11月12日10時より野呂美加さんの講演会を佐倉市立美術館で開催した。
じかに野呂さんのお話を聞けて、日本の置かれている惨状がひしひしと伝わってきた。
また、被ばく1世の子どもたちの結婚の話には、思いが迫ってきて胸が詰まった。
消防士の父親を亡くし母親を亡くし、大勢の親戚を亡くした被ばくした孤児。
自分でも長く生きられないと覚悟をした彼の言葉の重み、悲しみを受け止めた野呂さん達里親の気持ち。
転地療養で放射能が体から抜けていく事実と彼らの成長、そして結婚、覚悟をしたであろう出産。
言葉の端々から、その現実の重みが、聞いている私たちにもひしひしと伝わってきた。
これから続くであろう長い期間、私たちは放射能ばかりではなく、この国の体制とも戦っていかなければならないと、改めて確認した次第です。
野呂さんは20年前から戦ってきたけれど、それ以上の深刻さが我々の置かれている状況であると皆さんにも伝わったと思います。
今回はオフレコ部分もあり、参加された方はラッキーでした。
以下、講演会の内容です。
原発事故後20年近く、チェルノブイリの子どもたちを日本に保養するため受け入れてきたが、
福島原発事故後は関東がチェルノブイリ並みである。
福島は未知の領域である。
放射線は地球上にもあるし、宇宙からも来ているとよく言われるが、原子力については「イオン化した放射能」と区別している。
地球が出来たばかりの時には大気もなく放射線にさらされていた。
その時の発生した生命体が現在の大気の元をつくりだした。
しかし、原子力の放射線は人工的な物で、人類が浴びてきた放射線とは別のものと区別されている。
転地療養は充分効果がある。
放射能のない所で療養し、汚染のない食品を食べると放射性物質が体からでていく。
また、子どもの体には自然治癒力がある。
毎年イタリアでは空路で数千人単位、ドイツは陸路で数万人単位で受け入れている。
これから日本でも、汚染地域の子は学校単位のグループで転地療養を行う方がいい。
出す側、受け入れる側がグループを作り、継続して行えるようにする。
長く取り組むには、子ども達を出す側にキチンとした心がけが必要であるし、受け入れる側も継続するにはそれなりの覚悟がいる。
保養期間の最短限度は30日、45日あれば全部出ていく。
放射線量は、本来はゼロであるべきもの。
10マイクロシーベルト/時間では、まず抵抗力のない人から死んでいく。持病が悪化する形で表れる。
現在福島では突然死している。
1マイクロシーベルト/時間はチェルノブイリでは立ち入り禁止区域である。
放射線による活性酸素(フリーラジカル)が体を酸化させる。
チェルノブイリで小児甲状腺ガンが原発事故と因果関係が認められたのは、発症率が100万人に一人という珍しいガンだったから。
甲状腺は成長をつかさどる器官。
成長障害を起こし、女子に男子の特徴が現れる。
チェルノブイリでは、第二世代の子どもの体格が明らかに小さくなっている。
現在、福島県の子どもの体重が増えない症状があらわれている。
異常はまず目の下にクマがあらわれる。
健康診断を全市的に行うべきであり、甲状腺腫が発見されることがある。
何もしないことが一番悪い。
セシウムはカリウムと間違えて体に取り込まれ、心臓にたまるので、心筋梗塞を起こす。
食べ物に充分に気をつける。
口から入るものは、大人の努力で防げる。
シイタケなど菌類は放射能を集める。
しかし、事故前に静岡の茶葉から10ベクレル/kgの痕跡があり、浜岡原発からではないかと言われていた。
滋賀県でも0.1マイクロシーベルト/時間を測定されいるが、これは福井の原発が原因では?
来年の春「花粉」対策として、早めにマスクをする。
現在は、枯葉を触らせない。
有機農業では放射能は農作物に移行しない。
福島の農産物でも4ベクレル/kg以下という検査結果が出ている。
EM菌も有効。
人間と土で同じことが起こる。
EM菌を使用するとストロンチウムが入ってこない。
ミネラル、亜鉛、セレンなど体の栄養素が足りていれば、体に入ってくる放射能を防ぐことができる。
しかし、体が弱っていて副作用に耐えられないので、サプリメントのとり過ぎはよくない。
食品で摂るのが一番いい。
アップルペクチン、スピルナなど微量栄養素が入っている、抵抗力をつかさどるものがある。
酵素、ミネラル、アミノ酸などはDNAの修復スピードをアップする。
酵素が足りないと普通食が入らない。
日本食は発酵食品が多く、多品目ではなく単品で食べる方がいい。
肉とコメの消化酵素が違うので、食べ分けた方が、体に負担が少ない。
早寝早起きは自律神経を整え、抵抗力を上げる。
放射能は25年で4割減るが、別のものになり、放射能は永遠の力を持っている。
除染は危険だし、必ず後遺症が出る。
チェルノブイリ事故時、除染に動員された多くの市民が死亡している。
0.412マイクロシーベルト/時間の場所を家を全て地中に埋立、表土を削ったが、25年経っても0.115マイクロシーベルトになっただけ。
同じエリアで過ごしていても、家族が放射性物質に気をつけた生活、食事をしているかどうかで、10倍以上の数値の差が出てきている。
ガンは放射線量が高いところにいるとなるというものではなく、低くてもなることもある。
子どもたちを近づけない所
水溜り
芝生
木の根元
等など
「大人があきらめたら、絶対にだめ」
生き抜くと思わないと、生死を分けることになる。
子どもの未来を守るため、頑張るしかない。