maidoの”やたけた”(ブログ版)

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支離滅裂-迷想迷夢-地震対策の妄言 目次 をアップしました。(2015-01-18 )、OCNのHPにアップしたのは 2005/02/19 でした。

虚々実々-喜愛香港 目次 をアップしました。(2016-11-12)
虚々実々-心筋梗塞顛末記 目次 をアップしました。(2016-11-12)
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地球の重さ(再録)

2021-11-25 17:01:53 | 支離滅裂-妄言虚説

不思議やと思いません?
地球の重さ。

嘘かほんとか、大きさは地球が出来た時は、もっと大きかったらしいけど、重さは変わって無いらしい。
そう言えば、そうかも知れん。

増えた言うても、隕石が落ちてくるくらい。
減ったのは人工衛星、探査機の類で、地球に落下せんと、行きっぱなしになった分。
いずれにしても、両方とも微々たる物。

三葉虫も、アンモナイトも死んだら分解してもとの元素になる。
それが廻りまわって、大きな顔して歩いてた、恐竜に再使用されたに違いない。

鉱物から溶け出して、生物の構成物質になったものも有るやろう。
化石のように生物の構成物質が鉱物になったのも有る。
どう変わろうと、地球上にある限り、必ず何時かは他の形、他の命を形作る部品になる可能性を持っている。

気の遠くなるほどの膨大な数の元素の集合体が地球。
同じ炭素でもダイヤモンドになったのもあるし、備長炭になったのも有る。

折角南の島で椰子の実になったと思ったら、活性炭に加工されて、冷蔵庫に幽閉された炭素もいてるやろ。
そやけど、ゴミに捨てられ、焼かれて大空に旅立てば、どんなめぐり合わせでダイヤにならんとも限らん。

1酸化炭素になって桜の木に取り込まれ、チップにされて燻製作りに使われて、ひょっとしたら私が食べるか、貴方が食べるか、はたまた運悪くゴキブリに食われるか。
偶然に偶然が重なって、地球上の全てが出来ている。

物質の世界では、無から有はうまれない。
私の、貴方の身体にティラノザウルスに使用済みの水素が居てるかも知れん。

ひょっとして、そこらへんをヨレヨレとよろぼうてる野良猫は小野小町の片割れを体内に持ってる可能性も多分にある。
南極で蹴躓いて昇天したペンギンの構成物質が、瑞穂の国へたどり着くのは大変か知らんけど、日本で死んだ先祖たちの構成物質は相当な効率でクルクル再利用を繰り返してるやろう。

分子レベルで考えたら、私が先祖か、先祖が私?
たまたま稀有な確率で私という形をとった元素たち。
それとても、うまれた時のメンバーはほとんどどっかに行ったやろう。

お~い、皆何処へ行ったんや。
今、何になってるねん。

同窓会したら、すごいやろね。物凄い数やろね~!
いろんな物あつまるで。中には汚いもんになってる奴も居るやろねぁ。

「アレッ、シュワルツネッガーさん、なんで?」
「私日本でステーキ食べた。その牛、貴方のXXxXかかった草を食べてたみたいで~す!」
「ワッ!羆も居るがナ。」「この自動車何や?何鉄板に混じってる?」

「エライこっちゃ!海が私も言うてそこまで来てるで。」
ブクブクブク・・・・・

 

初出:2002/01/19
再録:2021/11/25


1年経って(再録)

2021-11-14 11:37:57 | 支離滅裂-妄言虚説

Webの世界に、物の弾みで紛れ込んで、ヤットコセ1年経った超駆け出し。
闇夜に手探りしながら、時々、ドブにはまったり、躓いてコケかけたりしながら、諸先輩の照らしてくれてはる明かりを頼りに、何とか運営して来ましてん。

ところが、サイト運営のお作法が、未だに今一判った気がしませんねん。
「何を今ごろ寝ぼけた事を!」と笑われても、ホンマやからしょうがない。 オッサンのたわ言やと思てちょうだい。

