これまで国の2万ポイントキャンペーンにも惑わされず、マイナンバーカードを作らずに
頑張ってきた人たちから、保険証が廃止されると聞いて、どうしたらいいの?と不安の声
が寄せられました。
今回の記事となったきっかけです。
現行の保険証とマイナ保険証の違いを表にしました。
昨日の「共通番号いらないネット」の勉強会では、分かりやすいと好評でした。
8月21日発行のさくら・市民ネットワーク通信 第149号
「不便で危険なマイナ保険証 持たなくても大丈夫」 加筆しました
病院や薬局で「本年12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります」
というポスターを見かけます。健康保険証の廃止とマイナ保険証での受診を強調していますが、
マイナンバーカードを持っていない人、マイナ保険証の利用登録をしていない人には現行の
保険証と同等の「資格確認書」が自動的に送られてくることは、書かれていません。
「マイナ保険証の利用しかない」と誤解させるようなやり方は問題です。
国はメリットというけれど
国はマイナ保険証のメリットとして「過去のお薬情報や健康診断の結果が見られる」
「お薬の飲み合わせや分量を調整してもらうこともできる」などと説明していますが、
最新情報ではないため、役に立ちません。
お薬手帳を見たほうが早い、というのが現場の医師の声です。
調剤薬局もお薬手帳と処方箋で十分です。
また、すべての病歴や掛かった医療機関まで、患者の情報が第三者にあからさまになる
影響が今後どう表れるかは、誰にもわかりません。
なりふり構わぬ利用率アップキャンペーン
マイナ保険証の利用率がなかなか伸びないため、業を煮やした国は、医療機関の努力
が足りないからと声掛け用の台本まで用意し、利用率アップキャンペーンの一時金を
最大20万円(病院40万円)と倍増。
何とか10%台にしました。
使うメリットがあれば、おのずと利用率は上がるはずですが、不便さばかりが目につきます。
医療機関トラブル続出
現行の保険証は、月一度の窓口提示で済みますが、マイナ保険証は受診の度ごとに
カードリーダーの操作が必要です。
しかし未だ、
・カードリーダーが起動しない
・顔認証ができない
・暗証番号を忘れてしまった
・資格情報が無効と出る
・負担割合が誤っている
・情報の紐づけミスがある
などのトラブルが発生しています。
自分の身を守るためには、現行の健康保険証を持ち歩いた方が安心です。
実際、岐阜県で手遅れになる事例が発生しました。
医療機関の受付でマイナ保険証が「資格情報なし」と何度も表示されたため、いったん自宅に戻り、
翌日、健康保険証を持って出直す予定が、その未明に心筋梗塞で亡くなってしまいました。
しかも、なぜ認証されなかったのか、原因は不明です。
地域医療の危機
医療機関にとって、オンラインシステム導入には多額の設備投資と毎月の維持管理費がかかります。
マイナ保険証の導入義務化が始まる直前の昨年3月に廃業した医院は1103件。
さらに今年12月までに約1000件が廃業を予定しています。(全国保険医団体連合会調査)
実際、かかりつけ医の廃業が出ており、住民は困っています。
健康保険証はどうなるの
本年12月2日以降、健康保険証の新規発行は廃止されますが、手元にある健康保険証は、
有効期限まで使えます。
マイナ保険証を持っていない人には、自動的に資格確認書が発行されます。
あわてて、マイナ保険証を作る必要はありません。
現行の保険証は自動的に送付されてきましたが、マイナ保険証の更新手続きは市役所や
出張所窓口でしなければなりません。
紛失したら大変
紛失や盗難の場合、悪用される恐れがあるので、速やかにコールセンター、警察署、
市役所に届け出る必要があります。
一時停止後に発見された場合は、その解除の手続きを市役所等の窓口で行います。
マイナンバーカードの再発行には申請書、写真、手数料が必要です。
現在は再発行まで1か月ほど、12月2日以降は1~2週間かかる予定です。
個人情報のワンカード化の危険
国はマイナンバーカードを「デジタル社会のパスポート」として、健康保険証、
運転免許証、在留カード、社員証・学生証、印鑑登録証などを一体化する「ワンカード化」
を推進しています。
