maidoの”やたけた”(ブログ版)

ジジイの身辺雑記。今日も生きてまっせ!

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☆☆☆ お薦め与太話 ☆☆☆
支離滅裂-迷想迷夢-地震対策の妄言 目次 をアップしました。(2015-01-18 )、OCNのHPにアップしたのは 2005/02/19 でした。

虚々実々-喜愛香港 目次 をアップしました。(2016-11-12)
虚々実々-心筋梗塞顛末記 目次 をアップしました。(2016-11-12)
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支離滅裂-迷想迷夢-雨上がりの妄言2004-05-21 をアップしました。(2021-04-18)
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年神(トシガミ)-4 (完) 

2015-01-18 12:53:12 | 支離滅裂- 迷想迷夢-年神(トシガミ)

無理にでも最終回
<お断り>
例によりまして、記事の内容は特定の団体や個人とは全く関係ございません。
たまたま同名団体や個人が実在しておりましても、全くの偶然です。
アレレ?と思い当たられる方があってもそれは思い過ごし、決して貴方がモデルでは有りません。
</お断り>


「あんた要らん事いうよってオバアちゃんにまで叩かれるねん。口を慎みなはれ。」
「そやかて同じ事なら若い方がええと正直に、エッ、エッ、・・・」
「化け物が泣きじゃくっても色気も何にも有れへん、ホンマに取り得のない奴やなぁ」
「化け物ちゃいまんねん、神さんでんねん。そないに糞味噌にいわんと、お願いしますわ。ど~ぞ置いておくんなはれ、大将、旦那はん。恵まれない神に愛の手を!」

「そういう風に素直な態度に出られたら、出てゆけとも言えしんなぁ。まぁエエか、邪魔にならんようにしてるんやったら置いといたろか?」
「そやけど、食事はどうするのん?」
「お気遣いなく、お水とお塩、出来たらほんのちょっぴりのお酒、それに榊の葉っぱさえあれば充分でおます。足らん時は仏さんの御飯(オッパン)さんをちょぼっと分けて貰いますよって。」
「そうか?ま、なんぞの縁や、てよう考えたら先祖やがな。せめて居てる間は何なとお供えしたげるわ。どないしてん、突然烏帽子の上から鉢巻しめてタスキまで掛けて、」

「それほどまでにして貰えるんなら、不肖年神、及ばずながら本気で仕事させてもらいます。」
「今までは本気と違ごたんかいな?」
「へぇ。まぁ適当に・・・。しかしながら、これからは本気ですよってね。見といとくんなはれ、ええ事が起きまっせ、幸運が舞い込みまっせ。」
「ほぉ、それはありがたいなぁ、確り頼むで!」
「へぇ、及ばずながら、わたいは年神ですよって、ネンシ~ンでっせ」
「ゴーゴー・レッツゴォ、ピンクの枕♪」
「何やねんそれは?」
「仮面ライダーの主題歌で応援してるねん」
「エライ艶っぽい歌詞やなぁ、間違えて覚えたまんま三十年間気付かんかったんかいな」

ピンポ~ン
「おっ色っぽい応援歌が効いたか!誰か来たで、何やった?」
「新聞社にお年玉の懸賞応募してたら、残念賞が当たったいうて、新聞屋はんがタオルと試供品みたいな石鹸持って来てくれましたわ」
「ゼェゼェ~、ゼェ~」
「おい、年神さんどうした?肩で息してえらいしんどそうやなぁ、喘息持ちか?大丈夫かいな?」
「喘息ちゃいまんがな、幸運を呼ぶべく全身全霊気力を振り絞って念じてましてんがな。どうです、エエ事が起きましたやろ。今の幸運を呼び込んだのは私の力。」
「今の幸運、てタオルと石鹸か?」
「他に何がおますねん。立派なもんですがな。神威の程恐れ入ったであろう。」

「恥かしげもなくよう言うなぁ!残念賞くらい神さんの力借りんでも当たるわいな。神威がどうこう言うんなら、もうちょっと金目の物を何とか出来んか」
「あえて子孫に美田を残さず。勤勉こそが日本の美風、子孫を堕落させまいと思う先祖のありがたい気持を・・・、チョット、チョット何処へ行きますねん?」
「今から松の枝燃やしたるよって、とっとと帰れ!」