最近、Webで、ちょっと気になることが有りましてね。
Webで有ろうが実生活であろうが、したらイカン事は一緒ですよねぇ。
話の腰を折る、まぜっかえす、その他諸々。
この位なら大丈夫と思ってたら地雷を踏んだり、おっかなびっくりが過ぎて慇懃無礼やと怒られたり。
実生活では、満身創痍になりながら、何とか今日までやってまいりました。
喋りで、撃つ弾の数が多いから「ゴメ~ン!」言うのも頻発しますねん。
問題は人それぞれ、冗談ですむか、すまんかの境界が判れへんとこです。
おかげで、自分なりの自主規制が、少しは出来るようになったんとちゃうかな?
ホンデも、時々暴発、誤爆が有って『口は災いの元』。
けど「黙っとって相互理解が出きるかい!」と反省の色も無く、相変わらずの喋りやけどね。
まぁエエか・・。

PCの場合は『指は災いの元』?何か変やなぁ、
ところで、サイトて~のは電柱に貼ったビラみたいなもんで、誰が見るか判れへん。
中には、人が一生懸命作ったんに落書きしたり、破ったりするアホンダラも居りますしね。
となると、親、子、兄弟姉妹、親類、友達、知人、通りすがりの赤の他人、宿敵、天敵も見ることを想定せんとあかんのですね。
下手にエエ格好して嘘書いてたら、何処でどうエライ目に遭うやら判りません。
無知、思い違いが原因の間違いは「エライすんまへん」と謝って訂正したら許してもらえるかも知れん。
そやけど、最初から人を騙くらかす気で、嘘をかいたらあかんでしょう。
創作、戯作やったら、最初にそう断っとくんが無難でしょうねぇ。
「事実に基づいてたら何でもOKか?」いうても、自ずと限界がありますわなぁ。
もっとも、この限界は十人十色。
ハラワタ曝け出しても平気な人もいてるし、小指の爪でも見られたら恥かしい言う人も有ります。
ほんなら、雨戸閉めて家にこもってたら良さそうなもんやけど、サイトを持ってるんですねぇ。
中途半端な匿名性があるからか、何か特別の世界みたいな錯覚を起こしてしまうんですなぁ。
虚構の世界で遊びたい人も居てはるのやろうし、それは自由でっせ。
他人を不愉快な気分にさせへん限り、好きに楽しんだらエエと思います。
まぁ、その手の所には行けへんから、ど~でもエエねんけどね。

この頃になって感じるのは、面と向かってやったら、張り倒されても不思議は無いような事を、Webやと、うっかりしてしまう危うさがありますねぇ。
今ごろ気付くのんは、手遅れもエエとこでんなぁ!
BBSのレスも、一画面に収まらんような書き込みもシンドイけど、短すぎるのんも難儀です。
「はて?どういう意味かいな?」とオッサンは感が悪いからレスに困りますねん。
サラス気は毛頭ないけれど「何でっか?」とも書けんし、トンチンカンでも具合悪いのとちゃうかいな?と思うてる間に、コロッと忘れて「ゴメ~ン!」て~のが有りました。
そうか!外れでも何でも、とりあえずRESをつけんと失礼なんや!
そやけど、盛り上がって、レスが延々とつながってる場合はどうなんやろう?
「トメ焼香」みたいに管理人が最期に「トメレス」つけるのがエエんやろか?
諸先輩教えとくんなはれ!

Webのかなわんのは、言葉が行きっ放しで、返って来ん限り、ちゃんと伝わったんやら、誤解されてるのんやら、怒ってるのんやら、喜んでるのんやら判らんところですわねぇ。
マトモにしたら「マジレス格好悪~い!」てな事いうお方が居てるかと思えば、反対に「オチョクッとんのか!」と気分を害する方もあるしねぇ。
「ワシ気ィ悪してるねん!」とメールでも貰ろたら判るけど、それっきりで音信不通にでもなったら後味悪いでしょうねぇ。
先輩が言うてはった「間合い」とか「宇宙人」てのはこういう事も関係してるんかいな?
幸い、そんな事態にまだ遭遇してないけど、それって、凄いラッキーな事らしいでっせ。
それとも、無神経で気付いて無いだけかな?
今まで、あんまり気にしてなかったけど、チョットは気をつけよ~っと。
と言いながら、指まかせの乱れ打ちやけどね。

