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その先にあるもの

2008-04-22 | ●Travel ・・・

雪を払いながら歩き、やっとのことで峠を越え、ふと景色に目をやる・・・


こ、ここは・・・桃源郷?

    

一瞬、目を疑った・・・

険しい山道を抜けたその先にあったのは、幻想的な景色。

湯気が漂う幻想的な沼と、猛々しい山。

『大湯沼』

珍しい、温泉の沼。

まるで秘境のようで、簡単に足を踏み入れてはいけないような雰囲気を
かもし出している。

すばらしい景色のなかに、どこか言い表せない恐怖を感じた。

私たちが今立っているまさにこの地下に、100度以上の熱湯が沸々と
いきりたっているのか・・・。

そう思うと、足に震えがきて、すぐに立ち去りたいという気持ちと、とどまって
ずっと眺めていたいという相反する気持ちが同時に沸いてきた。(お湯だけに)


ためらいながら立ち往生していると・・・!

「ガラガラガラ・・・・・・!!」

と、何かが崩れる音!

はへ?

崖、崩れてるではないですか!!!

きやぁぁぁぁああ!!なんか山肌から大きな岩が崩れ落ちてるゥ!!

地球の息吹を感じる瞬間に立ち会えたことに感動しつつも
(ま、まさか噴火するんじゃ!?)
という恐怖にさいなまれ、いちもくさんに逃げ出したくなりました。


しかし、ここへ来たのも、もはといえば、この私が言い出したこと。

言ってみれば、「言いだしっぺ」です。(なんかかっこ悪い)

ここでおびえる素振りを見せるなんてこと、ベジータ並みのプライドが許さない!

涼しい表情で、「やっぱ、自然には勝てないなあ」と、意味不明なことを口走り
平静を装ってみる。


「さあて、あくまでもここは通過点。いざ足湯へ!先を急ごうか!」

と、びくびくしながらも強がりを言う私。

彼はじゃっかん呆れ顔で、近くに設置された案内板を確認。

「ここからさらに数十分歩くみたい・・・しかも、どう見ても人の歩いた形跡すら
 ない道のようだけど・・・」

と、彼が言ったか言わないかというところで、すかさず「帰ろう!!」と私。

強がりの仮面は剥がれ、すでに半分泣いています。

疲労感と恐怖心で、プライドもへったくれもありません。


だけど・・・。

来た道を戻るということは、下りだった道は上りとなり、逆もまたしかりという
揺るぎなき事実。


人生、山あり谷あり。


「天然足湯アドベンチャー」
冬はやめておいたほうがよさそうです。

                 <エピローグ>
 

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