「あんたも気短な、追い立てるのは、も一つの霊験を見てからの方がエエと思いまっせ。今度はなんと現金が湧いて出ます。」
「ほんまかいな、にわかには信用できんなぁ」
「年神の神威、努々(ユメユメ)疑うこと莫(ナカ)れ。アナカシコ、ア~ナカ~シコ」
「疑わずに居れるかいな。おいおい、マゴが絨毯の下から何ぞ拾ろて口に入れたで!」
「ちょっとア~ンしてごらん、あら、5円玉やんか。それやったら穴が開いてるから飲み込んでも大丈夫」
「アホな事言いな、大丈夫なことがあるかい、第一汚いがな、早よ取り上げ!」

「ほ~ら、我神威によって財産が増えたであろう」
「財産が増えたて、この5円玉か?」
「一々確かめんでもそれやがな。立派に通用する現金に間違いなかろう」
「こら、あかんわ、及ばずながらて、ほんまに及んでないがな。こんなんに守って貰ろてるねんから、先祖代々何百年間貧乏人なんも無理ないわなぁ・・・」

「貧乏、貧乏と嘆くなかれ、何よりの寶は家庭円満」
「ありゃ、形勢不利と見て言う事を変えたで、しかし可哀相やし春節が終わるまでの事や、置いといたろか?」
「そうしなはれ、そうしなはれ。わたいはそれに賛成♪」
「あんたに訊いてないがな、どないや?」
「貧乏神や厄病神よりはましやんか、マゴのお相手もできるやろうし、飼うたげよか」

「わ~い♪わ~い♪」
「子供はすぐに馴れるなぁ。年神に紐つけて飛ばして遊んでるで、まるで凧揚げかヤンマ釣りやんか」
「おい、神さん疲れてるんとちゃうか?何か飛び方がヨレヨレしてるで、これこれ、そないムサンコに引っ張ったらあかんがな、あっ可哀相に神さん柱にぶつかりよった!」
「あのぉ、折角置いていただけることになったのに、なんですねんけど、そろそろお暇を・・・」
「どないしたんや、さっきまで置いてくれいうてたのに、気が変ったんかいな?」
「へぇ、この分では身体が持ちそうにもおまへんが、春節まで待たずとも今日中に精(ショウ)が尽きます。」
(餅、雑煮もおまへんが、春節まで待たずとも今日中に正月来ます。)お粗末。
<(_ _)>

何のこっちゃ?とお思いのお方は、↑ここの空白部分をご覧下さい。
空白は空白やがな、いえいえ そうではありませんそれは希望の家庭から、朝がくるくる 朝がくる♪
オットそうやない、空即是色、色即是空。
もひとつおまけに、
見えつかくれつ変幻自在、 スパンコールの(ウ~レッツゴー!)カメレオン・アーミー♪
何のこっちゃ・・・

いやはや、騙まし討ちみたようなこじ付けをもちまして強行着陸でごわっせ。
こういう説明をせんならんのは、収拾がつかんようになって、無理無体に終(シマ)わせたる証拠にごわります。
ほんに今日は節分、厄払いに免じ大目に見てやっていただきとうごわりまする。
やっぱり堀江の子には船場言葉は難しおますなぁ・・・。

ともあれ、何とか終われましたわ。
これでしばらくは大丈夫。(何が?)

2005/02/03

年神(トシガミ)-1


年神(トシガミ)-3

2015-01-18 12:39:25 | 支離滅裂- 迷想迷夢-年神(トシガミ)

知~らんで、知~らんで! 
<お断り>
例によりまして、記事の内容は特定の団体や個人とは全く関係ございません。
たまたま同名団体や個人が実在しておりましても、全くの偶然です。
アレレ?と思い当たられる方があってもそれは思い過ごし、決して貴方がモデルでは有りません。
</お断り>


「そうは言うても元が違うがな」
「そういう考え方はよろしくない。そもそも、あんたらも元々この国で湧いた訳や無い。大陸とつながってた頃から居てた連中に、南の島から流れてきたか、大 陸から渡って来たんがミックスジュースになったんやがな。辿り付いたのが早いか遅いかの違いだけで五十歩百歩、目糞鼻糞で同じでっせ。そう思えば日本国内 の民族差別がいかにアホらしいかが判りますやろ」

