おはようございます!他ではこんなにたっぷりの量のブログは読めない、活字中毒者の友、『朝刊フジ』。編集長は、テレビ朝日の深夜には、『全力坂』という、美女が坂をただ走り登るだけの番組がある!のフジでございます。ほんと、初めて見たときはビックリしましたよ。ただそれだけなんですから。私、これ何かのフェチみたいなのを刺激する番組なのかと思いましたが、どうやら私にはそういう趣味はなかったようです・・・
さて、今日は先週お送りしました”三谷幸喜と清水ミチ子が語る『古畑任三郎』最新情報!?”の続編であります。あの日の翌日に放送された”DoCoMo MakingSense”というラジオ(しつこいですが、この番組はインターネットでダイジェストを聞くことが出来ます)では、三谷幸喜さんが『古畑』の執筆の意外な苦労話をしてくれました。面白いので、今日も誌上再録したいと思います。
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三谷「まあ、僕とイチローの出会い・・・」
清水ミチ子「こんばんは、清水ミチ子です」
三谷「こんばんは、三谷幸喜です・・・イチローくんはね」
清水「はい」
三谷「(吹き出して)あの、イチロー”さん”はね」
清水「”さん”ですよね。ビックリしました」
三谷「ま、年下ですからね」
清水「関係ない、関係ない」
三谷「”イチロー”でもいいくらいですよ」
清水「ハッハッハ」
三谷「まあ、イチロー”さん”」
清水「本人いたら全然小さくなってんだろな(笑)」
三谷「イチローさんね、昔から古畑任三郎のすごいファンだったんですって」
清水「何か、書いてありましたね」
三谷「DVDを全巻持ってシアトルに行って、毎日、もうBGMのように流してるらしいんですよ」
清水「へ~」
三谷「お会いして、セリフとかもすごい覚えてるし、『あの回のあのセリフはちょっと変じゃないか』みたいな」
清水「そんなファンなんだ」
三谷「奥さんも好きで、二人で古畑と犯人役になって、家で演じあったりとか」
清水「ハッハッハ」
三谷「してたらしいです」
清水「あっ、そう!・・・あれは?『新撰組』(同じく三谷執筆の大河ドラマ)は?」
三谷「『新撰組』の話は、全く出なかったですね」
清水「DVD差し上げたいわ(笑)」
(フジの注:三谷さんは嫌がる清水さんに『新撰組』のDVDを全巻プレゼントしており、清水さんは全く見ていないそうです)
清水「じゃ、それを知ってですか、最初は」
三谷「イチローさんが好きだって話をね、いろんなところでおっしゃってたんで、プロデューサーが聞いて、でまあ、ダメもとで、まあ『古畑』最後なんでちょっと面白いキャスティング出来ないかって」
清水「うん」
三谷「それでイチローさんダメだったら、とりあえず新庄(剛志)か・・・これは言わない方がいいな」
清水「そんなことないでしょ・・・ハッハッハ、笑っとけ、笑っとけ・・・で、最後ってのは決定なの?」
三谷「だって10年やってますからね。もういいんじゃないかって言う」
清水「そういうもんかね」
三谷「だって僕がきついっすよ」
清水「あっ、そうか」
三谷「もう思いつかないもん」
清水「思いつかないもんって言っちゃった(笑)」
三谷「普通のドラマと違いますからね」
清水「そうだね。犯人が分かってるって言うのも珍しいモンね、日本では」
三谷「あれは、ミステリーの”倒叙法”っていうんですけれども、刑事コロンボもそうですし、昔もっと色々あったんですけど・・・あれは普通のドラマとしても書かなきゃいけないし、あと、僕はミステリー作家でも何でもないのに、殺し方とかトリックみたいなの考えなきゃいけないじゃないですか」
清水「そうね。しかもスポンサーの関係で、映画と違って、『これちょっと、子どもが見てるんで』みたいなことで」