2002/11/10


国についての妄言-11 ところで国て何やろ?-3(再録)

2021-07-24 16:05:49 | 支離滅裂-妄言虚説

それならば、動物学的な人種で国を形成すれば良いかと思えば、是は民族よりももっと難物。
自然界で人間ほど交雑しやすい種は無いのではないかと思うほどで、所謂「純血種」などは現実には存在しない、と言っても間違いではないでしょう。
人種が違うといっても、動物学的には同じヒト科の一属一種の中での事。
人種による差というのは、雑種のワンコロの毛色や顔付きの違い程度の物でしかないんですねぇ。

それを無理に分けるとなれば、コーカソイド(白)、モンゴロイド(黄)、ニグロイド(黒)ではあまりにも大まか過ぎるでしょうし、オーストラロイド(オーストラリア原住民)やアイヌ等のどの区分に入るかの定説が無いものや、それぞれ多種多様な混血をどういう基準で何処へ分類するのかという難問があります。
細分化すればしたで、部族とも呼べない小集団になって、ここでも又混血の問題が出てきます。

様々な文化の差異を無視して人々を種だけで括るというのは、何よりも人類の文化への冒涜で、あまりにも馬鹿馬鹿しく、現実的ではありません。

民族も人種も決め手にならないとすれば、宗教?
是こそあまりにも細分化されすぎていて、全世界にモザイク状に分布している現実や、同宗異派の対立の激しさを考えれば現実的では有りません。
その上我が身を思えば無神論とまで行かずとも、それに近い人々にとっては全くの空論に過ぎません。

政治的な信条というのは、宗教と非常に近似しているので、これも決め手になり得ません。
社会主義国家の勃興と終焉を見ると、理想を掲げて単一の政治的な信条で国家を運営するために旧勢力を打破しても、権力を握るとやがて変質腐敗し、己が打倒した旧体制に近いものになって行くようです。
当初の理想を守ろうとする所謂「原理主義」は、極端に走り暴力的となり。到底為政者の道とはなり得ないことも宗教の場合と酷似していると思うんですがねぇ。

困ったことに、現実の世界には成立の経緯が様々な国が存在しています。
とくに他の国々の政治的戦略的な意図や力関係によって独立させられたり、併合あるいは分割された国では、内外での紛争が常に勃発しています。
この状態を解決するには、多様性を認め合い、それぞれの立場を尊重するしかないんですが、これとてもルールを無視するのがいたのでは夢物語。
悩ましいことにそういう手合いが必ず出てくるんですなぁ。
こうなってくると、そもそも「国」という区分けが必要なのか?という疑問さえ起きてきますねぇ。

乱暴ですが「国」をもっと身近な物に置き換えてみると町内会ですなぁ。
タコ部屋みたいなアパートだけで町内会やというて、ヤクザみたいな奴が町内会長。
稼ぎは召し上げられて、それでも足りんかったら近所の町内会を脅してお金を巻き上げてくる。
かと思えば、ボスが居座って、たいしたこともせんのに高い会費を取って、他所の町内会にはエエ格好して、贅沢をして、住民は不満。
そうかいうて、役員改選しても取り巻きどもが票を纏めるから結局は大して変わらん。
町内会は有るものの、住民はバラバラ、何軒か気の合うもの同士で固まって、お互いにしょっちゅう揉める。
大きな町内会で、払った会費に見合う仕事をしてくれるのは結構やねんけど、他所の町会のやり方がイカンと喧嘩を始める。
言うたら何やけど、無い方がエエ町内会もあるのとちゃいますか?

