見えない鳥の存在: Blog版

Blog: L'oiseau Invisible
blog目的が途中から激変してしまった

Audio8-1 : Elle vendait des petits gateaux

2010-09-20 | Audio-8

Barbara "Elle vendait des p'tits gâteaux" : You Tube
Mayorで聞く。Elle vendait des p'tits gateaux
歌詞: 
Elle vendait des p'tits gateaux
1919 Elle vendait des p'tits gateaux 
古いシャンソンの資料
Barbara : Bio

追記:2010年9月20日
1919年にFelix Mayorが創唱したコミックソング。
お菓子屋でも、御好み焼き屋でも、居酒屋でも、売れ行きはそこの女の子の「可愛さ」にかかってくる。
Un jour dans sa boutique,
Un vieux monsieur entra,
D'un petit coup d'oeil oblique,
Vite, il la remarqua,
Pour parler à la belle,
魅力のある女の子と話したり、近づいたりしたいからだ。
Y'avait trois heures passées,
Qu'il était assis là,
Elle pensait, énervée,
Il ne partira pas,
Ne sachant plus que faire,
Pour le dévisser du sol,
Elle lui dit, en colère,
"Mangez ces croquignolles",
年寄りの客に3時間も粘られてお菓子屋の娘はイライラしてくる。
Elle lui dit, d'un petit air doux,
"Ben, mon cher monsieur, si vous,
N'aimez pas les gâteaux secs,
Mangez donc d'la merde avec"...
ついに頭に来た彼女は優しくも言い放つ
「硬いお菓子がお嫌いなら、糞でもつけてお食べになれば」
若い女の子の店に行って少しでも長く楽しい時間を客として過ごしたいと言うこの老人の気持ちが(なぜならそれは普遍的なものだから)分からないでもないけれど、お菓子の値段で追加の何かを求めるのは、誰が見てもあつかましいというもの。迷惑というもの。ただ加齢臭がしてくる頃から、この辺の自覚がなくなる。そしてそれは普遍的、だからこそ歌にもなる。
Et du soir au matin,
Dans son petit magasin,
ただこのお菓子屋は、(当時よくあったのかもしれないが)夜から朝まで開いている。この辺が引っ掛かる。彼女の売っているお菓子に、それぞれ何か象徴的な意味があるのかもしれない。ま、いずれにせよ、硬いものが噛めなくなるころから(悲観的になる必要はないが)女子に対する自己認識を改めた方がよい。

追記:2010年9月22日
「ナント」「黒い鷲」「いつ帰って来るの」のBarbaraしか
ご存知無い方は、このコミックソングは、意外かもしれない。
「ユダヤ人であったために、両親は強制収容所で死んだ」などという誤報も日本では広まっている。暗い歌手というイメージがある。
が、Barbaraと交際のあった歌手達は皆必ず言う。
「面白い人、楽しい人、皆を笑わせてばかりいる人、その印象が一番強い」と。Barbaraは自作の曲を歌うようになる前は、ベルエポックのコミックソングや、諧謔に充ちた歌(しかも大部分男性の歌う歌)をレパートリーに選んでいた。