三谷「あの、毒殺はダメなんですよね。スポンサー的に。あと食べものに毒を混ぜるとかも、絶対スポンサーに食料品とか」
清水「そりゃそうだよねえ」
三谷「薬関係があるじゃないですか」
清水「うん、うん」
三谷「あと車も、車でひき殺すとかもだめなんですよ」
清水「ふ~ん」
三谷「車関係あるから・・・それであの・・・例えば銃で撃つとかっていうのも、あんまり銃持ってる人、日本でいないから、ちょっとリアリティーないじゃないですか」
清水「そうだね」
三谷「で、刺し殺すのは、結構子どもに影響・・・」
清水「あ、そうなんだ!」
三谷「もう、殴り殺すくらいしかないんですよ」
清水「へ~、でイチローの凶器は?」
三谷「あの、選手だけに刺殺ってのがありますけど」
清水「全然分からない(笑)」
三谷「今、野球ファンは大爆笑(笑)」
清水「すいません(笑)」
三谷「刺殺じゃないんですよ・・・あの、今回特殊な殺人なんで言えないんですけれども」
清水「じゃ、私がプロデューサーだとしましょう。で『三谷くん、わかった。アイデアももう尽きたと思うかもしれない。だから、ミステリー作家を連れてくる』」
三谷「そういう話もね、あったんですよ、ずっと。ただ純粋なミステリーでもないですからね。なんかちょっとこう、コメディーっぽい感じもあり」
清水「それはだから、三谷くん、あなたですよ。だけど、そのハウツーだけ」
三谷「いや、でもそれが密接にね」
清水「ああ、そっか」
三谷「絡んでくるわけですよ」
清水「そうだ。その演じる人の人間性とかもそうだね」
三谷「それは関係ないですけど(笑)」
清水「ハ~、降りる、私、この仕事(笑)」
三谷「面白おかしく持ってったりするわけじゃないですか」
清水「うんうん」
三谷「でなおかつ人間ドラマでないといけない、とすると、やっぱ一人が書くしかない」
清水「そうか。難しいもんだね」
三谷「あと、あれが大変なんですよ、あの・・・毎回、犯人が色々な世界の人だから、その都度その世界を調べなきゃならない」
清水「そっかそっか」
三谷「今回、野球選手なんですけれども、そんなに現場は出てこなかったからよかったんですけれども、例えば・・・骨董品の収集家だと、骨董品の世界を調べなきゃいけないし、あの将棋の名人だと、将棋の世界を調べなきゃいけないし」
清水「ふんふん」
三谷「歌舞伎役者もあったし、だから毎回・・・」
清水「将棋って、そんなに調べても、ルールなんて知らないでしょ」
三谷「全然知らなかったですけれども、調べて、これはいけると思って書いたんですけども、かなり批判が将棋ファンから」
清水「本当?」
三谷「ピアニストの時は、中村紘子さん」
清水「はい」
三谷「が、新聞で『あれは大嘘だ』みたいなことを書かれちゃったし」
清水「中村紘子さん、アッハッハッハ・・・どういうこと?」
三谷「木の実ナナさんが犯人で、いつも弾いてるピアノじゃないっていうことに気が付かなかったのかな、それが彼女のミスになるんですよ、忘れちゃったけど。それがおかしいと。ピアニストは、いつも弾いてるピアノがもし違うピアノだったら、弾いた瞬間に分かる、見たいな事を・・・」
清水「さすが、へ~・・・それはやっぱり一流だからだよねえ」
三谷「まあ、専門の人から見ればおかしいことはたくさんありますから」
清水「そうなのかなあ」
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いやあ、実に色々苦労があるもんですねえ。
でも私、ここに出てくる話、全部知っていました(笑)。そりゃイチローには及ばなくても、私は古畑を見守ってきましたからね。
