Lilac-Garden

写真で綴る日々の記録 & クラギ練習帳

木枠の格子模様が重厚な街・金沢

2021年09月12日 | 日本の旅
前回に引き続き2015年金沢です。今となってはもう遥か昔の記憶で曖昧なところもありますが、茶屋街〜主計町あたりを訪れたときの記録です。金沢はそれより少し前の2012年にも立ち寄ったことがあって、美味しい海鮮と活気のある商店街が楽しくて、是非またゆっくり来たいと思っていたのでした。

「自由軒」は老舗の洋食屋さん。ひがし茶屋街の入口付近にどーんと立っていました。古い銀行を当時の外観そっくりに改築した建物だと聞きました。

路地を覗くと猫が1匹・・

猫が1匹・・


まばゆい朝の光の中で雑穀屋さんの暖簾を見つけました。夜間に降った雨で少し地面が濡れていたような記憶があります。

メイン通り入口にそびえる建物です。赤い建物に柳の木。茶屋街建築の資料館だそうです。2階の窓を開けると美しい出格子が見られるようですが時間外でした。朝陽を受けて、背景に並んだお屋敷の、格子の木肌が飴色に輝いていたのが印象的でした。



大きなお屋敷の2階からさらに突出した所に小部屋がありますね。ここは火の見やぐらだそうです。夜通しの見張りで火事を防いでいたと思われます。古い町を旅していると、いろんな形の火の見やぐらによくお目にかかりますが、住宅の屋根につけられたものは初めて見ました。やはり町の景観を尊重してのことでしょうか。

碁盤の目に並んだ道筋にはそれぞれ格式があるそうで、一番広い中央の通りは高級料亭が軒を並べ、入口には門番がいて上客のみ中に入れたそうです。一元さんはお断り。路地の道幅が狭くなっていくにつれ、店の格式も少しずつ低くなる。現代の話ではないですよ。ガイドさんのお話を聞きながら、ぶらりぶらりと楽しみました。







赤い格子、茶色い板塀、石造りの建物・・様々な家の形とたくさんの格子があるのに整然と落ち着いた雰囲気があります。緑と青い空が映えますね。金沢は冬は雪に覆われて一年中曇りの日が多い。そんな気候に赤い格子の家はよく似合うそうです。





変わってこちらは主計町。浅野川に面して宿屋が軒を連ねています。

2階の木枠の窓の部分に歴史を感じますね。物語の世界にすーっと溶け込んでいけそうな趣があります。
「私は部屋に入るとすぐに正面にある格子の木枠をそっと開け、往来の中にあの人の後姿を探していた。。。」なんて☺️

上流に向かって歩いて行くと、なかの橋あたりに泉鏡花の公園がありました。橋の渡し賃について書いてあります。付近には「くらがり坂」など見どころもあったのに、残念ながら知識もなくて見ることができませんでした。ただ、このあたりを散歩したことで、前述の「金沢文芸館」に立ち寄ることができたのは幸運だったと思います。







私たちの行った金沢は晴天でした!

もちろん最後はお決まりの海鮮丼で♪
次回は2012年の金沢海鮮三昧でも紐解いてみましょうか。

金沢文芸館(2015.10.15)

2021年09月08日 | 日本の旅



家にいる時間が長くなったせいか、もうそれほど外出をしたいという気分にもならなくて、ギターを弾いたり、本を読んだり、Twitterやブログに投稿したり、そんな折りに読んだ五木寛之の「蒼ざめた馬を見よ」がよかったので2015年に金沢を訪ねたときのことを思い出して書いてみようと思った。

写真は金沢文芸館。金沢五木寛之文庫として公開されていた。しかし2015年のものなので、現在とは展示の内容も大きく違うかもしれないが。








「蒼ざめた馬を見よ」感想メモ書き 
近ごろは集中力の低下か、あまり書物に没頭できなくなっていたのだが、この一切の無駄がない文章には最初から好感をもって、ぐいぐい惹き込まれた。ミステリー要素もある作風だが、6つの短編にはそれぞれ複線に戦争の悲劇が描かれている。大変悲惨な話だが耳を塞がずしっかり読みたいところ。それが現実だった時代がある。この本を読むと語り継ぐはずだったものがずいぶん薄れてきたなと私は感じた。












金沢の街並み散歩も次回書いてみたい。