町内会の役員は回り持ちで、当たった人は誠心誠意で手弁当、細かい取り決めが無うても住民の程度がエエので、上手いこと治まってる。
こうは中々いきませんねぇ。

国家が徴収する税金と暴力団が脅し取る場所代は、合法的か非合法というだけで、権力(暴力)を用いて働きもせずに他人の稼ぎを無理やり横取りするから同じだ、という説がありますね。
暴力団が競争を通じて独占的な地位を確保すれば、国家という名を得るようになる。(ピエール・ルミュー)
固着した盗賊集団の定期的な略奪行為の歴史が積まれて、「税金」との名で包装された。(マンサー・オルソン)
なるほど、我が国の場合も、国という組織の第一目的は、お上が国民から金を吸い上げる道具、という気がせんでもないねぇ。
これは明治維新がお上の入れ替わりでしかなかったということかいな?
それにしても官が多すぎまっせ、重心が上がり過ぎると転覆するよ。

さて気を取り直して、「国」という管理組織をかんがえると、そういう組織は必要充分な機能を果たすことが出来れば、出来るだけ小さく安上がりなのが良いことは間違いありません。
それでは、どんな形態の国がよいのかとなれば、理想には程遠く、多くの問題を内包しているとはいえ、アメリカ合衆国の形態が一つのヒントになるように思います。

各州は文字通り多民族で構成され、立法、司法権をもって連邦を形成しています。
自治領は、市民権を持ち米全国への旅行や移住は自由です。
ただし大統領選挙での選挙権は無く、上下両院議員を議会へ送ることは出来ません。
国家元首は米国大統領で米国が外交、防衛権を持ちます。
自治政府は選挙で選ばれ米国内法と抵触しない範囲での内政自治権を持ちます。
自治領が連邦の一員となる事が可能と認められれば準州に、次いで州に昇格しそれに伴って義務と権利、責任が増します。

もう一つのヒントはEU(European Union=欧州連合)です。
果たして欧州連邦(European Federation)にまで進化できるか?期待を込めて眺めているんです。

それでは、アジアでEUのようなものが出来る可能性となると、これは幾ら楽観的に考えても難しいでしょうねぇ。
中共の唱える「一国二制度」をそのまんま受け取るほど脳天気な人はいないと思います。
一党独裁である以上中共政府=中国共産党で、外交を含むの全て方針は中国共産党規約から逸脱することを許されません。
そしてそこには、

社会主義の道を堅持し、人民民主主義独裁を堅持し、中国共産党の指導を堅持し、マルクス・レーニン主義と毛沢東思想を堅持するという四つの基本原則は、われわれの立国の本である。
社会主義現代化の建設の全過程において、四つの基本原則を堅持し、ブルジョア階級の自由化に反対しなければならない。
2002/11/14、全人代で一部改正採択(人民日報より)

ということが繰り返し謳われています。
香港では既にこの原則へ向かっての軌道修正が行われつつようで気懸かりですねぇ。
一貫しているのは中国共産党による覇権の確立であり、その根底には全アジアの共産化を目指した中国共産党工作要綱の亡霊が未だに潜んでいるように思えます。
さすがに昔のようにマレーや、ボルネオ、返還前の香港で猖獗を極めた共産ゲリラによる戦術は取らないでしょうが、事あるごとに「武力行使も辞さない」と臆面も無く恫喝する姿勢はまだまだ続くでしょうねぇ。

日本も含めて、自由主義世界での民主主義も未だ成熟しているとはいいがたく、こういう連邦制が世界規模で広がる可能性はといえば、紛争解決に武力が幅を利かし、いわんや部族抗争に明け暮れている国すらある今の世界の状況では「否」としか言えないのが残念です。
しかし、「何時かは出来る」という夢は持っていたいですねぇ。

国についての妄言-10 ところで国て何やろ?-2(再録)
2004/12/22:初出(旧OCNホームページ)
2021/07/24:再録

【あとがき】
国についての妄言(再録)は今回で最終回となります。浅学菲才を顧みず、思う所を只書き散らしただけで、我ながら支離滅裂、妄言にも程があると呆れております。
香港が危惧していた通りとなり、ミャンマーも先が見えません。中共は”一つの中国”という手前勝手な主張を振り廻し、恫喝と横紙破りの戦狼外交を進めています。
覇権主義が通用しなくなる日は来るんでしょうかねぇ?


