月扇堂手帖

観能備忘録
あの頃は、番組の読み方さえ知らなかったのに…。
今じゃいっぱしのお能中毒。怖。

schola 坂本龍一「日本の伝統音楽」(3)

2014年02月25日 | その他
NHK 2/20放映

「日本の伝統音楽」を5回に分けて論じるシリーズ。第一回から観ていて、ようやく三回目に能楽が登場。録画で観賞。

坂本教授は必ずしもこういう司会が上手ではないけれど、そこは、まあ坂本教授なのでよいことにして…。

今日、面白かったのは、「能」と「狂言」はなぜ「能」と「狂言」になったのかといったようことが非常にクリアに説明されていたこと。

その前に、「猿楽」というものがどういうものだったかがクリアに説明されていたこと。

正直、このあたり、わかったようなわからないような部分でした。

大陸から渡ってきた「散楽」は主に宮廷で演じられ、大まかに言うと、〈アクロバット〉〈手品〉〈お笑い芸〉という三つの要素から成っていた。そこに日本古来のお笑い芸〈俳優(わざおぎ)〉が加味されて「猿楽」というものになった。猿楽師は宗教儀式において僧侶に代わりさまざまな役を演じるようになり、この部分が徐々に演劇化された。「翁」はこの過渡期のもの?



誰もが死と隣り合わせだった戦乱の世に、人々の心を救うため新仏教は起こり、また亡霊の成仏を描く能が成立する。

そのとき、猿楽の中に取り残された宗教性以外の部分が凝縮されて狂言となった。

能は、死者を描く歌舞劇であり、狂言は生者を描く科白劇である。

ちなみに「自然居士」などは、まだ能と狂言が未分化な時代のものに思われ、両方の要素が含まれている。

子供たちを集めたワークショップでは、萬斎さんが茸歩きのご指導。

お囃子実演は、広忠君以外は関西勢(杉信太朗、吉阪一郎、前川光範)。

なんだか無性にお能が見たくなってきた(^_^)

参考:http://www.nhk.or.jp/schola/index.html

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おもしろいねえ (きゅうる村)
2014-02-28 11:23:13
確かに、能と狂言に結晶した、二つの要素は、能の作品に両方含まれていることも時々ある。能と狂言を会でセットにするのが慣行なことも、それを裏付ける。
翁が過渡期のものだというのも、おもしろい。
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面白いです。 (月扇堂)
2014-03-02 01:12:13
きっとゲストのどなたかが図式化したのだと思います。わかりやすい説明が必ずしも正しいとは限りませんが、もやもやがすっきりするとやっぱり嬉しいです。

次の回では、袴で舞囃子的に三番叟を舞ってました。再放送もあると思います♪
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