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僕とマクベスのいちゃいちゃ日記っ

愛機――マクベスで綴る、日常系プログ。
小説、アニメ、遊戯王 他

colling nova プロローグ晒す

2010年07月10日 | 小説
colling nova

とりあえずプロローグを晒そうと思います。

いやぁ、中二バトル物は書くのが楽しいですねぇ。
とりあえず主人公の設定。

一之瀬未来
・高校中退
・へたれ
・妹思い
【物体を加速させる】

能力について
一、生物を加速させることはできない
二、もともと動く物しか動かせない
三、物体に触れている必要がある

新作 【colling nova】 (非通知電話)

2010年07月08日 | 小説
次の作品は異能力バトルです

粗筋
デパートの清掃員をする主人公は、殺し合いの現場を目撃する。その殺し合いに興じていた金髪の男が、主人公をかばって重傷を負い、息絶え絶えとなる。
「俺の代わりに戦ってくれ」
と頼まれる主人公。金髪の男は主人公のケータイに自分のデータを赤外線送信して死亡する。その瞬間、主人公のケータイには『速』の文字が浮かぶ。
【物体に磁力を付加する】
力を授かった主人公は、敵と戦う破目になる。敵の武器を遠ざけ、ショッピングカートをレースカー並みの速度に変化させて吹き飛ばす。主人公は辛くも敵を撃退するが、それは機関同士の激しい抗争の序章に過ぎなかった。


この異能力バトルの醍醐味は相手の力を奪うと言うことですね。つまり
【切れ味を良くする】【必ず命中する】【切れ味のいい○○が必ず命中する】

となるわけです。
異能力バトルは厨臭いと懸念してきたのですが、初めて挑戦してみようと思います。



ミッションイン こんぽた~じゅ 変更点 投稿

2010年07月07日 | 小説
どこに出しましょうww


管理人の目標は『高校二年生で受賞』なので、その布石として高校一年では沢山の作品を色々な賞に出そうと考えています。

例えそれが一時オチだとしても、投稿したと言うのは必ず自分の自信につながりますし、評価シートは貴重です。と言うことでミッションイン こんぽた~じゅはどこに出しましょう。

候補は

メディア・ワークス
来年の四月締め切りと、結構遠いい。でも、ここで賞が取れたら夢の舞台へ駆けあがれ! って感じ。

スーパー・ダッシュ
正直言って良く分からない。でも、「良く分からない作品はSDに送れ!」なんて格言がワナビの中であるので、それにあやかろうと言う試み。

メディア・ファクトリー
沢山締め切りがあって良い。お世話になってる所。ここで受賞できたらうれしいなぁ。

富士見書房
四つの中で一番望み薄。この作品には合わない気がする。でも一応挙げて見る。受賞できたらゴシックの生みの親である桜庭一樹先生に会いたい。そして「ヴィクトリカを僕にください」って言う。

有名どころはここら辺ですかね。

変更点
『テストシーンがつまらない!!』と言う苦情があるので、そこを一気にチェンジしてみようと思います。

before
 六時間目の数学のテストの山は見事当たった。榊原は全ての問題を解き終えてほっと息を吐く。これで全く的外れな問題が出でもしたら申し訳が立たない。氷見ノのシャーペンはさっきから動きっぱなしだ。
 時計を見ると、あと三十分余っていた。
 いつもなら最低五回は見直しをして、テスト用紙の裏が式で埋まる程確認するのだが、今日に限ってはそれをする気力はなかった。どうせ満点だろう、と言う慢心が無かった訳ではないが、事実、見直しをして間違いを発見したことはない。今日に限って間違えることはないだろう。

afuter
 榊原は数学教師に斬りかかる。マークシート問題の為に丸くした鉛筆の先で、数学教師の十八番である『人海戦術』を打ち破ろうと言うのだ。小テスト時間三十分に対して、配点一の問題数百! 普通に戦っても数で圧倒されるばかり、下手をしたら押し切られてしまう。
 倒れたら最後!