国についての妄言-10 ところで国て何やろ?-2(再録)

2021-07-13 11:34:30 | 支離滅裂-妄言虚説

単一民族国家であるという幻想、あるいは単一民族国家でありたいという願望は、多様性を認めない偏狭な民族主義の産物ではないんでしょうか。
民族主義が度を越すと、他者に対して理由(ユエ)の無い優越感を抱き、蔑視迫害につながるので恐ろしいですねぇ。
そして又、困ったことに度を越しやすく、制御し難いんですなぁ。
しかし、人々を結束させるにはある種の宗教と並んで、手っ取り早い手法らしく未だに使われているみたいですねぇ。

個人の資質に拠らない、人種や外見的な差異による優越感は、誰しもが安直に擬似的な誇りを持てるので歓迎されやすいんでしょうなぁ。
ところが、その優越感でもって蔑視迫害された側は、理不尽なだけに強い怒りと恨みを抱いてしまうんですよ。

誇りを持つということは決して悪いことではなく、それどころか誰しもが持つ人間の獣性を制御するには絶対に必要だと思います。
ところが「誇りを持って、常に己を高く持する」というのは凡人には中々難しいんですねぇ。
その積りでもチョイチョイ欲望に負けてしまうし、群集の一人となるといとも簡単に消し飛んでしまいがちなんですよ。
今でも時々負けたり、消し飛ばしたりしてますねぇ・・・。

要は自分の価値観、美意識を何処まで確立できるかという問題でしょうなぁ。
たとえ未完成で矛盾が多く、グラグラしていても皆無よりはましやと思います。
ただし、これは素材は人様の物でも、一応は自分なりに消化した物でないとイカンでしょう。
その辺はあまり周囲とかけ離れていない範囲での話ですがね。

自分でウンウン考える手間を惜しんで、出来合いの既製品で間に合わそうとすると、不良品を掴んで、社会生活に問題が起きたり、犯罪者とされる恐れがあります。
そういう例は宗教団体や往年の学生運動に見られましたねぇ。
場合によっては鉄格子の入った病院に収容されるやも知れません。

とはいえ、中には法がどうであれ、信ずることを押し通さねばならない事も有り得るんですなぁ。
その時は腹を括って覚悟を決めて、やらんと仕方ないでしょうねぇ。
もしくは何とかやらずに済む理屈を捏ね上げて、自分を納得させるかでしょうが、いずれにしてもそういう事態に陥らんことを願いますわ。

他者による処罰に対する恐れも獣性を制御しますが、一旦処罰される恐れが無くなると、人間がどれほど残酷になれるかの例は無数にあります。
そんな時の制御機構の一つが人間としての誇りなんでしょうが、偉そうな事を言ってっても果たしてそういう場に立てばと思うと・・・。

話がそれてきたので元に戻しますが、民族としての誇りや優越感は方向を間違うと驕りとなります。
そして、他民族の文化、生活様態を否定し、自分達に同化させようとするんですねぇ。
いかに善意であっても、好まない文化を押し付けたり、無理に同化させようとすれば、反発、敵意を産むことになります。
相手が自身の文化、生活様態に誇を持っていればいるだけ、性急に同化を進めると大きな反発が起き、それを押さえ込もうと力を行使すると、憎悪が生まれてしまうんですねぇ。

台灣、朝鮮半島をはじめとして近隣諸国に、太平洋戦争の一時期に強引な皇民化運動を行なったのは、残念ながら近代日本の大きな失策でしょうなぁ。
帝国主義と覇権主義がせめぎ合っていた時代に、日本が他の民族や文化に対する寛容性をもっていればなぁ。
たとえ同じ敗戦に終わったにしても、連帯感を残せたと思うんですがねぇ。
夢物語でしょうが、もしもそれを契機に例え敗戦後でも、良い意味での大東亜共栄圏が誕生していたら、と思いますなぁ。

こうして見ると現代の世界において、民族で国を括る事はは殆ど意味がないという感じが強くします。
となれば、いよいよ「国というのは何やねん?」というのが判らんようになるんですねぇ。

さて民族だけでもこんがらっがってるのに、それに国家という得体の知れん物がくっつくと、尚更ややこしい事になります。
民族国家というのは「資本主義の発達に伴い、市民階級の経済力が強まって、封建領主や他民族の支配が打破され樹立された、民族として統一された近代国家。」であると小学館国語大辞典には書いてあるんです。

