(京都・府立植物園)
かつて秀吉は北野天満宮で「大茶湯」を催した。茶人と称する者は誰であれここに集って茶席を持たねばならない。準備するお金がなければ、お茶ではなくこがしでもいい。
参加しない者は、今後いっさい茶を点ててはならぬ! という勢い。
ま、それになぞらえて、文化の日に府立植物園で大茶湯が開かれた。
11月だというのに夏日の予報が出るほどの好天で、広い園内のあちこちにいろいろなテント茶席が出現していた。
植物園自体も無料公開日だったので、茶会のことなど知らぬお客さんも多かった。
厚物菊の品評会や盆栽の展示などもあり、若い頃はどこが面白いのかさっぱりわからなかった菊の花などを、それなりの歳になったせいか、ほーおと眺めて感心できてしまったことが複雑…(^_^;)
国文祭キャラクター「まゆまろ」も菊人形となってのお出迎え。右側は、茶人バージョンである。
はじめに入ったのは、ランディさんの〈らん布袋(らんほてい)〉茶席。
久しぶりに見ると、かなり風格が出てらっしゃいました。
写真奥の白いテント。
ここでは、新感覚和菓子をいただいた。
気づいたときには食べてしまっていたので、上の写真は遠くのお客さんの手元を拡大したもの(^_^;)
見た目はクルミのような茶巾絞り。すっと黒文字が通る。
が、口に含むと基本、チョコレート。
なんと、ホワイトチョコ+きなこ+メープルシロップでできているとのこと。
和洋の兼ね合いが絶妙で、とても不思議な、かといって奇抜ではないハイブリッド主菓子である。
「御銘は?」と尋ねると、「聞いてきます」と言って去ったお運びさんは二度と戻ってこなかったけれど(笑)、帰宅後調べると、「かえで」というお菓子らしい。
お隣は、〈京都府高等学校芸術文化連盟茶道専門部〉のお席で、主に光華高校の生徒がきりもりしていたようだ。
お点前さんよりも半東さんのほうが緊張していたりして、「わかるぞ~」と共感する。
お菓子も高校生がデザインしたものだそうで、「うろこ雲」。
高校生たちのお席に入るには、〈震災復興支援コーナー〉で買い物をする必要がある。
なので、山形のずんだ煎餅(残り一個)を購入♪
席の前にぽんと置かれていたのは、お茶室のモバイルユニット〈壱間〉。「いちげんさん」と読むらしい。
一間四方の組み立て式茶室。ちょこっと入らせていただきました。(躙り口から)
朝から主菓子ふたつをいただいてちょっと重たくなってきたので、お煎茶の〈二條流〉のお席へ。
テーブルごとに説明しながらお茶を淹れてくれる。
が、しっかりした薯蕷饅頭が出てきたのは計算外。
一煎目は素で飲み、二煎目はお菓子の後にいただくとのこと。それで味がずいぶん変わるのよというお話の流れからして、やはり食べずばなるまいと、3つめの主菓子。美味しかったです(でも苦しかった)。
こちらは、お煎茶でも啜り茶の〈東仙流〉。お茶碗の蓋をずらして、そこから啜る感じ?
自然栽培の抹茶をアピールする〈SATOYAMA JAPAN〉の早乙女たち。
立命館大学OBサークル〈鴨ん会〉による〈しかく茶会〉。
よく鴨川のほとりでのんびりお茶たてたはるそうです。ええなー。
バラ園では海外のお茶がふるまわれていた。
我々は、〈La melange〉でモロッコのミントティをいただく。
お砂糖たっぷりなのに爽やかで美味。お菓子は、ふわふわした卵ボーロ。
銀器の脇に立っている円錐形のものはお砂糖だそうで、本来はこれを砕いて使うとのこと。とっても堅いらしい。
とても可愛らしかったので思わず写真をとってしまった英国スタイルのお席のお菓子。
この日のために作ったオリジナルだそうだ。
会館の2階では、裏千家の海外留学生たちが、お茶会デモンストレーション中。
淡交会の研究会みたいなセットを組んで、席入りの仕方から説明している。
日本人に見えるひとも、中国人だったり韓国人だったりアメリカ人だったり。
司会の女性はとても丁寧な敬語を使うのに、返事や相づちだけは「うん」だったり「ふーん」だったりして可笑しい。
説明のあと、ここでも高校生たちによるお呈茶があり、お菓子は〈光華せんべい〉。
黒糖味のふのやき。校内ではあまり評判がよくないとも聞く(某筋から)けれども、お茶人さんには喜ばれるはず。
午後1時くらいになると、もうお茶券は売り切れましたと貼り紙が出ていた。
北門の近くにも高校生のお席があり(大活躍だなぁ!)、そばに〈松栄堂〉さんのお席があった。券は不要とのことだったので、入ってみる。
何をいただいているのかというと、香りをいただいている。こんなの初めてだ!