「ほぉ、ただの不細工な神さんかと思えば、中々言いますなぁ!そらボウフラやセンチムシ(雪隠虫)やあるまいし湧きはせんけど・・・、すると大陸でも門松立てるんでっか?」
「それが話せば長い事ながら、大陸に居った頃は『年(ニェン)』というて凶暴な怪物やったんやそうな。赤い色と大きな音が嫌いでな。いやいや、これを話し出すと長うなるから、あんた暇な折に自分でWebで調べなはれ。」
「Webで調べぇてかいな!神さんもエライ事を知ってますなぁ。」
「知らいでかいな、天の下神の知らぬ事は無いんじゃわいやい。」
「又エラソォに。先刻ハエ叩きで落とされたんは誰やってん?」

「ところで来る時に門松に降りたのは判ったけど、帰りはどうしはりますねん?」
「それがやなぁ、ほんまは門松や注連縄を燃やす煙に乗って帰るんや。ところが最近ほんまもんの正月が来る前に門松を燃やされてしまうから、止む無くキリシタンバテレンの暦の正月だけで、子孫に充分な福を授ける事も出来ず、心を残しつつも涙を呑んで帰るんやがな。」

「帰るんやがな、て貴方居残ってますやんか」
「そう、大事な子孫に五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄の幸をキッチリ授けようと思うてな、実はこの所お宮さんで燃やす松の落ち葉の煙に便乗して帰ってるんや が、あれは鈍行やからまだるっこしいていかん。以前、濃い煙が立っててあれなら速いかいなとウカッと乗ったらゴミ処理場のでなぁ。体中湿疹が出来て参って しもた。」
「それはご苦労さんですなぁ。ほんなら今年はウチの庭で、松の枝燃やしますよってそれに乗って帰りはったらどないです。」
「そうしてくれるか、それは助かるなぁ。お礼に念を入れときまっさ。五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄、五穀豊穣、家内安全、子孫繁栄、キエェ~~~イ」

「ところでその松は何時燃やしたらよろしいねん?」
「一月の十五日にお願いできるかいな?」
「それはもう済みましたがな」
「そやから、毛唐の暦や無しにほんまもんの方の一月の満月!」
「え~っと、ということは二月の二十四日かいな?」
一月の十五日いうてますやろ、判らんお人やなぁ!」
「エラソウに五月蝿う言うねんやったら、鈍行か痒々の煙で帰りまっか?」

「鈍行で帰るくらいやったら、このまま来年まで居てよかな?」
「判った判った、燃やしますがな。近所のマンションから煙たいといわれようが、ド~ンと燃やすよって、そういう不埒な考えは捨てなはれ。早よお通り」
「そないにホイト(乞食)を追うように言うもんやない。わしが居てたら賑(ニ)やかしいてエエで。力仕事はようせんが、留守の時の宅急便の受け取りくらいはするがな。」
「あんたがハンコもって出て行ったらクロネコが腰抜かすわ。」

「いやあの黒猫は腰抜かすどころか凶暴やで、先日も寝込みを襲われて、追い廻されて酷い目に遭うた。」
「今年はイタチが元気エエなぁと思うてたら、夜中に天井裏を走り回ってたんはあんたでしたんか!」
「走ってたんは黒猫、わしは飛んでたんやがな、寝呆けてたよって時々柱やら梁にぶつかりはしたが、そないに音は立ててない。」
「そんな事無い、家鳴りしてましたで。あのねぇクロネコ言うのは宅急便ですがな。」
「それなら宅急便と言やぁエエのに、クロネコてな事を言うよって。そういうズボラな言い方をせずに折り目正しくヤマト運輸と言いなはれ。エエ年こいてるねんから・・・、アッ!蝿叩きなんか持ってどうしますねん」

「五月蝿い事いうからお仕置きをしょうかいなと」
「もし、私お前(マ)はんの先祖で、その上神さんやいうのんお忘れやおまへんか?」
「忘れてないけど、賢(サカ)しらげに説教めいた事を言うのが勘に触る」
「けれこれ、ご先祖をそまつにしたらあきまへんで」
「オバアちゃん、こいつが先祖に見えるかえ?」
「いっかな見えへんけど、本人が言うてますがな、なんまんだぶ、なんまんだぶ」
「そうそう、私を大事にせんと罰が当たりまっせ」
「自分で言うてりゃ世話がないわ。子孫に財宝も残さんどころか、マゴの怪我さえもよう防がんわ、髪の毛の抜けるのんすらよう防がんと、どんな罰が当てられるいうねん、大きな頬桁(ホゲタ)叩きな。」
「お言葉なれど、禿はワタイの責任やない、」
「ペシッ!」