やっぱりafuterの方が盛り上がるよね。
売りはテストのシーンなんだから、そこだけ別の世界にワープしてもらおうww

ミッションイン こんぽた~じゅ 完成

2010年07月04日 | 小説

やっと完成しましたww

総ページ数99 の大長編! 原稿用紙240枚分です!!

いやぁ。一ヶ月くらいで書きあげましたが、もう、キャラクターが可愛いのなんのって(親ばか)

特にメインヒロインの『桐谷氷見ノ』ちゃん
・ツンデレ
・高飛車
・お馬鹿

とまぁ、管理人がグッとくる要素を詰め込みましたww

いつもは一人称が〈僕〉で、巻き込まれ型の主人公が多いのですが、今回の一人称は〈俺〉で巻き込まれ型ではなく率先型に挑戦しました。
主人公の『榊原正悟』君は
・努力家
・変人(?)
・熱い奴
と、中々いないようなキャラクター。特に【熱い奴】の項目は重要ですねぇ。冷静なキャラクターが友達を馬鹿にされてブチ切れるシーンなんて、「うぉぉぉぉ!」ってならない訳がありません。

ここから推敲作業が始まり、次の火曜日には印刷したものが出来上がります。その後[編集長]や[ニシダン]、[アンドレ]と呼ばれるラノベ愛好者の方に提出し、評価してもらいますぅ。
いやぁ、彼らには毎度お世話になってます。大切な読者様であります。はい。


……テスト中にこんなことやってていいのかぁぁぁぁあぁ!?

ミッションイン こんぽた~じゅ 完成間近

2010年07月02日 | 小説
現在MFP(メディア ファクトリー ページ)85

文字数7万6700

原稿用紙191ページです。

テーマが最高の家庭教師の話と言う、凡庸なものだったので、全部書けるか心配でしたが、ここまでくれば後は勢いで書けてしまいます。

ただ推敲が面倒くさい……。

ある程度、小さなミスは無視して先に先にと進んでいるので、直す場所が沢山ありますorZ

んじゃまぁ、一部を晒してみようかな。
勉強嫌いの氷見ノを家に招こうとするシーン。


ここから↓
  氷見ノは知らず後退した。夕焼けが校舎を照らしている。長く伸びた榊原の影が氷見ノのひざ元まで到達する。校門横の自転車置き場には、疎らに自転車が置かれていた。
「ど、どうしたの?」
「氷見ノ……」
 榊原は氷見ノの手を掴んだ。
「家(うち)に、来てくれるか」
 氷見ノは赤面した。榊原がこんなに強引な奴だとは思っていなかった。しかし、男に家に誘われたのは生まれて初めてで、高校生ともなれば、淫らなそう言う行為が日常的に行われていると言うのも知っていた。
 しかし、榊原がこのように積極的だと怖い所がある。榊原の顔を一口に表すと眉目秀麗。どこに出しても恥ずかしくない容姿をしている。髪型は古臭い感じも否めないが、筋の通った鼻に鋭い眼、一般人とは一線を画す眼光。
 有無を言わさぬ調子に、氷見ノはゾクリとした。
「で、でも、あたし達知り合ったばっかだし……! まあ、嫌じゃないけど……その……」
「……お前の了解はいらない。今日は帰さないって決めた」
 榊原は氷見ノが寄りかかっているポールを掴むと、まるで覗きこむように頭を傾けながらそう言う。氷見ノはまるで熟れたトマトのように顔を赤らめる。
「榊原っ! あの、責任、取れるんだったら……」
「そんなの幾らでも取ってやる。一人の男として面倒見る」
「はぅ! ぷ、ぷろぽーず……」
「必ず、氷見ノを、『頭良く』してやるから」

