maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

神さん-2/4-清浄なもの

2021-08-19 09:53:24 | 支離滅裂ー妄言虚説ー神さん

火や水を「清浄なもの」と屈抜きに納得してしまうのは何でやろね?
太陽が昇ると訳も無く嬉しなる、思わず拝んでしまう、暗闇を恐れた何万、何十万年も昔の記憶が残ってるんかいな?と思うんですが、太陽、月、星、や風、水というのは神の原型でしょうなぁ。
日本の神話には、太陽=アマテル、月=ツクヨミ(ム)はいてるけど、星の神さんは異様に少ないのと違うかな?

「日本書紀 巻二 第九段」
一云、二神遂誅邪神及草木石類、皆已平了。其所不服者、唯星神香香背男耳。故加遣倭文神建葉槌命者則服。
【概ねこんな意味ちゃいますか】
こんな話もおまっせ、二人の神さんがよこしまな神やら草木、石のたぐいのガチャバイの神を全部やつけたんやけど、星の神カカセオだけが降参せんかっってん、ほんでシトリカミタケハヅチノミコトを加勢にやったら降参しましたわ。

一書曰、大神遣經津主神・武甕槌神、使平定葦原中國。時二神曰、天有悪神。名曰天津甕星。亦名天香香背男。請先誅此神、然後下撥葦原中國。是時、齋王神號齋之大人。此神今在于東國[楫+戈]取之地也。
【概ねこんな意味ちゃいますか】
ある書では、オオカミがフツヌシノカミとタケミカヅチノカミをアシハラナカツ国を併合しに行かそうとしたんです。その時に二人の神が天に悪い神が居てる言いますねん。其の名前をアマツミカホシ。またの名前をアマツカカセオいうんです。まずこの神をやっつけてちょうだい、ほんならアシハラナカツ国を併合します。この時イワヒノウシというイワヒの神が言うには、あの神は今東国は香取の地に居ります。(な~んや、出雲に居てへんのかいな!ほんなら安心)

と出てくるだけや無いやろか?
天津甕星(アマツミカホシ)=天香香背男(アマツカカセオ)は余程しぶとくヤマトの出雲侵略に抵抗したみたいですねぇ。
出雲から香取まで追い詰められるまで降参せんかったようです。
香取て今の千葉県香取神宮のある香取やろか?
武甕槌神が香取神宮の祭神やから、そうかも知れんねぇ、出雲からは遠いでっせ!

古事記では此最期まで抵抗する役割は建御名方神(タケミナカタノカミ)で、大岩を担いで抵抗するんですが、科野(信濃)の国の州羽(諏訪)の海に追い詰められるんですね。
ほんで「科野(信濃)の国からは出ません」と約束して許されるんです。
建御名方神(タケミナカタノカミ)と星とのかかわりは何処にも書かれてません。
直接の関係が有るか無いかは判りませんが、諏訪の御柱の祭りは土着の神の匂いがしませんか?
天津甕星(アマツミカホシ)も最終的には香取の地から出ない、という条件で許されてるようですなぁ。
古墳に描かれた星や星座の壁画はどうやら大陸直輸入らしいし、妙見にしても、道教の影響で後から紛れ込んだ信仰のようやしねぇ。

黒潮に乗ってやってきた「海人」は多勢の星の神さんを持ってたと思うけどなぁ。
住吉三神はオリオンの三ッ星等と比定する説もありますが、話としては面白いんですがねぇ。
海洋民にとっては、太陽よりも重要な月がアマテルの弟、二番手でもうひとつ精彩が無いのも、ヤマトが海や航海に縁が薄いからや無いのかな?と思いますねん。
東南アジア海洋民族の名残は、ヤマトの王権が確立する過程で消えてしもうたんでしょうなぁ・・。