この「民族として統一された」というのに引っ掛るんですねぇ・・・。
世界中で起きている紛争を見れば、現実には「多数派、若しくは有力な民族が他の民族を押さえつけて、あたかも統一されたかのごとく見える」というのが本当の所やないんですかねぇ?
「民族としての統一」に無理があるというのは、本来同一でない民族を外部には同じであると言いながら、国内では平等に扱っていない、もしくは強制的に同化させようとするから揉め事が起きるんですなぁ。

それなら「民族自決主義を採れば良い」というのは簡単ですが、同一民族が数カ国にわたって居住していたり、アフリカのように1000を越す民族・部族が存在していたりすると、中々そうは行きかねます。
支配民族と従属民族が画然と分かれていた旧植民地や、属領などが民族自決を要求して独立しましたが、その多くが国内で新たな民族自決を旗印とする所謂民族解放戦線との紛争を抱えてるんですねぇ。
まったく民族という概念は曲者ですなぁ。

ウィルソンが1918年(大正7)1月に声明した「14カ条」は、総論的には間違い無いものの、各論として現実の紛争に当てはめて解決できるか?というとそう簡単には行きません。
例えば国境を接する数ヶ国に跨って同じ民族が居住している場合など、各国の利害が絡まって「各民族はその政治的運命をみずから決定する権利をもち、他民族による干渉を認めない」という民族自決の原則は到底現実に適用できるものではありません。

民族自決主義の理念は正しくても、肝心の主語である「民族」をどう考えるかで団結、分裂どちらのスローガンにもなるから、事はより面倒ですねぇ。

2004/12/21:初出(旧OCNホームページ)
2021/07/13:再録

国についての妄言-9 ところで国て何やろ?-1(再録) ⇔ 国についての妄言-11 ところで国て何やろ?-3(再録)


国についての妄言-9 ところで国て何やろ?-1(再録)

2021-07-08 07:04:47 | 支離滅裂-妄言虚説

さて、改めて国て何んやねん?と考えてみると実は判ってるようでよう判れへんのです。

1988年(新装版)、小学館国語大辞典によると国には3種類あるそうで、
nationは一つの独立政府の下にまとまったもの、
stateは主権のある国家、
countryは人が国民として帰属するところ。
これを日本語では引っくるめて「国」というてるんやそうです。

その国とは何かというと、
一定の地域に住む人々を支配、統治する組織。
特に、近代、一定の領土を有し、そこに居住する人々で構成され、一つの統治組織をもつ団体。
地球上の各政府の統治権下にある土地。
基本条件として、国民・領土・統治権の三要素を必要とする。

と書いてあるんですなぁ。
なるほど、判ったような判らんような・・・。

基本条件を順に考えるとなると、まず国民ですねぇ。
よく「民族自決を要求して・・・」という言葉を目にするんですが、この民族という概念は時によって種族と混同されているような気がします。
民族というのは、同じ文化、生活様態を持つ集団であって、動物的な分類である人種とは別のものの筈です。
民族の結びつきは共通の文化的伝統や歴史を持っているところから生まれるんですねぇ。

「共通の文化的伝統や歴史」にどれほどの振幅を認めるか?これは難しい問題です。

第二次大戦終結時、朝鮮半島は38度線以北はソビエト連邦が、以南は米軍が進駐しました。
北部ではソビエト領内の朝鮮族を含むソ連軍が各地に人民委員会を設置共産主義を基にした軍政を敷きました。
1948年9月、金日成を首相とする朝鮮民主主義人民共和国が成立しました。
一方南部では、1948年5月米軍の軍政の下で、国会議員選挙が行われ、李承晩を大統領とする大韓民国が独立しました。
以後、朝鮮戦争を経て50数年間、「文化的伝統」は一部共通して残っているとはいえ、「歴史」「価値観」は全くといって良い程異なった時代が続いています。
南北の双方とも自国の領土は朝鮮半島全域であると規定して、民族統一を悲願としているんですね。

同じように共産主義(社会主義?)と資本主義に分かれた中共と台灣の場合は少々異なります。
蒋介石率いる国民党が実質的な進駐軍としてやってきた台灣では、戦時体制が長く続き「大陸反攻、民族統一」などのスローガンが街角を彩っていました。
しかし大陸とは桁違いの経済発展を遂げ、内省人の李登輝が国民党総裁となり、国民党が外省人の代表であった時代が終わると台灣独立の機運が再燃しました。

