伊藤とし子のひとりごと

佐倉市議会議員4期目
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1/19講演会「新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす」養蜂家からの証言

2013-01-22 08:29:34 | 環境
講演会「新農薬ネオニコチノイドが日本を脅かす」水野玲子さん(「有害化学物質から子どもの健康を守る千葉県ネットワーク」主催)が行われた。

日本で現在大量に使われている農薬「ネオニコチノイド」は放射能と同じくらい子どもに影響があるのではないか、と言われている。
また、ミツバチの大量死、蜂群崩壊が農業にダメージを与えているが、その原因もネオニコチノイドではないかと言われている。
講演会では養蜂家 藤原誠太さん(日本在来種ミツバチ 藤原養蜂所)の報告が、とても臨場感があってよかった。


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  オス用の通常より粗い目の巣箱ネットを手に、藤原さん

現在、蜂の大量死の原因を解明しようと実証実験が行われている。
原因はダニと言われているが、昔から蜂のダニは問題だった。

現在、薬の耐性ダニが出てきているので、オスを活用する方法を研究している。

オス蜂にダニが集まりやすいことは分かっていた。
働き蜂より8倍から10倍嗜好性があるということで、巣箱の中のオスを切り取って、ダニが巣箱にはびこるのを防いできた。
オス蜂は、働き蜂が集めてきた蜜を食べるだけの無駄飯食いなので、排除してきたが、ダニ対策に積極的に使おうというもの。

水田がないのでネオニコチノイドの被害がない奄美大島での調査結果では、働き蜂にはダニがついていないが、オスには驚くほどついていた、ということだった。

蜂の幼虫にとって大きなダニが吸い付いている。とても痒がっているそうだ。
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日本では、カメムシ対策のため8月にネオニコチノイドを使用している。
ラジコンヘリが主流だが、タンクが小さいため、2000倍で希釈して使うべき農薬も8倍という高濃度で使ってもいいことになっている。

7年前の8月、藤原養蜂所が被害を受けた。
藤原養蜂所では日本ミツバチと西洋ミツバチを使っているが、西洋みつばちのみが死んだ。
当初、原因がわからなかったが、3km先の水田に散布されていた。
それまでも農薬にやられると、山に持っていくと復活するのが通常だったが、秋にも復活できず、冬越しできなかった。

その年の8月を起点に東北地方では、「ダントツ」(クロチアニチン 光分解しやすい農薬)が使用されていた。
農協と話し合って、 致死率50%の「スタークル」「ジノテフラン」にかえたので、翌年、パラパラ死ぬぐらいになった。
ところが「スタークル」「ジノテフラン」は光分解しないことが分かった。
ダントツは致死率は高いが残留性が低く、スタークル、ジノテフランは即効性よりもじわじわと毒を出し続け、被害が深刻化することが後になって判明。
蜂は花粉を巣箱に貯める習性があるので、農薬まみれの花粉を食べて春先まで被害が続いた。
果樹に使われる「モスピラン」も長持ちする。

ネオニコチノイドは水溶性のため根から吸い上げたものがずっと毒性を放つし、ネオニコチノイドの使用でダニが増えてきた。

ミツバチ群崩壊症候群は米国カリフォルニアでアーモンド畑から始まった。
現在、ネオニコチノイドを使わない方向にいる。

蜂蜜はデトックス効果が高いが、ミツバチにはデトックス機能がない。
他の昆虫は植物をかじるがミツバチは花に呼ばれて共存している存在のためで、肝臓機能がほとんど働かない。
そのため、農薬の被害を一番受けやすい。

もともと農薬、化学物質はドイツの毒ガス技術から生まれたもの。

現在、生態系が変わってきている。
ネオニコチノイドはダニ、クモには効きにくく、蜂に効くので、天敵のジガバチが少なくなり、一つの養蜂所に女郎蜘蛛が200~300匹ぐらいいる。

果物には中にしみ込んでいるので洗ってもだめ、残留している。

鳥が異常に減っている。
特にムクドリ系が減ってきている。
韓国と日本では東洋ミツバチ8割いなくなった。
病気のミツバチが今大問題になっている。
蜂のヘルペス、エイズも深刻だ。

煙草と同じような成分だが、胎児への影響が問題。
小学校では、発達障害児が一クラス3人ぐらいだったのが、増えてきているということだ。
体にたまる農薬ということを、実感している。

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自然を相手にしている養蜂家は農薬の深刻な被害を身をもって感じている。
蜂がいなくなれば農業へ大きなダメージがあることは分かっているはずだが、誰も声を大にしてネオニコチノイドが原因だと言わない。
巨大な化学会社を相手に、運動を起こそうとしても、声を封じる動きがあるのが現実だ。
原発問題も農薬問題も根は同じ。