 氷見ノは榊原の手を振り払うと全力で逃げた。それを榊原は、まるで猟犬のような敏捷さで捕らえると、氷見ノの手を今度は離さない様にがっちり握った。
「氷見ノ! 頼むから逃げないでくれ! 俺は力が弱いから、お前が本気で暴れたら脱臼する」
「なにその脅し文句!? あたしはもう勉強沢山したぁぁ!」





新作公開 【夕日の彼方にバスは消え】

2010年06月24日 | 小説
ヘンリー・ジョンソン・三世と愉快なムール貝の【小説置き場】にて、新作夕日の彼方にバスは消えを公開です。

昔、ここで制作過程をUPしていた物なので、古参の方は覚えていると思いますww
ちょうど良い機会なので、全文晒ししてみようと思いました。

短編集で、四話の構成になっています。
これは乗ったら事故で死んでしまうバスに、乗客がどういう理由で乗っていくのかを描いた作品で、相変わらず悲壮感漂うものになっています。

大まかなあらすじ
第一話灯(あかり)
義理の妹と本当の兄妹のように仲良くしたいと考える主人公。
しかし、自分がどんなに頑張っても、彼女とは血の繋がらない他人にすぎない。
妹との約束を果たすため、バスに乗って……。

第二話第二話 使用人――日野口凪ゑの独白
百合風味のお話。
お屋敷に勤めることを宿命とされた女の子。
自由を求めてバスに……。

第三話先輩と僕
前回部誌に載せたものの原作。
究極のバッドエンドになっているため、改稿番が好きな人は閲覧注意。
自殺か事故か。先輩転落の真実は……。

最終話最終章 とある予言者の苦悩と苦言
晒しスレでは不評だった作品。
個人的には結構好き。
子供の主人公は時々未来を見ることができて、バス事故のことを知ってしまう。しかし、親は宗教にどっぷり浸かっていて……。



それぞれ独立した作品になっているので、気になったものだけでもどうぞ。
夕日の彼方にバスは消え 【完全版】

小説公開場所をGET!!

2010年06月22日 | 小説
待たせたなおまいら……

俺はとうとう小説を発表できる場所を手に入れたぜ!!

考えて見れば、このブログに小説をUPするのって無理があったんだよ! 記事を書けば書くほどに下に行ってしまうしさ!

でも、これからは違う。

お気に入りに入れる準備はできてるか!?

ヘンリージョンソン三世と愉快なムール貝

……タイトルでウィンドウを閉じるなぁぁぁぁッぁァァァ!!

大丈夫、年齢制限無いから!
何でムール貝なのか気になるでしょうが、特に意味はないとだけ返しておきましょう。

ここの小説置き場
で俺の作品が見れちゃいます。現在二作の短編を公開中。

高校生の書く小説だろwwって思った人も、読み終わった後は感涙の涙を流し、体中の穴と言う穴から液体を噴出させ(yr

少し熱くなりすぎましたorz

良いたことは一つ。
今後、このブログと共によろしくお願いします。

緋弾のアリア

2010年06月15日 | 小説
凄い総評をつけにくいww

最近読んだラノベの中では結構面白い方でした。アリアちゃんはオーソドックスなツンデレなのですが、やはり文句なしに可愛かったですww

あらすじ
武装探偵の育成学校があって、そこでは色々な科目(襲撃科など)に分かれて生徒が切磋琢磨している。探偵科の主人公は特定の状況下に陥ると、Sランクの武偵くらい強くなっちゃう。そこにアリアって言うSランク武偵の女の子が転校してきて……。


管理人はまだ一巻なので、今後の展開が楽しみではあるのですが……どうにも[遺伝子による力]がこれでもかと言うくらい強調され、あまつさえアリアは「力」を使いこなしていないなんて意味深な言葉を敵が言った。これはもう嫌な予感しかしませんorz

最近能力バトルが蔓延しているので、アリアちゃんにはそう言うのは止めてほしい。

で、なんで総評がつけにくいかと言うと、この本って上手い所と悪い所の上下が激しすぎるんですよね。上手い所は本当に上手い! でも、悪い所は本をたたきつけたくなります(っま、アリアちゃんが表紙なのでそんなことはしませんが)。

流れ的には


・きっとインパクトのある出だしを狙ったんだろうな……激しく滑ってるけど……大丈夫かこの本。

・ん? これはひょっとしたらひょっとするぞ?

