Lilac-Garden

写真で綴る日々の記録 & クラギ練習帳

駄菓子屋世代のストーリー…3

2007年04月12日 | 駄菓子屋世代のストーリー




 勝って嬉しい はないちもんめ
 負けて悔しい はないちもんめ
 あの子が欲しい あの子じゃ分からん
 この子が欲しい この子じゃ分からん
 相談しよう そうしよう・・・



大きなお兄ちゃんやお姉ちゃんたちが学校から帰る頃になると、広場は急に騒々しくなった。「○○するものこの指と~まれ♪」とか何とか叫ぶと、どこで見ていたのか子どもが集まってくる。「はないちもんめ」の遊びは知っているだろうか。一際甲高い声で、夕空に大きく響いたこの歌が、突然に私の心の奥底から飛び出してきた。もうすっかり忘れていた事なのに。

5~6人ずつのチームに分かれて手をつなぎ、対抗して人数を増やしていくゲーム。大声で♪勝っ~て嬉しい♪と片方がやれば、負けじとさらに大声で♪負け~て悔しい♪とやり返す。前へ攻めたり、後ろに逃げたり。つなぎ合った手が波のように、元気いっぱいに動いていた。

ちょっと鼻水たらした悪ガキの兄ちゃんなんかが、真ん中あたりでぐいぐい皆を引っ張るものだから、一列に並んだ弧は弓なりに大きくしなって突進してくる。端の小さな子は引っ張られて、あわてて駆け足になって・・・。真ん中の悪ガキにいちゃんときたら、腹立ちまぎれに靴を蹴り上げたりなんかするから、皆あははと大笑いするんだ。

不思議とこんな風景や子どもの頃に聞いたはずの高い声がふっと浮かんできた。他にも「おしくらまんじゅう」や「かごめかごめ」、「缶けり」、「馬乗り」など、一つ思い出すと次々に思い出されてくる。学年の違う大きな子も小さな子も、寄ると触ると皆で手をつなぎ、ぎゅーぎゅーと肌触れ合って遊んだような時代だった。

たぶん、私は端っこであわてた小さな女の子。そう、「はないちもんめ」、憧れの真ん中の場所を私は陣取る事ができたのか、ちょっと気になる。ちょっと気にはなるが、遊具遊びとすり替わってしまったか、それはどうしても思い出せないのだ。


Lilac-garden 「駄菓子屋世代のストーリー」より3回目(写真は青ノ山・山頂)