「ウヮ~ン、おっちゃんが苛めたぁ~」
「ダンさん止めなはれ、可哀相やんか。キャッ!チョット甘い顔見せたら嫌らしいしな垂れかかって、何やのんこの手は、助平!チョットあれ貸して」
「ホイヨ、ハエ叩き♪」
「ペシッ!」
「エエ加減にしなはれ、マゴが呆れて見てますがな、なんまんだぶ、なんまんだぶ、な~んまんだ~んぶ」

「ア~ン又叩かれた」
「あんたも神さんやねんから泣きなはんな、どれ涙を拭いたげよ、こっちへおいなはれ」
「年よりは厭じゃ・・・」
「ペシッ!」
「ほぉ~、さすがに卆壽がすんだらヨボついてきたかいなと心配してたが、抜く手も見せぬ中々鋭いハエ叩き捌き、いやお見事!」
「なんの、槍は錆びても名は寂びぬ 昔忘れぬ落し差し、エサアーサーヨイヨイ、ヨイヨイエーヨンヤサー♪」

さぁ、もぉこうなったら覚悟を決めた。
何処の野面で果てるとも、行けるとこまで行って見るか!
とはいうものの、内心はちと心配になって来たなぁ。
よ~し、次回はまとめるぞ!っと・・・。
まとまるやろか?

2005/02/02


年神(トシガミ)-4 (完) 


年神(トシガミ)-2

2015-01-18 12:37:10 | 支離滅裂- 迷想迷夢-年神(トシガミ)

あれれ、何処へ行くんや? 
<お断り>
例によりまして、記事の内容は特定の団体や個人とは全く関係ございません。
たまたま同名団体や個人が実在しておりましても、全くの偶然です。
アレレ?と思い当たられる方があってもそれは思い過ごし、決して貴方がモデルでは有りません。
</お断り>


「しかし又ベタな大阪弁でんなぁ。神さん生まれは何処ですねん?」
「生まれを訊かれると、はてどう答えたらええもんか?あんたの先祖がこの一身に寄り集まっておぶさってますねん。今喋ってるのは博労町生まれの部分」
「博労町?私娘時代に三和の瓦町支店に居てたんですよ。お会いした事あるかしら?」
「何せ昔の事やからねぇ、多分お会いしてないやろうと」
「しかしウチは元々九州の出の筈やで、大阪生まれとは解せんなぁ、そんな先祖居てたかいな?」

「臼杵の殿の御用で上方に来て、永らく住んでる内に浪華の女子衆(オナゴシュ)と夫婦になって、大阪で生まれ育ったのが先祖に居てるんやがな。」
「臼杵の殿て?」
「大友宗麟に決まってるやろ」
「大友宗麟てキリシタン大名の?」
「他に居てるか?」
「なんやねん、そのもの言いは、オイ、ハエ叩き貸せ!」

「待った待った、それだけは止めといて。」
「居候の分際で言葉に気をつけなアカンで。ところで、それがどういう訳で九州に舞い戻ったんやろ?」
「父親は程なく帰国したものの、乳飲み子を抱えての道中は難儀やからと実家にジュッカイ、何れ迎えに来るというてそれっきり。」
「ジュッカイとは何やいな?」
「実家の二階で厄介になるんで、足してジュッカイ」

「落語のネタかいな、変なとこで足し算せんといてくれるか。しかし、ウチの先祖にしては上手い事逃げたねぇ。親父なんぞは逃げ損ねて仰山認知してたもんやから、相続でエライ目に遭うたがな。」
「ほんまに苦労させたねぇ、おじいちゃんはそっちが達者なくせにオイドの始末がほん悪うてねぇ」
「おばぁちゃん、もうじき向こうで会うやろうから、心配せんでもちゃんと始末つけた言うといたってな」
「まさかあっちゃでも彼女作ってゴジャゴジャしてへんやろねぇ」
「う~ん、あの親父ならやりかねんなぁ、何しろその方面にかけてはマメやったからなぁ」