・ああああ! アリアちゃん可愛いぃぃぃぃ ヒャァァァァ!

・この敵強いのか? なんか盛り上がりに欠けるし、無理やり感がある。

今↓
これって面白かったのか? 

こんな感じです。
正直なところ、少しカルチャーショックでした。僕が今まで読んでいたラノベは遠からず一般書寄りでしたが、これはもう確定的にラノベの中のラノベ。と言うか、ケータイ小説に近い。
安易な擬音記号の多用。それなのに面白い。不思議な感覚でした。ある種、嫉妬のような念まで抱いてしまうほどに……。

とにかく
アリアちゃん超可愛いですww

新作 空想科学少年

2010年06月08日 | 小説
空想科学少年


               1

 僕が大人になる頃には、ますます発達した科学が理想の世界を創ってくれるのだとばかり思っていた。では、理想の世界とは誰にとって理想の世界なのだろう。僕? それとも君? 
 この世界は『ロボット』の為の理想の世界となった。
 張り付いたように笑みを浮かべる同級生。試しに殴って見るとどうだろう。頭に埋め込まれた発信機が異常を発して、ものの数分で、ここらは彼らに包囲されてしまうはずだ。
 痛みを感じないロボットを殴ったところで、何か得がある訳ではないのだけれど、幾分僕の気は晴れるだろう。それで捕まってしまったら元も子も無いが。
 僕は授業に出るのも億劫になり、藍色のデイパックを引っ掴んだ。教師が穏やかな声で言う。
「宵ノ口君。まだ、授業中、ですよ」
「うるせーよ」
 僕が気のない声でそう言い返すと、教師は僕から視線を外し、授業を再開した。今日は『ロボット生誕日』と言う事もあってか、ロボットが出来るまでの過程の授業だった。
「2015年。ロブス社が人体の完全な機械化に成功し、それはあっという間に流行しました。そして……」
 ロボットがロボット相手に授業をする事に、何の意味があるのだろう。計算が上手くなりたきゃ電卓機能をダウンロードすればいいし、歴史を学びたきゃ教科書一冊頭ん中に入れちまえばいい。
 きっと、近い将来、学校はなくなるのだろう。
 世界人口の約百十八分の百十七人がロボットとなってしまったこの世界には、そもそもやるべき事なんて皆無に等しいのだ。廊下に出たところで、久方と遭遇した。彼女も自分と同じ口なのか、学生鞄をぷらぷら振りまわして、所在なさそうに歩いていた。
 僕は久方に歩み寄ると、後ろからポンと肩を叩いた。
「さっさと帰ろうぜ」
 彼女と僕は人間友達だった。今の世の中、人間と言うだけで、不思議な絆が生まれた。それは一種の仲間意識のようなもので、群れから逸れた草食動物が寄りそうのと一緒だった。
 久方はずーっと昔から変わらないショートカットを揺らして僕を見た。すると、ホッと安堵したような表情を浮かべた。
「宵ノ口。君はもう卒業できないそうだね」
「今の世の中、学歴なんて大した意味を持たないんだ」
「負け惜しみに聞こえるよ」
 彼女が何故安堵したように見えたのか、僕には分かった。久方はもう半年前から卒業できない事が決まっていて、人間仲間である僕が久方と同じ退学or留年仲間である事が心強いのだろう。
「これからどうしよう」
「宵ノ口の留年祝いに何処か寄って帰ろうか」
「それも悪くないな」
 僕と久方は揃って校門を出た。整然とした道路が何処までも続いている。車は環境に悪いと言う事で、乗るのは人間に限られている。その為、多くの自動車会社が倒産した。一時期、失業者で街は溢れていたが、彼らは皆人間である事を捨ててしまった。
 これは壮大なロールプレイングだ、と僕は思う。僕と久方が立ち寄った駄菓子屋は、僕たちが生まれるずっと前から店を維持し続けている。しかし、駄菓子屋に来る人間を、僕は久方くらいしか知らない。二人の客の為に、この駄菓子屋は開いている。
 この駄菓子屋のお婆さんはロボットと言うものが心底嫌いらしい。だから、今もたった一人で店を切り盛りしている。駄菓子と言う、心底無駄な物を売りさばいて、ロボット化に反発の意を示している。
