見えない鳥の存在: Blog版

Blog: L'oiseau Invisible
blog目的が途中から激変してしまった

Audio4-7.Juliette Greco : La chanson de Margaret

2009-07-15 | Audio-4

Audio4-7.Juliette Greco : La chanson de Margaret
Barbaraも歌っているLa Chanson de Margaretは私の大好きなシャンソン。
You TubeからGermaine Monteroで。
Chanson ecrite en 1957 par Pierre Mac Orlan et interpretee par Germaine Montero.Elle raconte l'histoire d'une jeune fille qui quitte son Havre natal pour s'installer a Tampico, au Mexique, ville ou elle se prostitue...
You Tube :
No.1 : No.2 :
La Chanson de Margaret : Lyrics :
特に最後の以下の部分、こう歌われて
感動しない大人の女性は居ないだろう。
♪Mon Dieu ramenez moi dans ma belle enfance
Quartier Saint François, au bassin du roi.
Mon Dieu rendez-moi un peu d'innocence
Et l'odeur des quais quand il faisait froid
Faites moi revoir les neiges exquises
La pluie sur Sanvic qui luit sur les toits
La ronde des gosses autour de l'église
Mon premier baiser sur les chevaux de bois.♪
私などこの辺りでBarbaraの「黒い鷲」を連想してしまうしまつだ。

若い娘がお金を稼ぐためにメキシコのTampicoまで来て、あげくに身を持ち崩して娼婦になると言う、通俗的な男が好む女の不幸話なのだが、歴史的社会的背景があると思われる。女が集まる場所には、その少し前に男達が大勢押し寄せてきているのだ。メキシコの歴史にまでまだ手が出ないので、詳しくは書けないのが残念。
・・・・・・・・・・
上の写真はJuliette GrecoとMiles Davis
二人が恋人関係だったことをご存知ですか?
Grecoがアメリカに行って目の前で黒人だと言う理由でMiles Davisが露骨に差別される現場に出くわした。あるメディアでGrecoが自分が目撃したアメリカにおける人種差別を激しく抗議しているfilmをみたことがある。若き日のGrecoの写真の、寝室の壁にさりげなくMilesの写真が貼ってあったのも覚えている。
Grecoの母は筋金入りの共産党員で心の強い同性愛者でもあった。検挙され投獄された時期もある。Grecoは母親にほとんど愛情を受けることなくあてもなく都市をさまよう少女であった。多くの出会いを通して文化人達に認められて愛と支持を受け時代が生んだスターとなっていく。
この頃のGrecoには何人も抗いがたい魅力がある。夢と理想を求め、遂には銃を取り殺傷することを仕事とする女兵士にまでなった、Grecoの母の行動者としての比類なき正義感と、それゆえのGrecoの親権者の愛に対する深い飢餓感が、Grecoの魅力を際立たせていたのだと思う。
自分の人生に自分が責任を持つという自立した女として生きようとしたGrecoの人生には,それゆえの苦く辛い想い出も数多いだろう。
Juliette Grecoに興味のある方は、翻訳された伝記も数冊出ているので、ご一読をお勧めします。
Juliette Grecoは声楽家のような発声はしない。その声にその歌にその歌手の生きてきた人生が自ずからにじみ出るように歌われるのがシャンソンなのだ。Juliette Grecoが大変歌唱力のあるシャンソン歌手であるのはそのためだ。


Audio4-4: Barbara L'absinthe

2009-06-24 | Audio-4

Barbara - L'absinthe (Lyrics)
Barbara L'absinthe (photos)
Barbara- l'absinthe (1972)

アブサンとアーティストは
切り離せないと思える時代があった。
飲んでみようとtryしたことがある。苦いと言われていたが、どうして口当たりがとてもいい。当時欧米では発売が禁止されていて、日本では普通に買えるという奇妙な状態だった。高価でもない。悪酔いもしない。Smartでソフィストケイトされた飲み物だと勘違いした。
危険なものほど、入り口は広いのだ。
アブサンはまず目にくる。印象派の画家のセンがシャープさに欠けるのもそのためだと言われている。次に体の切れと頭の切れが欠けてくる。
ランボーもヴェルレーヌもまるで水を飲むようにアブサン酒を飲んでいたとBarbaraも歌っている。
痴情のもつれからの発砲事件もアブサンに起因していたのかも、しれない。素晴らしい詩をかいて、人生酔いと狂気と意思よりも足の速い強力な愛に引っ張られて、苦渋のなかを彷徨するもまたよし、と思えるならば、L'absintheを生涯の友とするのも、またよし、である。

参照:Music Cross Talk :
Frederic Botton : L'absinthe:


Audio4-3: Barbara : Pierre

2009-06-23 | Audio-4

Barbara : Pierre Video & Barbara : Pierre 訳詞 
音が聞こえ情景が浮かびあがり、湿度までが肌に伝わってくるような完成度の高い曲。Barbaraの代表曲のひとつに違いない。
1964
Barbara chante Barbara:
Michel PortalのSaxophoneは現場で即興、なんとも言えずに効果的な役割を果たしている。
追記:2009年6月24日
参照:私自身のためのシャンソン(3)
Music Cross Talk : Pierre:


Audio4-1: Brigitte Fontaine et Jacques Higelin...

2009-06-16 | Audio-4

Audio4-1: Brigitte Fontaine et Jacques Higelin
Cet enfant que je t'avais fait (1968)
Cet enfant que je t'avais fait : Wat.Tv
お前に生ませた子供」: Le Hall
Toi Le Poete : 歌詞
昔、仏文の池田さんが「Bruxellesさん、いいレコード見つけたの」って言った。私もちょうどいいレコードを見つけたばかりだった。結果、偶然にも同一のレコードと判明。それが、このBrigitte Fontaine。
男と女のこの噛み合わない会話が、もうたまらなく素晴らしい。小説に使いたい場面だ。もう子供であることが馬鹿馬鹿しくなった。
Barbaraが自伝の中で書いているように、Hegelinはそれはそれは美しい男性だっただろうと思われる。老いが美を食潰していく悲惨を最も強くHigelinの中に認めてしまう
。-
Correspondances(3)より引用-