医療・健康、教育、福祉、就労などの様々な個人情報と連携するだけでなく、民間ビジネス
で本人確認機能(電子証明書)を活用する計画です。
電子証明書のシリアル番号で照合すれば、これらのカードの利用状況の把握が可能となります。
マイナンバーカードの所持は法律では任意ですが、国はあの手この手で普及策を図っています。
さらに国は、金融投資をあおって新NISAを勧めたり、2万ポイント付与を条件に公金口座
を提供させ、マイナンバーと紐づく口座を集めています。
国民の資産情報を丸裸にしようとしています。
一方、情報が漏れて詐欺集団に使われたり、勝手に名寄せされるなどの危険性はさらに増します。
顔認証社会がやってきた
国民全員がマイナンバーカードを所持することになると、カードを発行管理する
J-LISに全国民の顔写真データが集約されます。
カードの券面に顔写真が表示されるだけでなく、2026年以降の次期マイナンバーカード
はより顔認証が高精密化されます。
運転免許証との一体化も始まり、常時マイナンバーカードを携帯するデジタル監視社会は、
目の前に迫っています。
マイナンバーカード返却は可能
マイナンバーカードはいつでも住所地で返納できます。
同時に、公金受取口座の登録も忘れずに解除してください。
マイナ保険証も10月には、本人の希望で解除が可能となり、代わりに資格確認書が交付されます。
◆ ◆ ◆
マイナンバーカードの取得は任意です。
自分を守るには、マイナンバーカードは持たず、マイナ保険証は使わないことが一番です。
高齢者施設では「マイナ保険証は預からず資格確認書で対応」も
特養等の高齢者施設にとって、入居者のマイナ保険証を預かり管理することは、
セキュリティ対策、紛失・盗難や管理の対応と、負担が大きく深刻です。
7月、厚労省は「マイナ保険証を持っていても、介助者等の補助がなければマイナ保険証
の受診が困難な人には資格確認書を発行」という内容の通知を出しましたが、そもそも、
健康保険証を廃止させなければ、このような混乱はなかったはずです。
資格確認書発行のためシステム改修費367億円。
利用推進のため医療機関への支援金217億円も必要なかったはずです。
健康保険証の復活を。
頑張ってきた人たちから、保険証が廃止されると聞いて、どうしたらいいの?と不安の声
が寄せられました。
今回の記事となったきっかけです。
現行の保険証とマイナ保険証の違いを表にしました。
昨日の「共通番号いらないネット」の勉強会では、分かりやすいと好評でした。
8月21日発行のさくら・市民ネットワーク通信 第149号
「不便で危険なマイナ保険証 持たなくても大丈夫」 加筆しました
病院や薬局で「本年12月2日から現行の健康保険証は発行されなくなります」
というポスターを見かけます。健康保険証の廃止とマイナ保険証での受診を強調していますが、
マイナンバーカードを持っていない人、マイナ保険証の利用登録をしていない人には現行の
保険証と同等の「資格確認書」が自動的に送られてくることは、書かれていません。
「マイナ保険証の利用しかない」と誤解させるようなやり方は問題です。
国はメリットというけれど
国はマイナ保険証のメリットとして「過去のお薬情報や健康診断の結果が見られる」
「お薬の飲み合わせや分量を調整してもらうこともできる」などと説明していますが、
最新情報ではないため、役に立ちません。
お薬手帳を見たほうが早い、というのが現場の医師の声です。
調剤薬局もお薬手帳と処方箋で十分です。
また、すべての病歴や掛かった医療機関まで、患者の情報が第三者にあからさまになる
影響が今後どう表れるかは、誰にもわかりません。
なりふり構わぬ利用率アップキャンペーン
マイナ保険証の利用率がなかなか伸びないため、業を煮やした国は、医療機関の努力
が足りないからと声掛け用の台本まで用意し、利用率アップキャンペーンの一時金を
最大20万円(病院40万円)と倍増。
何とか10%台にしました。
使うメリットがあれば、おのずと利用率は上がるはずですが、不便さばかりが目につきます。
医療機関トラブル続出
現行の保険証は、月一度の窓口提示で済みますが、マイナ保険証は受診の度ごとに
カードリーダーの操作が必要です。
しかし未だ、
・カードリーダーが起動しない