 だから、僕は出来るだけこの店に来ようと心に決めていた。僕がこの場所を忘れてしまったら、ここは本当に誰も来ない場所になってしまう。
 まだロボット化が進んでいなかった頃、百円を握りしめてこの駄菓子屋に駆け込んだ記憶を廃れさせない為に、僕はここに通い続けている。
「あっ」
 久方がポツンとこぼした。僕は身を乗り出して、久方の視線の先にあるものを見た。開けるのにコツが要るガラス戸は、木の板によって打ちつけられ、「閉店しました」と、赤字で書かれた張り紙が空しく風になびいていた。
 僕たちは何も言う事が出来ず、その場に固まった。足元にはタールのようにべっとりとした影が張り付いていた。右こめかみから発生した汗が頬を伝って顎から落ちる。
 久方は僕の肩を叩いた。
「……入って見ようか」
 僕は黙ってうなずいた。打ち付けられた木を剥がすのは到底無理だったので、僕たちは店の裏側から回って店の中へ入った。まるで何百年もの間時を止めていたような店内には、埃が空気中を漂っていた。割れた窓から入る光がゴムボールを輝かせる。天井からぶら下がる飛行機の模型は、僕が生まれる半世紀も前に戦争で使われた戦闘機らしい。
 いつもお婆さんが座っていた上座には、誰もいなかった。僕は今更ながらに、お婆さんが座っていた座布団が自分の家にもある桜模様である事に気が付いた。
「お婆さん。どうしたんだろう。死んだのかな」
 久方がアイスのボックスを開ける。電気が止められていたせいで、氷菓子は全て解け、アイスクリームからは嫌な臭いがした。
「だったら良いんだけどね」
「だったら良い?」
「お婆さんがロボットになってたら悲しいだろ」
 僕は久方の言葉に賛同しかねて俯いた。久方はそんな僕を責める気は更々ないようで、店の中を物色する。僕は彼女がこれから泥棒的な行為に及ぶのではないかと内心ビクビクしていたが、そんな事はなく、久方は駄菓子屋にすっかり興味を失ったようだった。
「宵ノ口」
「ん?」
「悲しいかい?」
「少しな」
 僕と久方は店を出た。もう、ここへ来る事はないだろう。
 駄菓子屋は不思議な魔力を持っていた。それが全ての駄菓子屋に通ずるものなのかは分からない。何故なら、僕達の知っている駄菓子屋はここだけだったのだから。きっと、僕達の人生で再び駄菓子屋が登場する事はないだろう。
 駄菓子屋前の公園は寂然とした空気を内包しながらも、確かにそこに存在した。人の姿は見られない。僕達はブランコの裏にあるベンチに腰掛けた。自販機でコーラを二つ買う。一つを久方に渡した。
 久方はあたかもそれが当然だと言うように、僕の手からコーラを奪うと、口に付けようとはせず、それを両手で軽く握った。
「何で皆ロボットになろうと思うんだろうね」
「悲しい事や辛い事があっても苦にならず。寝る必要も無く、疲れを知らない」
「確かにロボットは人より優れているかもしれない。でも、辛い事や苦しい事も含めて人生のはずだろ」
「それを皆が知ってたら世界はこんな風にならなかったんだろうな。……人生ってのは険しすぎる」
 僕の訳知った物言いに、久方は少しだけ眉を吊った。
「じゃあ、その人生が険しすぎると知っている君は、何でロボットになろうと思わないんだ?」
 僕は閉口した。察してはくれないものかと、久方の方をチラチラと見やる。しかし、彼女は一切気付く様子なく、首を傾げた。
 僕がロボットになろうとしない理由は一つ。彼女の為だった。久方とは五歳の頃から友達だった。久方は昔から引っ込み思案な奴で、いつも僕の後ろに隠れていた。今も、僕の前だと強がってはいるが、人見知りは相変わらずだ。
 久方を残して、僕だけロボットになる訳にはいかないと思った。だから、僕は久方が人間である内は、このままでいようと決めていた。
 そんな事露知らず、彼女は首をかしげている。僕は無性に腹が立ち、鼻を鳴らしてそっぽを向いた。久方は「良く分からない奴だなぁ」と言って、初めてコーラに口を付けた。
「じゃあ逆に訊くけど、久方は何でロボットにならないんだ」