第二次大戦後、一度台灣独立の運動が起きたのですが、当時の国民党に徹底的に弾圧されてしまったんですねぇ。
最近は政府主導で台灣人としての意識を高めようとしています。
そしてその台灣人とは河洛、客家、原住民、大陸の他の省籍出身者、外国籍の新婦などの入籍した外国人の五大族が和したものであると陳水扁総統が表明しています。

以前中華民國談漢滿蒙回藏五族共和,但在台灣的中華民國則是談新五族共和,即河洛、客家、原住民、來自大陸的外省籍和外籍新娘等入籍的外國人五大族群。
台灣、中央社2004/11/28

国名を「中華民国から台灣にしよう」とか国有企業の名称を「中国〇〇」や「中華〇〇」から「台灣〇〇」に使用などという意見が出てきています。
もっとも今回の選挙(2004年:再録時注)で中華民国の社稷を守る国民党が優勢やったから、そう簡単には変わらんでしょうがね。

こういう相反するように見える現象を目の当たりにすると、ますます民族というものをどう考えればよいのか判らなくなりますなぁ・・・。
台湾には独立国であった時期が無かったから、という説もありますが、それでは朝鮮半島に正真正銘の独立国と呼べる国が歴史上存在していたのか?てなことを迂闊に言い出すとエライ事になるので、この件はいずれ準備を整えてから別立てということにします。

それはさて置き、100%同じ民族だけで構成されている国が単一民族国家なんですが、現実にはそんな国は存在していないんですね。
少数民族を内包していても、その他の圧倒的多数(約90%)が同一民族であると条件を緩めたところで、世界中の国で単一民族国家は10%有る無しという説もあります。
この条件を当てはめると、中共や日本は単一民族国家ということになります。

中共は漢族が94%(1999年統計資料、一説では92%)を占めているといいます。
ただし、漢族てのは大変定義があいまいで、仮に「漢王朝の国民であったものが漢族である」として前後漢の最大版図を適用すれば、西域から朝鮮半島北半の諸民族は全て漢族ということになります。
漢族を「種族を問わず漢化した者」と拡大すれば南蛮、西胡、北狄、東夷も含まれますね。
加えて漢化もピンからキリまで、どの程度まで漢化したものを漢族と見なすか?そうなると、いよいよ何が何やら判らなくなります。
後漢などは沙陀突厥出身の劉知遠が建てたといわれているので、トルコ族の王朝のようです。
これをも漢族というのは、あまりにも無茶ですわねぇ。

秦の中国統一時の版図は大まかに現在の省でいえば、遼寧、河北、河南、山西、山東、陜西、四川、湖北、安徽、浙江、江蘇なので、この一帯の民族を広義の漢族と見る方がまだしも納得できそうです。
それにしても、秦代ではタイ族やメオ族は揚子江流域に居たと言う説もあるんですよねぇ。
漢族94%というのは、少数民族と認定した人口を全体から引いた残りを漢族と見なしたという事でしょうね。
はっきり言って甚だあいまいな数字やと思いますなぁ。
それはともかく、中共自身は54種類かの漢族以外の民族を抱えた多民族国家であると称しています。

韓国の場合、現実には地理的な環境も有って華僑も多数在住しているのですが「サッカーのヒディング監督に帰化してもらおう!運動」が巻き起こったことで象徴されるように、多民族国家であるというよりも単一民族国家でありたいという気分が強いようです。

日本では外国人登録者180万人、比率が1.5%(2004年統計資料)で、この中には帰化した外国人は勿論入っていません。
数値がどうあろうと、日本は多民族国家であるという自覚が必要だと思います。

民族の定義に釈然としない気分を残しながらも、民族という言葉を使わざるを得ないのは甚だ忸怩たるものがあるんですが、まぁエエか。

2004/12/20:初出(旧OCNホームページ)
2021/07/08:再録

国についての妄言-8 説明と認識不足ちゃう? 続(再録) ⇔ 国についての妄言-10 ところで国て何やろ?-2(再録)