「これこれ先祖をそない悪しざまに言うんもんやない。新参やから表には出てきてないけれど、あんたの親父もワシの中にいてますねんで。」
「ちゃんとご先祖に逃げ方を習ろてるやろか、ウチのおじいちゃん」
「逃げたんとちゃうがな、天正十四年に島津に攻められて姻戚の吉岡氏諸共皆殺しに遭うたんや。大阪で元服して父の元へ訪ねて行ったが時既に遅し、一族は離 散した後。母子共々流浪の身。それからず~っと田地田畑財産無し、あるのは父の形見は兼友の短刀只一振りのきっぱりと清く貧しい家系なるぞ」

「何の自慢にもならんがな。してみると筋金入りの貧乏町民やねんなぁ」
「なんのなんの、嘉永までは家も無いから町民どころか、も一つ下の借家人」
「そら又ご丁寧に。しかしそないに昔の話かいな!やくたいもない、ウチのカミさんは八百比丘尼やあるまいし何百年も前から生きては無い、多分も何も逢うて るはずがあるもんか。そうか、元服いうたら十四、五やなぁ、そら大阪弁なんもしゃぁ無いねぇ。それにしても年寄り臭い大阪弁やなぁ。」
「あんにゃさんなんばいわっしゃるとね、そげんこついわれるとぐらぐらしようごとある」
「わ~い、外人の先祖もいてるんかいな?」
「いや、今のは豊前の先祖が間違うて表に出て来たんや、気にせんといてんか。」

「ほんなら豊後の先祖が出てきたら『いびしいっちゃ、あなんほげちょる(気持悪う、穴が開いてる)』てなチャッチョルの大分弁で喋るんかいな、ややこしいなぁ。それはそうと博労町というたら難波神社の氏子でっか」
「氏子といわはっても、人間の時なりゃこそ氏神さんもごわりましょうが、今となっては手前も神さんの端欠片(ハシカケ)にごわります。」
「今度は船場言葉かいな、そうや、そうや、あんた神さんでしたなぁ。」
「そうでんがなお忘れのう、そやけど実は難波神社のお札見て実はホッとしましてん」

(待てよ、天正年間に博労町があったんやろか?それに難波神社が今の場所に移ったんは天正十一年(1583)氏神も何もお宮さんがまだ引っ越して来てないやんか、それに回りは湿地帯やったかも知れんなぁ。中々微妙な時期やねぇ。まエエか歴史の教科書でもあるまいし。)

「カミさんでもお札見てホッとしまっか!」
「お札があるくらいやから、少なくとも日本の神さんに敵対心を持ってない事は確かやもんねぇ。去年は一週間早う間違えて、ここはさすがにまだ門松が無い し、ひょっとみたら近所に立派な門松はあったよって、チョッとここで待たせてもらおうと留まったら、これが何とクリスマスツリー。おまけにヤソ教のきつい 家で、一番苦手なア-メンのお祈りと賛美歌攻めに遭うて死ぬかと思うた」

「神さんでも死ぬか!ところで近所で大きなクリスマスツリーといえば?おぉ、古墳の裏にある末日聖徒のモルモン教会やがな。選りによってエライ所へ!キリスト教はあきませんか?」
「そらそうでんがな、キリシタンに限らず『自分らの神以外は邪神や!』てな事言う偏狭頑迷な連中に掛かったら、私等を悪魔と同類の邪神やと言いますねん で。ああいう己等だけが正しいて他は邪悪という唯我独尊、夜郎自大的な態度は感心せんねぇ。日月星辰山川草木全てに八百万の神が宿る豊芦原瑞穂の国に生ま れたからには、もっと多様性を認める寛闊な心を持たんとイカン。その点お宅は仏壇の傍に神棚があって、偵察したら台所に荒神さん、井戸の脇には龍神さんへ のお供え塩までしてますがな。他の部屋には天后やガルーダ、ガネーシャ、ハヌマン、仏も神も内外グチャ混ぜ何でも来いの心の広さは見上げたもんや」