 久方はコーラから口を離さず、視線だけ僕の方へ向けた。ゆっくりコーラをベンチへ置く。きっと彼女はワザと遅い動作をして考える時間を稼いでいるのだろう。
 久方はその理由を決して明かそうとはしなかった。今日も誤魔化されるのだろう。その為、僕は「どうせ言う気はないんだろ」と言って、早々に会話を切り上げた。
 久方が不敵に笑う。まるで、分かっているじゃないかと言っているようだった。
 僕達がコーラを飲み終える頃には、日はすっかり傾いていた。僕はコーラの入っていた紙コップをゴミ箱へ捨てて立ち上がった。
「そろそろ帰るか」
 久方は乗り気ではなかった。
 もう少し此処に居ないか? と、執拗に僕を誘ってくる。普段、彼女からこのように言われる事はなかった。僕は妙な胸騒ぎを覚えて、久方の隣に再び腰を下ろした。
「不良少女じゃねーんだから、家に帰りたくないとか言うなよ」
「ふふ、そんな扇情的な言葉を言って襲われたんじゃ堪らない」
 久方の笑顔は無理に造られているような気がして、僕は急に心配になった。しかし、久方と言う女は自分の弱みを人に見せたがらない。僕では相談相手として力不足だ。
「……なんかあったなら言えよ」
「もう少し経ってからでいいかい」
 久方はその後、ずーっと黙り込んでいた。果たして、僕が此処に居る意味はあるのか疑問だが、彼女に辛い事があったのは間違いない。久方はロボットではない、辛い事があったら人並みに苦しいのだ。
 街灯がポツンポツンと点き始めた頃。久方は言った。
「何で私がロボットになろうとしないか、君は訊いたね」
 突然の発言に、僕は少しだけ戸惑った。久方はそんな事お構いなしに話し始めた。
「私は、ロボット二人の子供なんだ。それは知ってるな」
「……ああ」
「私は父と母がダウンロードしたソフトを盗み見たんだ。五歳の夏、衝撃的だったよ。私は少なからず両親に愛されていると思っていた。でも、両親は私を愛していたのではなく。私が健全に育つようプログラムされていただけだったんだ」
 街灯の灯に蛾が集まって来る。ジーっと言う電気の稼働音だけが公園に響いていた。鉄棒の影がゆっくりと消えて行く。空は夜の帳に切り替わっていた。
「その事を駄菓子屋の件で思い出してしまってね。どうにも、ロボットの待つ家へ帰る気になれなかったんだ」
 そう言って、久方は皮肉めいた笑みを浮かべた。
 僕は久方の言葉に共感する事は出来なかった。自分の冷静な部分が「止めろ」と警鐘を鳴らしている。しかし、僕は人間だ。感情に任せて発現する事もある。
「それは……間違っていると僕は思う」
「……」
「ロボットは無感情な訳じゃないんだ。人間らしくないって言うのは分かる。でも、両親が君を大事に思っていたのは……本当だと思う」
 久方は、まるで信じられない物を見るかのように、僕を凝視した。僕も同じ気持ちだった。何故なら、僕は久方の意見を真っ向から反対する事なんて滅多になく、さらに、ロボット関連の話では、ろくに考えもせず頷いているだけだったからだ。
 久方は僕に当たり散らすように言った。
「じゃあ、私が本当に不良少女になったら、両親は私の事を本気で怒ってくれるって言うのかい?」
「怒るさ。でも、彼らにはそれを表現するための術が無いんだよ」
「そんなの、嘘だよ」
「嘘じゃない」
「証拠は? ロボットが、内心怒っているって言う物的証拠でもあるのかい?」
「……久方、いい加減にしろ」
「無いんだろ。それなのに君は――」
「いい加減にしろって言ってんだろ!?」
 久方は小さく震えた。僕は久しぶりに出した怒鳴り声に自分自身驚いてしまった。自分の喉には、まだこれだけの怒声を出す力が残っているとは、思ってもいなかったのだ。
 続けて、怒鳴った事に後悔が押し寄せてくる。久方がこんなに頑なになるのも無理はない。彼女がそう思ったのは事実であり、ロボットに怒りや悲しみなどの感情がある証拠など、一切ないのだから。
 久方は無言で立ちあがると、紙コップを踏みつけた。
 彼女は何も言う事無く、振り返る事も無く去っていた。手持無沙汰になった僕は、久方が放置した紙コップをゴミ箱に投げ入れて公園を出た。