前回日本の神さんの一つの典型は、清浄、静謐やと書いたんですが、実はそうとばかりもいえませんねん。

「日本書紀 巻二 第九段」
然彼地多有蛍火光神、及蠅声邪神。復有草木咸能言語。
【概ねこんな意味ちゃいますか】
そやけど其処には蛍火が輝く神さんやら、ガヤガヤと五月蝿い、言う事を聞かん神が居てまんねん。其の上、草や木にも精霊がおって物を言いよるんです。

と書かれ、

「古事記 中つ巻」
豊葦原千秋長五百秋之水穂國者、伊多久佐夜藝弖有那理、
【概ねこんな意味ちゃいますか】
豊葦原の千秋の長五百秋の水穂の國は、えらい騒がしいやないか
以為於此國道速振荒振國神等多在
【概ねこんな意味ちゃいますか】
ゴンタクレの暴れもんの土着の神が仰山居るからやろう

と書かれた國神(クニツカミ)は、ほとんどがヤマトの神に覆い被されるように、整理統合追放されたんですが、ドッコイ名を変え姿を変えて、しぶとく生き残っているような気がします。

それが、もう一つの典型である土俗的神さんでは無いのかなぁ、そうで有って欲しいなぁ、と思いますねん。
概ね、この手の神さんの受け持ちは、農、鉱、工、漁、商業関連の現業系の神さん。
祭りともなれば、氏子と一緒くたになって境内を駆けズリ回ったり、山に登る、海に飛び込むという騒がしい(蠅声=サバエなす)陽気で地域密着型の神さん。
それでも、本神事は厳かにひっそりとやってる場合が多いようですね。
何れにしても古来の日本の神さんは、歴史や由来、仕来りは有っても、いわゆる教義(doctrine)はないんですなぁ。
教え導くのは無し。

たまに七難しい教義が有ると、大抵、金儲けにでっち上げたまやかしの神さん。

時代が下ると、道教やら陰陽道の影響で、生身の人間やった人も神さんに、はては物が御神体などというのも現われて、何の事は無い元の「伊多久佐夜藝弖有那理(エライ賑やかな事)」に近い状態なったんです。
ヤマトの神さんが仏さんに押されて、締め付けが緩んだんでしょうかね。
神さんそのものは変わらんでも、それを飯の種にしょうかというのが現われて、元々、教義等という鬱陶しい物が無かった我が国の神さんに、得手勝手に矛盾だらけの小理屈、屁理屈を創り上げて、ヘバリ付け、やれ霊験がどうたらと生臭~い事にしてしもたんですなぁ。
それも金儲け、縁結び、災難避けあたりまではは可愛かった。
挙句のはては、神国たら何たらいうて戦争をおっぱじめる道具にしたり、現人神(アラヒトガミ)などという飛んでもない事を言い出して、問答無用で国民を戦争に巻き込むネタにしたんでっせ。

日本の神さんは下世話な事にかかずり合わんと、清浄な存在で清々しいだけで充分でっせ。
國神さんも、皆んなの生業(タツキ)が上手い事行くように見ててくれたらよろしいねん。
見てるだけでっせ、くれぐれも踊子さんにはノータッチ、マーナーを守って頂戴ね。
八百万の神さん、泥芥にまみれんように頑張ってね、頼んまっせ!

俗界の人間がお供えしたり、お賽銭上げるのは自分の満足の為。
神主に誑(タブラ)かされて、賽銭の多寡で扱いに差をつけたりしたらあきまへんで。
そんな事したら、あんさんの値打ちが下がる、そうでしゃろ神さん。
神主は所詮俗世の住人、全部が全部とは言わんけど、美味いもんも食べたい、エエもんも着たい、神主の寄り合いでハバを効かせたい。
その為に神さんをダシにしてるだけやんか。

しかしエライもんで、現代の我々も理論的にどうこうや無しに、心の根底に「存在そのものを尊ぶ」という、古代の神さんとのお付き合いの仕方を、脈々と継承してるように思いますね。


2003/12/26:初出(旧OCNホームページ)
2021/08/19:再録

【妄言虚説-神さん 1/4】【妄言虚説-神さん 3/4】



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