「見上げたもんや、と言われても、皆目誉めて貰ろてる気がせんのやがねぇ」
「いやいや、そんな事は無い、何でもエエ所があれば喰わず嫌いを言わんと取り込んでイニャイニャして我が物にする、その欲どしさ、節操の無さこそ我国の進歩の元、発展の秘訣」
「ひょっとして、誉める振りして貶(ケナ)してまへんか?」
「あんた、相当ひねくれてるねぇ。素直に喜びなはれ」
「さよか、それはどうもお褒めに預かり恐縮ですなぁ。しかし古事記や日本書記に年神さんて出て来んかったような・・・」

「そらそうや、私の原型は日本土着の地祇(クニツカミ)やヤマトが担いできた天神(アマツカミ)と違うて、その後に大陸から来たそうで言わば華僑。いや華僑といえば国籍はそのまま中国やから、私のように同化してしまうと華人の裔(スエ)とでも言うのかいなぁ。」
「何です?あんた私等の先祖やと言いながら不法滞在の違法就労神さんでっか」
「ちゃうちゃう、それは容れ物というか最初の概念がそうやねん。昔々ちゃ~んと永住許可を貰ろて、国籍も取得ずみ。永らくこの国にいてる間に、田の神、先 祖崇拝の影響を受けて、今では元の概念の名残は全く無うなってね、認知度は低いけれどれっきとした日本の神になってますねんで。」

さぁ、困った・・・。
危ない話題に踏み込みかけてはハンドルを切ってたら、思いもよらん展開になってしまいましたねぇ。
中国話やWebは深入りしたらドツボにはまりそうやしなぁ。
まぁエエか、何とかなるやろ。


2005/02/01

年神(トシガミ)-3


年神(トシガミ)-1

2015-01-18 12:06:25 | 支離滅裂- 迷想迷夢-年神(トシガミ)

あんた誰?
<お断り>
例によりまして、記事の内容は特定の団体や個人とは全く関係ございません。
たまたま同名団体や個人が実在しておりましても、全くの偶然です。
アレレ?と思い当たられる方があってもそれは思い過ごし、決して貴方がモデルでは有りません。
</お断り>


「お茶にしょうや、ささ、皆んな来て座りなはれ。」
「マゴも一丁前に『要る~!』言うやろうから、え~っとオバァちゃんとでお茶が十やねぇ」(*1)
「うえ~ん、ない~っ!」
「何でやねん?ちゃんと孫のも用意したやろうに?誰か欲張って両手に湯呑み持ってる奴がいてるんかいな、ひいふうみいと、ん九つしかお茶が出てないで」
「そんなことあれへんでしょ。ちゃんと十いれたよ!」
「淹れたも、惚れた、腫れたも、有れへん、十までの数勘定を間違うかいな、念の為に指折り勘定して小指が折れてないのや。」

ズズズッ、ア~ッ、!ズズッ、ア~ッ♪
「オイオイ、机の下で誰かお茶飲んでるで」
「えっ?皆んな居てるやんか、他に誰が居るねんな、気色の悪い事言わんといてや。それにこの低い机の下に誰にも気付かれんと入れるわけが・・・、ワ~ッ、あんた誰や!
「熱~ッ!突然大きな声出すよって、ビックリした拍子に熱いお茶をゴクッと呑んでしもたがな!大体折角のエエお茶やのにお湯が熱すぎるよって、渋みが出てしもてまんなぁ。ねぇ奥さん、番茶やないねんから、こういうお茶は八十度くらいのお湯でいれんと勿体無いでっせ。」

「えらい納まってはるけど、あんさんホンマに誰で、、何故、何処から何時どんな風に入ってきましてん?」
「これは又物知らずな、この姿(ナリ)を見て判りまへんか?」
「勝手に入ってきといて”物知らず”とはご挨拶でんなぁ、なんです?その安手の神主みたいな貧相な扮装(ナリ)は!」
「もぉ、判ってるのに知らん振りして、イケズ!」
「気色わるいなぁ・・・。あんたみたいなオッサンにイケズ言われても、判らんもんはしょうおまへんがな。」
「今日は何の日か、よもやお忘れでは無いでしょうなぁ?ハイ、何の日!」
「机の下から人を指差しなや。どついたりせぇへんよって、とにかく此方(コッチ)へ出てきなはれ。」
みよぉ~ん♪