・顔認証ができない
・暗証番号を忘れてしまった
・資格情報が無効と出る
・負担割合が誤っている
・情報の紐づけミスがある
などのトラブルが発生しています。
自分の身を守るためには、現行の健康保険証を持ち歩いた方が安心です。
実際、岐阜県で手遅れになる事例が発生しました。
医療機関の受付でマイナ保険証が「資格情報なし」と何度も表示されたため、いったん自宅に戻り、
翌日、健康保険証を持って出直す予定が、その未明に心筋梗塞で亡くなってしまいました。
しかも、なぜ認証されなかったのか、原因は不明です。
地域医療の危機
医療機関にとって、オンラインシステム導入には多額の設備投資と毎月の維持管理費がかかります。
マイナ保険証の導入義務化が始まる直前の昨年3月に廃業した医院は1103件。
さらに今年12月までに約1000件が廃業を予定しています。(全国保険医団体連合会調査)
実際、かかりつけ医の廃業が出ており、住民は困っています。
健康保険証はどうなるの
本年12月2日以降、健康保険証の新規発行は廃止されますが、手元にある健康保険証は、
有効期限まで使えます。
マイナ保険証を持っていない人には、自動的に資格確認書が発行されます。
あわてて、マイナ保険証を作る必要はありません。
現行の保険証は自動的に送付されてきましたが、マイナ保険証の更新手続きは市役所や
出張所窓口でしなければなりません。
紛失したら大変
紛失や盗難の場合、悪用される恐れがあるので、速やかにコールセンター、警察署、
市役所に届け出る必要があります。
一時停止後に発見された場合は、その解除の手続きを市役所等の窓口で行います。
マイナンバーカードの再発行には申請書、写真、手数料が必要です。
現在は再発行まで1か月ほど、12月2日以降は1~2週間かかる予定です。
個人情報のワンカード化の危険
国はマイナンバーカードを「デジタル社会のパスポート」として、健康保険証、
運転免許証、在留カード、社員証・学生証、印鑑登録証などを一体化する「ワンカード化」
を推進しています。
医療・健康、教育、福祉、就労などの様々な個人情報と連携するだけでなく、民間ビジネス
で本人確認機能(電子証明書)を活用する計画です。
電子証明書のシリアル番号で照合すれば、これらのカードの利用状況の把握が可能となります。
マイナンバーカードの所持は法律では任意ですが、国はあの手この手で普及策を図っています。
さらに国は、金融投資をあおって新NISAを勧めたり、2万ポイント付与を条件に公金口座
を提供させ、マイナンバーと紐づく口座を集めています。
国民の資産情報を丸裸にしようとしています。
一方、情報が漏れて詐欺集団に使われたり、勝手に名寄せされるなどの危険性はさらに増します。
顔認証社会がやってきた
国民全員がマイナンバーカードを所持することになると、カードを発行管理する
J-LISに全国民の顔写真データが集約されます。
カードの券面に顔写真が表示されるだけでなく、2026年以降の次期マイナンバーカード
はより顔認証が高精密化されます。
運転免許証との一体化も始まり、常時マイナンバーカードを携帯するデジタル監視社会は、
目の前に迫っています。
マイナンバーカード返却は可能
マイナンバーカードはいつでも住所地で返納できます。
同時に、公金受取口座の登録も忘れずに解除してください。
マイナ保険証も10月には、本人の希望で解除が可能となり、代わりに資格確認書が交付されます。
◆ ◆ ◆
マイナンバーカードの取得は任意です。
自分を守るには、マイナンバーカードは持たず、マイナ保険証は使わないことが一番です。
高齢者施設では「マイナ保険証は預からず資格確認書で対応」も
特養等の高齢者施設にとって、入居者のマイナ保険証を預かり管理することは、
セキュリティ対策、紛失・盗難や管理の対応と、負担が大きく深刻です。
7月、厚労省は「マイナ保険証を持っていても、介助者等の補助がなければマイナ保険証
の受診が困難な人には資格確認書を発行」という内容の通知を出しましたが、そもそも、
健康保険証を廃止させなければ、このような混乱はなかったはずです。
資格確認書発行のためシステム改修費367億円。
利用推進のため医療機関への支援金217億円も必要なかったはずです。
健康保険証の復活を。