月扇堂手帖

観能備忘録
あの頃は、番組の読み方さえ知らなかったのに…。
今じゃいっぱしのお能中毒。怖。

玉三郎”美”の世界展/ふるあめりかに袖はぬらさじ

2012年05月21日 | 歌舞伎・舞踊・文楽
(京都・南座)


*iphoneのコラージュアプリで作ってみた。

「ふるあめりかに~」を観にいったところ、玉三郎展も拝見できるとのこと。

ロビーや廊下を利用して、玉三郎の歴史が展示されている。

舞台写真を年代順に見ていくと、このひとの最盛期は昭和60年代~平成10年代のようだ。

それ以前は、とても線が細い。舞台を見れば美しかったのだろうけれども、たとえば貫禄のついたイチローのデビュー当時を見たらやはり「少年」ぽく見えて物足りないように。そして今、そんな感じに見えている若手はたくさんいる。いずれ化ける人々か。

写真も衣裳も美しかったけれども、展示会に脚を運ぶ価値を最も感じたのは、奥の小さなTVに映し出されていた6歳当時の舞台ビデオ。
実のお父上が録画したものらしい。
まだふっくらした顔の玉三郎(当時は喜の字と言った)が、一人前に舞っている。
後ろには後見の女性がついている。ときどきこてっと尻餅をついたりもしながら、動じることなく舞い続けている。
ワケもなく涙が出て来てしまうような映像だった。南座に行かれた方は必見。

守田勘弥に引き取られてからの家族写真も、いちいち物語が浮かびそうな時の厚みを感じさせる。

3階には天守物語や海神別荘など泉鏡花の幻想的世界がセッティングされている。
天野喜孝が衣裳をデザインしていたとは知らなかった(/ロ゜)/
ここは、素敵なエリアだ。

一方、舞台の「ふるあめりかに~」のほうは、わたしにはちょっと冗長で退屈に感じられた。残念。

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