「怪体な出方したねぇ!もがきもせんとヌルッと出て来たやんか。それに何やいな、顔が大きいからもっと背があるかと思うたら、マゴと大して変わらん背丈でえらい頭でっかちのブッサイクなおっちゃんやねぇ。」
「お言葉なれど顔の大きさと不細工加減では貴方が上。」
「さっきの約束取り消し、何が何でも一発どつかして貰う!」
「ひぇ~っ!」
「おっ!飛んだ。カミさん蝿叩き!」
「はいよ♪」
ペシッ、ポテ。

「他愛の無い、もうちょっと手応えが有るかいなと思えば、ドン臭い奴やなぁ。待てよ落ちついて考えたらコイツ宙に浮かんでたで。ひょっとしたら只者や無いかも知れんぞ!」
「え~ん、え~ん、罰当たりめが・・・」
「えらいすんまへん、大体サッと蝿叩きを出されたもんやから、つい何時もの癖でペシッと・・・」

「あらっ、私が蝿叩きを渡したのが悪いとでも?」
「いやいや、そうやないけど、お前等ゲタゲタ笑うてんと、何とかせぇよ!」
「おろっ、とばっちりが来ましたよ。お義兄さんどうぞ、」
「えらいすんません、うちの親父は後先考えんと行動するのが若い時からの悪い癖ですねん。ところで改めてお訊きしますが、一体全体あんさんはどなたさんです」

「そやから、言うてるやろな、今日は何の日?」
「何と言うこともない普通の日曜日でっせ。」
「そうやねんなぁ、それでわたいも要らん苦労をしてますねん。後十日ほどの辛抱やが、この中休みがダレまんねんなぁ」
「もしもし、何を訳の判らん事をぼやいてますねん。あんた一体何です?」
「よっく聞け、我は年神なるぞ」
「何やねん、通し紙て、落し紙の仲間かいな」
「失礼な、年紳(ネンシン)!」
「仮面ライダーの出来損ない?」
「何で?」
「今、へんし~ん(変身)言うた」
「”へんしん”ちゃう”ね・ん・し・ん!”一年二年の年にカミサマの神。正月の神やがな。」

「え~っ、それが又なんで時期遅れに今ごろウチに!」
「そないに迷惑そうに言われると、かなわんなぁ。実は私イラチでね、一本早い便に乗ったら暮れの二十九日についてしもてん。さぁ、来ては見たものの、赴任 を指示されてる大晦日の夜明け前後までには間がありすぎる。困ったなぁ、野宿かいな、悪餓鬼のオヤジ狩りにでも遭うたらワヤやなぁ、と思いつつ、赴任先の お宅はイラチでやたけたの家系だけに『苦を呼ぶ』てな事も気にせんと、ひょっとして29日に松飾の着陸準備ができてるかも知れんぞ、と来てみたらやっぱり 早手回しに着陸場所の印がついてたねぇ。是幸いとお邪魔して、かれこれ一月になりまんねやわ。」
「おいおい、だれぞ何か印付けたか?ところでそれはどんな印ですねん。」
「玄関に男松女松を付けたであろう。あれこそ年神招来の印、依代(ヨリシロ)なるぞ。」
「急に口調を変えなはんな、如何にも言い難そうでっせ。へぇ~あれがそうでっか。」

「何やねん、知らんとしてるんかいな。今日日(キョウビ)はこういう”やたけた”なんが増えて、やり難うてどもなりまへんわ。ほんでも、まだ門松してるだ けましや。最近はそんなん無しの家が増えて、おまけにマンションなんぞ鉄扉が多いから、強行着陸するのん命懸けでっせ。皆難儀してまんねん。」
「それにしても、もう正月はとっくに済んでしまいましたで。」
「あんたの言うのは太陽暦の正月、ほんまもんはこれからやがな。」
「これからて旧暦の正月でっか?」
「旧暦?その言葉は聞きとうないなぁ。暦といえばお月さんの満ち欠けを元にしたのが真っ当正真な暦。最近は本物を知らん輩(ヤカラ)が増えたいうてツクヨム(月読)さんが嘆いてたで。」

気分転換に始めたけれど、何時もながらの無計画。
さぁこの話、無事着陸できるかいな?
「強行着陸失敗、尻切れトンボで突然お終い。すんまへん」てぇのもシュールで粋かもなぁ・・・。


2005/01/31
*1 このヨタ話をHPにアップした当時、母は存命しており、マゴ三号は生後5ヶ月、マゴ四・五号はまだ生まれていませんでした。

年神(トシガミ)-2