それにしてもこうやって文字に起こして見ると、三谷さんの話の面白さもさることながら、清水さんの相づちの打ち方も素晴らしい。一つとして同じ相づちがない!やはり聞き上手の前では、誰でも話し上手になってしまうのでしょうね。
それでは今日はこの辺で。
フジでした。
さて、今日は先週お送りしました”三谷幸喜と清水ミチ子が語る『古畑任三郎』最新情報!?”の続編であります。あの日の翌日に放送された”DoCoMo MakingSense”というラジオ(しつこいですが、この番組はインターネットでダイジェストを聞くことが出来ます)では、三谷幸喜さんが『古畑』の執筆の意外な苦労話をしてくれました。面白いので、今日も誌上再録したいと思います。
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三谷「まあ、僕とイチローの出会い・・・」
清水ミチ子「こんばんは、清水ミチ子です」
三谷「こんばんは、三谷幸喜です・・・イチローくんはね」
清水「はい」
三谷「(吹き出して)あの、イチロー”さん”はね」
清水「”さん”ですよね。ビックリしました」
三谷「ま、年下ですからね」
清水「関係ない、関係ない」
三谷「”イチロー”でもいいくらいですよ」
清水「ハッハッハ」
三谷「まあ、イチロー”さん”」
清水「本人いたら全然小さくなってんだろな(笑)」
三谷「イチローさんね、昔から古畑任三郎のすごいファンだったんですって」
清水「何か、書いてありましたね」
三谷「DVDを全巻持ってシアトルに行って、毎日、もうBGMのように流してるらしいんですよ」
清水「へ~」
三谷「お会いして、セリフとかもすごい覚えてるし、『あの回のあのセリフはちょっと変じゃないか』みたいな」
清水「そんなファンなんだ」
三谷「奥さんも好きで、二人で古畑と犯人役になって、家で演じあったりとか」
清水「ハッハッハ」
三谷「してたらしいです」
清水「あっ、そう!・・・あれは?『新撰組』(同じく三谷執筆の大河ドラマ)は?」
三谷「『新撰組』の話は、全く出なかったですね」
清水「DVD差し上げたいわ(笑)」
(フジの注:三谷さんは嫌がる清水さんに『新撰組』のDVDを全巻プレゼントしており、清水さんは全く見ていないそうです)
清水「じゃ、それを知ってですか、最初は」
三谷「イチローさんが好きだって話をね、いろんなところでおっしゃってたんで、プロデューサーが聞いて、でまあ、ダメもとで、まあ『古畑』最後なんでちょっと面白いキャスティング出来ないかって」
清水「うん」
三谷「それでイチローさんダメだったら、とりあえず新庄(剛志)か・・・これは言わない方がいいな」
清水「そんなことないでしょ・・・ハッハッハ、笑っとけ、笑っとけ・・・で、最後ってのは決定なの?」
三谷「だって10年やってますからね。もういいんじゃないかって言う」
清水「そういうもんかね」
三谷「だって僕がきついっすよ」
清水「あっ、そうか」
三谷「もう思いつかないもん」
清水「思いつかないもんって言っちゃった(笑)」
三谷「普通のドラマと違いますからね」
清水「そうだね。犯人が分かってるって言うのも珍しいモンね、日本では」
三谷「あれは、ミステリーの”倒叙法”っていうんですけれども、刑事コロンボもそうですし、昔もっと色々あったんですけど・・・あれは普通のドラマとしても書かなきゃいけないし、あと、僕はミステリー作家でも何でもないのに、殺し方とかトリックみたいなの考えなきゃいけないじゃないですか」
清水「そうね。しかもスポンサーの関係で、映画と違って、『これちょっと、子どもが見てるんで』みたいなことで」
三谷「あの、毒殺はダメなんですよね。スポンサー的に。あと食べものに毒を混ぜるとかも、絶対スポンサーに食料品とか」
清水「そりゃそうだよねえ」