香木ではなく練香で、三種の中から好きな香りをチョイスしてお願いする。
わたしたちはちょうど三人連れだったので一種ずつお願いする。
どれもよい香り。屋外でのんびり香を聞くとは、なんとも不思議な気分である。
待っている人々も多いので、お香がなくなるまで居座るというわけにもいかず、せっせと香りを身に移しておいとまする。
他にも、府内各地のお茶農家やお茶屋さんがさまざまなお茶を出されていて、お得な直売などもあり、面白い体験だった。
「鴨ん会」のようなグループがもっとたくさんお席を持っていたら、さらに楽しかっただろうな~。
かつて秀吉は北野天満宮で「大茶湯」を催した。茶人と称する者は誰であれここに集って茶席を持たねばならない。準備するお金がなければ、お茶ではなくこがしでもいい。
参加しない者は、今後いっさい茶を点ててはならぬ! という勢い。
ま、それになぞらえて、文化の日に府立植物園で大茶湯が開かれた。
11月だというのに夏日の予報が出るほどの好天で、広い園内のあちこちにいろいろなテント茶席が出現していた。
植物園自体も無料公開日だったので、茶会のことなど知らぬお客さんも多かった。
厚物菊の品評会や盆栽の展示などもあり、若い頃はどこが面白いのかさっぱりわからなかった菊の花などを、それなりの歳になったせいか、ほーおと眺めて感心できてしまったことが複雑…(^_^;)
国文祭キャラクター「まゆまろ」も菊人形となってのお出迎え。右側は、茶人バージョンである。
はじめに入ったのは、ランディさんの〈らん布袋(らんほてい)〉茶席。
久しぶりに見ると、かなり風格が出てらっしゃいました。
写真奥の白いテント。
ここでは、新感覚和菓子をいただいた。
気づいたときには食べてしまっていたので、上の写真は遠くのお客さんの手元を拡大したもの(^_^;)
見た目はクルミのような茶巾絞り。すっと黒文字が通る。
が、口に含むと基本、チョコレート。
なんと、ホワイトチョコ+きなこ+メープルシロップでできているとのこと。
和洋の兼ね合いが絶妙で、とても不思議な、かといって奇抜ではないハイブリッド主菓子である。
「御銘は?」と尋ねると、「聞いてきます」と言って去ったお運びさんは二度と戻ってこなかったけれど(笑)、帰宅後調べると、「かえで」というお菓子らしい。
お隣は、〈京都府高等学校芸術文化連盟茶道専門部〉のお席で、主に光華高校の生徒がきりもりしていたようだ。
お点前さんよりも半東さんのほうが緊張していたりして、「わかるぞ~」と共感する。
お菓子も高校生がデザインしたものだそうで、「うろこ雲」。
高校生たちのお席に入るには、〈震災復興支援コーナー〉で買い物をする必要がある。
なので、山形のずんだ煎餅(残り一個)を購入♪
席の前にぽんと置かれていたのは、お茶室のモバイルユニット〈壱間〉。「いちげんさん」と読むらしい。
一間四方の組み立て式茶室。ちょこっと入らせていただきました。(躙り口から)
朝から主菓子ふたつをいただいてちょっと重たくなってきたので、お煎茶の〈二條流〉のお席へ。
テーブルごとに説明しながらお茶を淹れてくれる。
が、しっかりした薯蕷饅頭が出てきたのは計算外。
一煎目は素で飲み、二煎目はお菓子の後にいただくとのこと。それで味がずいぶん変わるのよというお話の流れからして、やはり食べずばなるまいと、3つめの主菓子。美味しかったです(でも苦しかった)。
こちらは、お煎茶でも啜り茶の〈東仙流〉。お茶碗の蓋をずらして、そこから啜る感じ?
自然栽培の抹茶をアピールする〈SATOYAMA JAPAN〉の早乙女たち。
立命館大学OBサークル〈鴨ん会〉による〈しかく茶会〉。
よく鴨川のほとりでのんびりお茶たてたはるそうです。ええなー。
バラ園では海外のお茶がふるまわれていた。
我々は、〈La melange〉でモロッコのミントティをいただく。
お砂糖たっぷりなのに爽やかで美味。お菓子は、ふわふわした卵ボーロ。
銀器の脇に立っている円錐形のものはお砂糖だそうで、本来はこれを砕いて使うとのこと。とっても堅いらしい。
とても可愛らしかったので思わず写真をとってしまった英国スタイルのお席のお菓子。
この日のために作ったオリジナルだそうだ。
会館の2階では、裏千家の海外留学生たちが、お茶会デモンストレーション中。
淡交会の研究会みたいなセットを組んで、席入りの仕方から説明している。
日本人に見えるひとも、中国人だったり韓国人だったりアメリカ人だったり。
司会の女性はとても丁寧な敬語を使うのに、返事や相づちだけは「うん」だったり「ふーん」だったりして可笑しい。
説明のあと、ここでも高校生たちによるお呈茶があり、お菓子は〈光華せんべい〉。
黒糖味のふのやき。校内ではあまり評判がよくないとも聞く(某筋から)けれども、お茶人さんには喜ばれるはず。
午後1時くらいになると、もうお茶券は売り切れましたと貼り紙が出ていた。
北門の近くにも高校生のお席があり(大活躍だなぁ!)、そばに〈松栄堂〉さんのお席があった。券は不要とのことだったので、入ってみる。
何をいただいているのかというと、香りをいただいている。こんなの初めてだ!
香木ではなく練香で、三種の中から好きな香りをチョイスしてお願いする。
わたしたちはちょうど三人連れだったので一種ずつお願いする。
どれもよい香り。屋外でのんびり香を聞くとは、なんとも不思議な気分である。
待っている人々も多いので、お香がなくなるまで居座るというわけにもいかず、せっせと香りを身に移しておいとまする。
他にも、府内各地のお茶農家やお茶屋さんがさまざまなお茶を出されていて、お得な直売などもあり、面白い体験だった。
「鴨ん会」のようなグループがもっとたくさんお席を持っていたら、さらに楽しかっただろうな~。
催しが目白押しでいいなあ。
国民文化祭、どうも一般にはわかりにくくて充分楽しめてるという風でもないのですが、それでも、ぽちぽち眺めております。
これからの一週間くらいが、一年で一番混雑する時期ですねー。