jp/triport/finland_b_6265924.html

ここ数年以上、「個性の尊重」は色々な場面で重要視されています。しかし、ついつい周りに流されたり、他人と自分を比べてしまったり、自分と違う価値観を持つ人と一線を画してしまったりする人は少なくないのではないでしょうか。ことばでは簡単に言えるけれど、実際に「個性の尊重」をカタチにするのは、なかなか難しいことのように思います。

そんな中、子供たち一人一人の個性を大切にしながら、さらに深みのあるものにしていく教育に力を入れることで、社会全体を豊かにしている国があります。高い学力を持つ子どもたちが、フィンランドです。

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jay j wilkie via Compfight cc



フィンランドの教育

みなさんはフィンランドと聞くとどのようなイメージが浮かびますか?
ムーミン。

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Oioimolloy via Compfight cc

大自然。

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写真:Asami K「Finland2009」より

デザイン大国。

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写真:yumiyumi「☆゜:*:・。,フィンランドの窓辺 3日目 ,。・:*: '☆」より

そして、世界最高峰の教育水準。

英才教育、スパルタ教育が行われているのかと思いきや...驚いたことに、この国では子供たちが四六時中机にはりついてガリガリ勉強している光景は見られません。むしろ授業時間も短ければ、学習塾もほとんどありません。

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写真:Mika Watabe「フィンランド」

では一体、フィンランドの教育にはどのような秘密が隠されているのでしょう?



フィンランド教育の秘密「芸術エスカリ」

フィンランドの教育における大切なキーワードは「個性」。いかに子どもたち一人一人が持つ個を性引き出し、伸ばしていくかという点に重きを置いています。そのために教育現場は「自由に表現できる」「表現したものを認めあう」場となっています。特に、私たち日本人にはなじみがなく、新鮮なのが「就学前教育(エスカリ)」と呼ばれる教育システムです。
フィンランドでは、7歳から基礎教育(小学校教育)が始まりますが、その前準備として6歳の間一年間「就学前教育」が行われています。
義務教育ではありませんが、無料で施されているため、ほとんどの子供たちがこの教育を受けています。

私は大学二年の夏、実際にフィンランドにあるいくつかの教育施設を訪れました。その中でも、一番印象的だったのがこの就学前教育の一つとして利用されている「ヘンネリ遊びの活動センター」での光景です。美術と演劇と音楽。私が見たのは、この3つをふんだんに取り入れた「芸術エスカリ」というとても興味深い活動でした。

活動のテーマは「大航海」。ストーリー仕立ての構成の中、遊びが展開していきます。

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写真:Hiroharu Zoshiki「色で見る大自然」より

大海原へ旅に出た子どもたちは、まず波の音に合わせて体を動かします。手を波打たせる子がほとんどかと思いきや、それぞれが自由な発想で生まれた「波」を体全体を使って表現していきます。途中から、ある子が友達を誘い、二人で大きな波を表現し始め、それが連鎖して大きな波になっていく場面も見られたり。決まりにとらわれず、発想力豊かな活動に心を奪われました。

次に絵具と筆を使って、壁に向かって思い思いの波を表現していきます。

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写真:Mika Watabe「フィンランド」より

水色の絵具を使う子、青色の絵具を使う子、紺色の絵の具を使う子。まず選ぶ色に個性が見られます。そしてぐちゃっと塗りつぶす子。波線を描く子。縦に線を引く子。点をちりばめる子。自分の意思で方法を決めて、思い思いの感性でのびのび波を描いていく子供たち。そして一人一人の表現活動を真摯に受け止め、ほめている先生。

そこはまさに十人十色が体現された空間でした。

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写真:Mika Watabe「フィンランド」より

「芸術活動のいいところは、決まった形がないところです。だからこそ子供たちが安心して自分たちの創造力や発想力思う存分発揮できる。そしてその個性を、認めほめる姿を大人である教師が見せることで、子供同士も互いの個性を認め、受け止めあえるようになっていくんです。違うことは社会を豊かにします」。

先生はこのように仰っていました。まさに一人一人が主役の教育。実際に足を踏み入れ、肌で感じた「個性の豊かさ」。違って当たり前なんだ。みんな違うから世界は面白いんだ。これから先の人生で大切にしていきたい価値観に出会うことができました。

さいごに

2014-12-04-985500x332.jpg Hiroaki Takeuchi「初めての一人旅 北欧スウェーデン〜フィンランド」より

いかがでしたか?
のどかな景色。国民を手厚くサポートしてくれるしっかりとした国のシステム。個性豊かな人々。フィンランドの魅力は計り知れません。寒いけれど、温かい。すべてを包み込んでくれるあったかくて優しい、おっかさんのような国。

ぜひ一度訪れてみてください。




コメント
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