前潟都窪の徒然草

折々の社会現象に対する所感、随筆、アフリエイト

中国・「世外桃源」の民族舞踊

2009-08-17 08:53:23 | 海外旅行
水墨画の世界を漂うような桂林の漓江下りを終着港陽朔県で終了した。一泊して翌日「世外桃源」と称する観光地へ行った。
当時の日記を以下に引用する。

 今まで経験した川下りで今回ほど風景を堪能したことはなかった。

 漓江下りの終着港陽朔県で一泊して翌日「世外桃源」と称する観光地へ行った。川に囲まれた田園の中には少数民族が木造の建物に民族衣装を纏って自給自足の生活を送っている。観光客が舟で通ると川べりの舞台へ民族衣装を纏って現れ民族舞踊を踊って歓迎してくれる。
 

周囲には鋸の歯状の奇岩でできた山々が連なり、地味豊かな緑の田畑には折から赤色の桃の花がそちこちに咲き誇っており、木々は淡い緑色の新芽を一斉に萌え出していた。川では女性達が砧を打って洗濯をしていたり、男が投網を打って漁をしていたりする。庭先には鶏や豚が餌をついばんでいる。一見別天地の観があり、陶淵明が桃花源記に描いた理想郷さながらののどかな田園風景が展開されていた。

 しかしよく考えてみれば、彼が描いた桃源郷には現在のように観光客が群れをなして訪れることもなくひっそりとしていたことであろうし、ましてや展示館に伝統の機織り機を持ち込んで若い娘が機織りを実演してみせたりということはなかったであろう。観光事業は手っとり早い外貨獲得の手段である。

開放政策実施以来俄に作られたと思われる休憩所や土産物売り場の建物は新築間もないものであり、トイレが清潔に管理されていた。そして民族衣装を纏った娘はしたたかに写真のモデルになりたがる。ここでも商業主義、拝金主義の汚染が始まっていた。


中国・「世外桃源」の民族舞踊N01
中国・「世外桃源」の民族舞踊N02