この十年間余り、来年は生きていないだろうと思って、一年、一年生きてきた。こういう意識が、ぼくをどれだけ深化させたか知れない。この初心に還る必要さえあるかもしれない。逆説的だが、ぼくの元気は
ここに(この意識に)負うていたのだ。人間、何のおかげで生きているかわからない。だから、どんなときでも、現在から汲めるものを汲む。絶望だって生の根源になることがあるのだ。じっさいそうしてきた。
いまのぼくは、勉強の計画なんか立てている。
ぼくの体は薬害のために異常だが、何かをやっていると安定する。ぼくの安定は自然にあたえられているものではない。じぶんでもそのことを忘れているときがある。だからこのことを書いておくことは意味がある。書いて自覚していれば揺るがないですむ。