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「深夜特急」沢木 耕太郎(著)

2005-07-26 00:26:23 | 
この本に影響を受けて旅に出た人は、日本にどの位いるんだろう?
そういう私も少なからず影響を受けた旅人の一人です。



二十年以上も前に一人の青年が旅をした記録が今も色あせずに、多くの人々に影響をあたえ続けている。
文章の力って本当に凄いなぁと思います。
私ももう何度読み返したか分らないですが、読むたびに旅をしている気分になれるし、読み終わるとまた旅がしたくなる・・・旅に行けない時は救いでもあり、逆に罪な本でもあります。
世界情勢も国の様子も、沢木氏が旅した頃とはだいぶ変わっているはずなのに、今読んでも全然古臭さを感じないんですよね。そして、凄く誠実に旅に向き合う人だなーと、いつも読んでいて思います。

私は『イスタンブールは居心地のよい街だった。』という一文を読んで「どんな風に居心地がいいんだろう?」と思ったのがきっかけでトルコに行ってしまった事があります。(実際イスタンブールは居心地のよい街でした)
そしてカッパドキアで偶然何人かの日本人バックパッカー青年と出会って、一緒に食事をした時に“深夜特急談議”になったんですが、聞いてみるとほとんどの人がこの本を読んでからトルコに来ていたんです。よく「旅人のバイブル」と呼ばれたりしていますが、ホントにそうなんだな~と実感しました。
そして、たとえ影響を受けて同じ場所に旅立ったとしても、決して同じ旅になるわけではなく、その人その人の旅がまた新たに生まれていくっていうところが、ますます素敵だなぁって思うんです。

私も男だったら乗り合いバスでユーラシア大陸を横断したかった・・・。いや、これは私が女だから出来なかったと言っているんじゃないんです!女性でも実際に旅した人いますし、出来ると思いますよ。
ただ実は私、とーってもトイレが近いんです。ほぼ2時間おきに行かないとダメだし、体が冷えちゃったりすると「さっき行ったばっかりなのにまた行きたくなっちゃった」なんて事になるのでホントに困るんですよ~。
トルコで「アンタルヤ→カッパドキア」の夜行長距離バスに乗った時も、やっぱり2時間でトイレに行きたくなり、どうにも我慢できず車掌さん(トルコの長距離バスには運転手さんの他にお客さんの世話をしてくれるおじさんが一人乗っている)に「トワレット!トワレット!」と懇願してバスを止めてもらったんです。
道の横にポツンと1つ食堂があって、トルコのおっちゃん達が食事をしているのが見えたんですが、その横に真っ暗な小屋があって、どうやらそこがトイレだったみたいなんですよね。
私はもうほんっとにヤバい状況だったので野ションも覚悟だったのに、一緒にバスを降りてくれた車掌さんが、さすがにここじゃかわいそうだと思ったようで「ここじゃダメだ、ダメだ!もう少し行けばスタンドがあるから」というようなことを言って私の手をひっぱって、ほとんど引きずられるようにしてまたバスに乗せられちゃったんです。
あの時のバスの振動の辛かったことといったら・・・もう言葉になりませんよ。震えがきました
特にイスラム圏の国だと女が一人で旅してるだけでも注目されるのに、その上お尻だして野ションはマズイですよね~。
女でも立ちションさえ出来れば、またはお尻をだしても注目されないのであれば、いや、私がこんなにトイレが近くなければ絶対乗り合いバスでユーラシア大陸横断してたのに~!!あぁ呪わしいこの体。

賛否両論あったようですが、私はドラマ版『劇的紀行 深夜特急』も好きです。最初『深夜特急』だと知らないで見ていて、旅ドキュメンタリーかと思ったくらい大沢たかおが自然体で演じているように見えました。
旅の始まりの時とインドの時では、大沢たかおの顔が全然違うんですよね。別人のようにたくましく、男らしい顔つきになって、旅によって役とともに大沢たかお本人が成長しているのがもの凄くよく分かりました。
「第2便」「第3便」はビデオに録画したので何度も見てるけど、もう画面がチラチラしてる~。DVD欲しいな。買っちゃおうかな・・・