三谷「薬関係があるじゃないですか」
清水「うん、うん」
三谷「あと車も、車でひき殺すとかもだめなんですよ」
清水「ふ~ん」
三谷「車関係あるから・・・それであの・・・例えば銃で撃つとかっていうのも、あんまり銃持ってる人、日本でいないから、ちょっとリアリティーないじゃないですか」
清水「そうだね」
三谷「で、刺し殺すのは、結構子どもに影響・・・」
清水「あ、そうなんだ!」
三谷「もう、殴り殺すくらいしかないんですよ」
清水「へ~、でイチローの凶器は?」
三谷「あの、選手だけに刺殺ってのがありますけど」
清水「全然分からない(笑)」
三谷「今、野球ファンは大爆笑(笑)」
清水「すいません(笑)」
三谷「刺殺じゃないんですよ・・・あの、今回特殊な殺人なんで言えないんですけれども」
清水「じゃ、私がプロデューサーだとしましょう。で『三谷くん、わかった。アイデアももう尽きたと思うかもしれない。だから、ミステリー作家を連れてくる』」
三谷「そういう話もね、あったんですよ、ずっと。ただ純粋なミステリーでもないですからね。なんかちょっとこう、コメディーっぽい感じもあり」
清水「それはだから、三谷くん、あなたですよ。だけど、そのハウツーだけ」
三谷「いや、でもそれが密接にね」
清水「ああ、そっか」
三谷「絡んでくるわけですよ」
清水「そうだ。その演じる人の人間性とかもそうだね」
三谷「それは関係ないですけど(笑)」
清水「ハ~、降りる、私、この仕事(笑)」
三谷「面白おかしく持ってったりするわけじゃないですか」
清水「うんうん」
三谷「でなおかつ人間ドラマでないといけない、とすると、やっぱ一人が書くしかない」
清水「そうか。難しいもんだね」
三谷「あと、あれが大変なんですよ、あの・・・毎回、犯人が色々な世界の人だから、その都度その世界を調べなきゃならない」
清水「そっかそっか」
三谷「今回、野球選手なんですけれども、そんなに現場は出てこなかったからよかったんですけれども、例えば・・・骨董品の収集家だと、骨董品の世界を調べなきゃいけないし、あの将棋の名人だと、将棋の世界を調べなきゃいけないし」
清水「ふんふん」
三谷「歌舞伎役者もあったし、だから毎回・・・」
清水「将棋って、そんなに調べても、ルールなんて知らないでしょ」
三谷「全然知らなかったですけれども、調べて、これはいけると思って書いたんですけども、かなり批判が将棋ファンから」
清水「本当?」
三谷「ピアニストの時は、中村紘子さん」
清水「はい」
三谷「が、新聞で『あれは大嘘だ』みたいなことを書かれちゃったし」
清水「中村紘子さん、アッハッハッハ・・・どういうこと?」
三谷「木の実ナナさんが犯人で、いつも弾いてるピアノじゃないっていうことに気が付かなかったのかな、それが彼女のミスになるんですよ、忘れちゃったけど。それがおかしいと。ピアニストは、いつも弾いてるピアノがもし違うピアノだったら、弾いた瞬間に分かる、見たいな事を・・・」
清水「さすが、へ~・・・それはやっぱり一流だからだよねえ」
三谷「まあ、専門の人から見ればおかしいことはたくさんありますから」
清水「そうなのかなあ」
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いやあ、実に色々苦労があるもんですねえ。
でも私、ここに出てくる話、全部知っていました(笑)。そりゃイチローには及ばなくても、私は古畑を見守ってきましたからね。
それにしてもこうやって文字に起こして見ると、三谷さんの話の面白さもさることながら、清水さんの相づちの打ち方も素晴らしい。一つとして同じ相づちがない!やはり聞き上手の前では、誰でも話し上手になってしまうのでしょうね。
それでは今日はこの辺で。
フジでした。