                2

 家に帰ると母親が僕を迎えてくれた。
「公宏、おかえりなさい」
「ただいま、母さん」
 僕は鞄を自室のベッドに放り投げると直ぐに食卓に向かった。父さんが背筋を伸ばして僕が食事の席へ座るのを待っている。僕は黙々とご飯を食べた。
 幸せだった。
 例え、造られた幸せだったとしても、この幸福感に嘘偽りは存在しなかった。
 僕の両親は、ずっと昔に亡くなっていた。だが、つい二年前、ロボットにする事が出来ると判明して、僕は間をおかず、二つ返事で返した。
「公宏、学校は、どう?」
「何も問題ないよ、母さん」
「そう」
 そう言って、母親は軽く頷いた。
 僕が久方の意見に賛成しかねる理由は、ここにあった。
 僕はロボットの両親を自ら欲した。それは結果的に、人生に絶望しかけていた僕に一抹の希望をもたらしてくれた。だから、ロボットを必要無いもの、非人道的なものと捉える久方の意見には同意する事は出来なかった。
 ――その時、両親が一遍に立ちあがった。
 まるで戦争時の兵隊のような、機敏な動作で、僕は唖然として直立不動する両親を仰いだ。眼が赤く点滅している。これはロボットが何らかの害を与えられた時に起こる現象だった。被害を受けたロボットが信号を発信して、近くのロボットに助けを求めるのだ。
 僕がその事に気付いたのは、両親が家を出て行ったあとで、僕は少しばかりの好奇心に後押しされ、両親の後について行った。二体が足を止める。
 ――久方の家だ。
 久方の家は僕の家の斜向かいにある。僕はロボットによって造られた垣根を超え、すっかり荒れ果てた久方の家を覗いた。
 二体のロボットが、バラバラになっている。
 金属片が飛び散り、腕はもげている。頭からバネのような物が飛び出しており、もの悲しさを演出していた。そして、その二体の近くには、久方がいた。彼女は警備のロボットに手錠を掛けられ、特に感情ない様子で、久方の両親のロボットを見下ろしていた。
「……久……方?」
 久方は僕の声に気付き、面を上げた。そして、まるで僕を安心させるかのようにニコっと笑った。
「宵ノ口。君のせいじゃないよ」
 久方はそれだけ言うと、警備ロボットによって連行されていった。僕は久方が見えなくなるまで、ただ、呆然とその場に立ちすくんでいた。
「久方ちゃんはね。犯罪者なの。もう、忘れなさい」
 僕は肩に触れた母親の手を払い落した。
 ……まるで人形遊びじゃないか。
 自分でも滑稽で泣けてくる。本当の母親は、絶対にこんな事言わない。僕が泣いている時は、いつも背中をさすって励ましてくれる。
 つい先ほどまで、活き活きとした人間に見えていたそれは、酷く無機質な機械人形になり下がってしまい、僕は走って家に戻ると自室に引っ込んだ。
 僕はただ、寂しかった。突然欠けてしまった心の隙間を、何とかして埋めようと考えた。だから、ロボットにするなんてバカな事を考えたんだ。
 でも、それは間違っていた。
 久方はずっとそれに気付いていた。だから彼女は、とうとう我慢できなくなって、自らの手で終止符を打った。無理やり心の隙間に入ってこようとするロボットを壊すことで。

                3

 次の日、僕は惰性で学校へ行った。久方はもういない。それなのに、朝礼の時、僕はついつい全校生徒の中から彼女を探してしまう。彼女が居るべき場所に、姿は発見できなかった。やはり、もう彼女は帰ってこないのだろう。
 そう思った矢先、僕は驚愕した。なんと、久方が校長の隣に立っていたのだ。両手に手錠は掛けられていない。いつもの久方だ。
「久方!」
 僕は隊列を崩して体育館の奥へ走った。ロボットをなぎ倒して、ひたすら久方のもとへ。
「宵ノ口君、まだ、朝礼、ですよ」
 そう言って立ちはだかる校長を、僕は張り倒した。段差を一息に上がり、僕は久方の両肩を掴んだ。
「久方っ。お前、無事だったんだな!?」
 久方は何も答えなかった。不自然な言動に、僕は当惑した。何故、どうして久方の肩がこんなに冷たいのだろう。人のぬくもりを宿していないのだろう。
「宵ノ口『君』。どうしたの、ですか?」
「……久方、じゃないのか? お前は俺を君付けで呼んだりしないだろ? なあ、からかってるなら止めてくれよぉ……」
「からかって、いません」
 振り返ると、全校生徒が眼を赤くしていた。どうやら、僕は敵と認識されてしまったらしい。ふと、短く息を吐いた。もう、僕の目的は達成されたんだ。久方はロボットになってしまったわけだし、僕が人間に執着する理由はなくなった。
「久方。最後に、君に謝らせてくれ。あの時、怒鳴ってごめん。君はこんなにも悩んでいたのに、僕はそれを理解する事が出来なかった」
 久方は何も言わなかった。ただ、冷たい視線を僕に送っている。
「僕は、ずーっと昔から久方の事が――」
 その時、僕の腕を警備のロボットが掴んだ。抵抗しようとしたため、警備ロボットは容赦なく僕を組み伏せる。僕は久方の足元に這いつくばった。なんて情けないんだろう。
 組み伏せられた僕の前に、一滴のオイルが落ちた。故障した警備ロボットの物かと思ったが、そんな事はなかった。それは、間違いなく久方の目から流れていた。
 瞬き一つしない彼女は、その控えめな唇だけを小さく動かしてこう言った。
「わたしも」


 来週から、ロボットになる事が義務化されるそうだ。


あとがき
久しぶりに短編を描いたよぉ! 以上

ミッションイン こんぽた~じゅ&ふろま~じゅ

2010年05月27日 | 小説
現在執筆中の作品です。

DP(電撃ページ1600字 原稿用紙 4枚)12分書けたので、一度晒してみようと思います。

最近文章に面白みがないなぁと思い始めてきました。これはラノベ作家志望にとって真に由々しき事態です。

地の文で笑わす……。難しいですね。

http://wannabees.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/upload/src/wu0634.txt

↑これを、URLの所に張れば、読むところにワープします。